フランス🇫🇷
監督、演出:エルサ・ベネット、イポリット・ダール、フレデリック・ベアト
脚本:アレクサンドル・ド・セガン、ローラン・ブルタン
出演:
【メインキャスト/声優】
アストリッド文書係(サラ・モーテンセン/貫地谷しほり)
ラファエル警視(ローラ・ドベール/林真里花)
ニコラ警部(ブノワ・ミシェル/川田紳司)
ノラ(ソフィア・ヤムナ/種﨑敦美)
フルニエ監察医(ウスキ・キアル/佐々木陸)
カール・バシェール警視正(ジャン・ルイ・ギャルソン/藤真秀)
テツオ・タナカ(ケンゴ・サイトウ/中川慶一)
ウィリアム(ジャン・ブノワ・スイル/粟野志門)
アストリッドは自閉症で、幼い頃から周りに理解されない辛い経験を持って生きてきました。
犯罪資料局で静かに働いていたのですが、ラファエルと知り合い事件解決に才能を発揮して苦手な人との関係を苦悩しながらも成長していきます。
『アストリッドとラファエル4文書係の事件録』
#タイムトラベラー
あらすじと感想
(ニルスとの関係)
今回「タイムトラベラー」が軸にある事件ですが、アストリッドの異母弟の関係について展開していきます。自閉傾向やコミュニケーションが難しい方と話す時に重要な学びをもらいましたので、呟かせください。
【アストリッドの部屋】
アストリッド宅へ泊まりに来た日、ニルス(異母弟)が姉のアストリッドが自閉症だということで、学校で喧嘩をし、目の近くを怪我していました。その件でアストリッドはニルスと話し合うため、新たに訪問約束日ではない日、ニルスを部屋に招き入れることにしました。
日程・時間変更などはとても苦手なアストリッドなのに、ニルスのためにすごい頑張りです。
ニルスが部屋に入って間もなく、アポイントなしで児童相談所のヴェルヴェルドという女性がアストリッド宅を訪問してきます。
ドアを開けたが、
アストリッド:「相談はありません」
と言ってドアを閉めようとするが、児童相談員は「学校に通報があったので、調査をしに来た」のだと言う。
アストリッドは例外なことへの対処が苦手なので、訪問を受け入れることについて、
アストリッド:「法的義務はありますか?」と尋ねる。
児童相談員:「もし、相談所に不利な報告をして欲しくなければ受け入れるべきです。」と答える。
☝️お互い明快な受け答えですね。見習いたい
ニルスへ敬語で話すアストリッドに
児童相談員:「敬語で話すんですか?」と尋ねる
アストリッド:「はい、間違いがないように、みんなに敬語で話します。」明快な答え。
☝️話をする時、私は感情的になってしまうことがある。でもこのように敬語を使うと、頭の中で言葉を選ぶので敬語で話すことは冷静さを保つ1つの方法になるかも、と学びました。
アストリッドはどんな通報があったのかを聞きます。
児童相談員:
「7歳の児童が行政が身元を把握していない保護者としての適性に欠けている人と暮らしているとの通報です。」
アストリッド:「私は適任です。」
児童相談員:「それは私が判断します。」
この後、
児童相談員:「じゃ、私はいないものと思ってどうぞご自由に過ごして」と言う。
アストリッド:「それは不可能です。ここにいるとわかっているのに、いないと思うのは、不可能です。」
いぶかしげな表情の児童相談員。
児童相談員:「それじゃあ、普段通りにして。」
アストリッド:「今日は例外的なんです。」
ここでも、短く伝えるべき言葉のみの会話が続きます。
児童相談員はアストリッドの表情を見、話す言葉なども細かくメモ帳に書き記します。
☝️私は伝えたい言葉の前後に説明を入れすぎるていると反省しました。
児童相談員は知りたいことは家庭環境調査であり、2人の言葉のやり取りでマウントを取るために来たのではない。アストリッドも、ニルスと喧嘩の件を話すという重要な案件が控えている。これ以上話しを長期化するのは賢明ではないと判断した彼女たちは素晴らしかったです。
私の話し方、内容、伝え方を変える方法を教わりました。
この後、ニルスとアストリッドは喧嘩の件を話し合います。アストリッドが喧嘩の理由を尋ねます。
ニルス:「他の人と違うお姉ちゃんが自慢なのに、悪口言うやつは大バカだ。」と答えます。
怪我をしたニルスの手当てをしようとするアストリッド。そこにも、とても素敵な短い会話があり、まっすぐな彼女の行動や言動に感動します。
ニルスは大人びているのか、頭がいいからなのか、必要なことだけをしっかり話します。そして、監督、脚本、映像、編集者さんの視点がとても素晴らしいです。2人のやりとりを観ていてウルっときます。
少しずつアストリッドの中の何かが変わりつつあるのでしょうね。胸があつくなります。
☝️私はこうあるべきと決めつけることが多いのです。こうでなければならないと厳しく教育されてきた世代です。でも、そうではないと、この頃思うのです。何もかも決まり事で動くはずはなく、アストリッドとラファエルたちを観ていると、難しく考えすぎている自分に気づくのです。それらのことが今回は深く心に響きました。
言い過ぎない。余裕を持つこと。相手を受け入れる。ただ、言うべきことは言う(私は言えないのです、なかなか気持ちをうまく伝えれない。自分の気持ちを抑えてしまうのです。うまく言えないから、心の奥底に怒りがたまっているのですね。食いしばりで歯茎が弱るし、体調も崩す)
少しずつ、エクササイズエクササイズ
【場面が変わり、犯罪資料室】
児童相談員訪問の話をするアストリッドとラファエル
ラファエル:「こんなこと、わざわざ通報したバカを連行してとっちめてやりたい。調査する理由なんてないのに。これは差別だよ。アストリッド。」
☝️フランス🇫🇷すごい!こんな風に言えるラファエルが素晴らしいですが、お国柄ですよね。このシーンには拍手喝采の思いでした。
アストリッド:「ラファエル、もしかすると、通報した人は善意で、そうしたのかも知れません。ニルスを心配して。」
ラファエル:「でも、あの子は救われたんだよ。あなたの家に行くようになって。あなたは彼の指抜き、それは誰も否定できない。わかる?」
アストリッド:
『指抜き』とは
裁縫の際に針🪡から手を守ったり厚い生地を縫う時に指が当たっても痛くないように保護したりするものです。
☝️ニルスにとってアストリッドの存在は指抜きの役割をしていて、それは誰もが認めるべきことだよと言っているのですね。
ラファエル、素敵!最高!