地元を走るローカル路線の土佐くろしお鉄道には阪神タイガース応援列車と言う特別ラッピング仕様の車両が走っています。
沿線上に阪神タイガースのキャンプ地があって、2003年にキャンプ地である安芸市の地域おこしグループが企画して登場した列車です。
2019年に外装がリニューアルされました。
高知駅から終着駅の奈半利駅まで阪神タイガース応援列車を追って行く列車旅で、前回に出発した高知駅から2.2キロで薊野(あぞうの)駅に来ました。
相対式ホーム2面の2車線の無人駅で駅舎はありません。
かつての国道32号線だった県道249号線沿いの住宅街にあり、とさでん交通のバス亭があります。
駅に入り2番ホームへ渡るには跨線橋で渡るようになります。
阪神列車が停車しているのは下りで2番ホームとなっていて、1番ホームは上りで、同じくろしお鉄道の9640型とすれ違います。
国鉄時代は短い片面ホームのみの小さな駅でしたが、リニューアルされて2車線となりました。
ホームに行くバリアフリー対応の長いスロープもあります。
単線であるJR土讃線上にある駅なので、行き違いでは待合となる駅です。
特急列車が優先されるため、通過するまではこうして数分待つ場合があります。
新型の2700系の特急南風が勢いよく通過していきます。
旧国道32号線と住宅街に挟まれるようにあり、遠くから見ると周りに囲まれている感じです。
これはトイレがある側面です。
薊野駅は古くは莇野と書き「あざみの」と呼んだそうです。
薊野駅のある薊野地区の名前の由来はアザミの里に由来すると言いますが、そんな面影を感じないほど住宅街や商店街が立ち並び、その間をバイパスが行き乱れるごちゃごちゃとした場所となっています。
国鉄時代の駅は1線路の1ホームと言う簡素な感じの駅で、住宅街にある事や特急列車や急行列車がそのまま通過していくため、ほとんど目立たず、地元でなければ印象に残らないほど地味な駅でした。
高知駅の次の駅と言う事もあって今でも乗り降りする人はそれほど多くない駅ですが、個人的には何となく気になる駅でした。
そんな薊野駅を出発して次の一宮駅に向かいます。
線路は商工業地帯から住宅街を縫うように抜けていて、浦戸湾へ流れる久万川の一番北端部を沿うように進んで行きます。
高知I.Cへと続く県道44号線のバイパスと最近開通した高知道と高知東道を繋ぐ自動車専用道路の高架下を通過していきます。
道路が入り組む地域を縦断するように通る線路をハイスピードで通過して行くので、乗っていると爽快です。
薊野駅まで沿っていたかつての高松街道とされていた県道249号線は北へと膨らんで行き、線路は南側へと緩く膨らんで行き、再会するのは繫藤駅手前となります。
くろしお鉄道とはこれでお別れとなります。
高知市街地の北部を意外と早いスピードで疾走して行きます。
やがて住宅街を抜けるようになると土佐一宮駅へと到着します。
車両の左に見えるのは保線車両用の倉庫です。
その駅名にあるように土佐一宮神社が鎮座する地区にあり、土佐国一宮であった場所です。
一宮と書いて、ここでは「いっく」と読みます。
日本語は場所によって読み方が違うものです。