『男たちの大和/
YAMAYO』
2005年 日本
監督:佐藤純彌
原作:辺見じゅん
出演:反町隆史
中村獅童
松山ケンイチ
渡辺大
内野謙太
崎本大海
橋爪遼
山田純大
鈴木京香
長嶋一茂
蒼井優
高畑敦子
余貴美子
寺島しのぶ
白石加代子
奥田瑛二
林隆三
渡哲也
仲代達也
他
音楽:久石譲
主題歌:長渕剛
あらすじと感想
上映当時、同じ園の仲良しのグループで観に行った。帰りの食事で気がついたのだが、誘い合わせたように皆男の子の親だった。
自分たちにとって戦争は遠い遠い話のことで、特に戦争に対する確固たる考えもなく、長渕剛の主題歌が良かったのと話題の映画だったので見に行くことしたのだった。
ところが、戦争の恐ろしさ、むごたらしさに、目を覆うばかり。戦死を告げられる家族、家族や国民を守るために進みたい道、やりたいことをあきらめて、自ら志願したり、赤紙を受け取り笑顔で出兵していく姿には涙があふれた。どの客席からもずっとすすり泣きが聞こえていた。観覧している年代は様々で超満員だった。
愛する人との静かな別れの挨拶、お互いの胸の内を告げずに何とも言えない表情で出発していく若者たち。
戦闘シーンは壮絶で、それでも逃げることなく戦う乗組員たち。
観ている我々はそれぞれ息子を持つ身。観覧後は食事が進まず、皆が苦しい胸の内を語り合ったことを覚えています。
ご覧になった皆さんは、記憶に残る名シーンがたくさんおありだと思いますが、自分は
戦艦大和が最後の寄港先で親子が別れを告げるシーンが忘れられません。大和に乗船する息子にあんこのお餅(おはぎだったかも)を持参するシーンです。
まだ10代半ばの幼さを残した少年兵と母。
母の手作りの甘いものがまだまだ食べたい盛りの幼さの残る少年ですが、立派に出発の挨拶を終え、気丈に送り出す母親。
しかし、息子の姿が見えなくなると、たまらず宿を飛びだし駆け出して行く母。
そして、
絞り出すように言葉に出してしまう
「死んだら………死んだらあかん……死んだら…あか…ん…」
帰らぬ戦艦を送り出す母(高畑敦子)の名演。声が出そうになるくらい涙があふれ出て止まらなかった。
まだ子どもは小さかったが、「戦争」をものすごく意識した映画だった。
それ以前もそのあとも戦争映画はたくさん作られています。
どの監督も警鐘を鳴らし続けています。
しかし、争いごとは起きてしまう。
戦争のない世の中になりますようにと祈ります。