映画「ドライブ・マイ・カー」を観る | 柴犬カン、福の日記

柴犬カン、福の日記

柴犬カンと福、筆者の出来事、想い、政治、経済、文学、旅行、メンタルヘルス、映画、歴史、スポーツ、等について写真を載せながら日記を綴っていきます。柴犬カンは2018年12月に永眠しました。柴犬福が2020年4月7日夕方にわが家にやってきました。その成長記録。

 まず、とても良質な映画でした。約3時間。いろんな賞を取っていて、日本で再評価され

一部の映画館で再上映されている。夕方から21時くらいまでの上映だった。

 

 スタートから1時間は「村上ワールド」。村上春樹の短編を映画化している。スノッブで都会的。舞台俳優とテレビの脚本家の夫婦の生活が描かれる。サーブという外車に乗っている。3時間ともサーブの赤い車が走り続ける。高層ビルの隙間を縫って走る首都高を描く。そして性的描写村上春樹得意のパターン。主人公がベケットの「ゴドーを待ちながら」に出演している場面は、知ってる人なら唸る。わたしは20代のころ、富山県の利賀村にSCOTのによる「ゴドまち」を見て感激したのを覚えている。2人しか出てこない。ゴドー、すなわち生きる意味とは何なのか?

 次の1時間はは主人公の舞台俳優の妻が亡くなって、場面は広島に移る。ここから1時間はSDGsに移る。多様性。多言語(手話を含む)によるチェーホフの「ワーニャ伯父さん」を主人公の家福が演出。東アジアの、中国、韓国の俳優が母語で演じる。

 そして最後の1時間はチェーホフの世界に。生きていること自体が苦しみ。チェーホフは「かもめ」「3人姉妹」など若いころによく見た。太宰よりも遠くから人々を描写し、しかし個々人に強く訴えかける。わたしも大好きな戯曲家。生は一切が苦、なのか。

 

 全体にやや長い。あと30分短かったらどうだろう?演劇の稽古の場面がやや長いかな。でもとてもよかった。ヨーロッパのインテリにはとても受ける映画だと思う。アメリカのアカデミー賞は難しいかな。村上春樹はユダヤ人批判をイスラエルでしてしまって、ノーベル賞ほかの賞は受賞が難しくなっている。

 村上春樹の本は、私が一文に在籍していた時に、生協の本屋に山積みされており、次々と売れていた。博学。音楽や演劇、ブランド服。フランスの哲学。みんな村上春樹になりたかった。でも小説家として成功したのは、私の知りうる限り角田光代さんだけ。

 

 とりあえず外のサイトからの情報で。↓

 

 村上春樹が2013年に発表した短篇小説に、カンヌ・ヴェネチア・ベルリンをはじめ国際映画祭で高い評価を得た濱口竜介が挑む意欲作。舞台俳優の主人公・家福(かふく)に西島秀俊、ヒロインのみさき役に三浦透子を迎え、愛と喪失、希望の物語が紡がれる。

 脚本を担当した黒沢清監督「スパイの妻<劇場版>」がヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)に輝く。また、公開を控える監督作「偶然と想像」は2021年・第71回ベルリン国際映画祭銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞する。西島秀俊は、村上春樹作品を経験済み。一方、三浦透子は「天気の子」の主題歌を歌った。さらに、物語を大きく動かすキーパーソンの俳優・高槻役には、。岡田将生。秘密を抱えたままこの世を去る家福の妻・音役を、村上春樹の長篇の映画化「ノルウェイの森」の霧島れいかが演じている。

 

 あらすじ・・・舞台俳優・演出家の家福悠介は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻がある秘密を残したまま突然この世を去ってしまう。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすうちに、それまで目を背けていたあることに気づかされていく。