シンイ祝ヨン周年 in Japan★ハン国の王子と森の妖精ウンス(6) | 信の虹 ー신의 nijiー

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ここは韓国ドラマ「信義」の登場人物をお借りして楽しんでいる個人の趣味の場です。
主に二次小説がメインです。ちま(画像)の世界も大好きです。
もしも私個人の空想の産物に共感してくださる方がいらっしゃったら、
どうぞお付き合いください^ ^

パーティーが始まり、ミヌ王子は人々の前で挨拶を済ませると、拍手の鳴り止まぬ中を笑顔で手を振りながら壇上から降りようとしました。


しかし右の階段から降りるのか、左から降りるのか迷っているところをヨン王子が目で合図をして案内します。

赤い絨毯の敷かれた通路でヨン王子が背後から「そこに段差が。気をつけろ」とミヌ王子へ耳打ちすると、
「もう、わかってるよ兄貴」といいながら躓きそうになり、それをヨン王子が素早く支えて助けました。
そんなヨン王子の影のようなサポートに、周りの人々は気付いていない様子です。

 

ウンスはミヌ王子の意外な一面を見た気がして、「ねえ、ミヌ王子って・・・」とヨン王子に尋ねると、「あいつはいつもどこかに躓いたりぶつかったりするから、目が離せないんだ」と教えてくれました。
そう言いながらミヌ王子を見守るヨン王子の顔が酷く優しげで、ウンスはもっと意外なものを見た気持ちになりました。

 

「お飲み物をお持ちしましょうか」

やってきたメイドにウンスはコーヒーを頼みました。
メイドが「ミヌ王子はいつものカフェラテでよろしいですか」と尋ねると、
「うーん、たまにはピーチティーにしようかな。あ、やっぱりイチゴラテ」
と笑顔で答えます。
何故かウンスの頭に、森で大の仲良しだったおっちょこちょいで蜂蜜好きのプーというお友達が過ぎって、懐かしくなりました。
ヨン王子は「俺は水でいい」と言うと、会場内の警備に視線を走らせています。

 

その後、連日の公務で疲れ気味だったミヌ王子を一旦別室へ移した時に、事件は起きました。
ミヌ王子の追っかけに夢中になり、家を出て行った娘がいつまでも帰って来ない。と他国の大臣が部屋へ怒鳴り込んできたのです。


「わしの娘を何処へやった!」
興奮して周りが見えない大臣が剣を抜き、ミヌ王子に振り下ろしました。
「おっと」
素早くミヌ王子が避けると、同時に風のように走り寄ったヨン王子が素手で打ち、大臣の剣を落とします。
床に落ちる寸前の剣を足で蹴り上げて右手で掴むと、すぐさま大臣を壁に押さえ付けました。
しかしそれでも暴れようとする大臣に向かって、ヨン王子はその顔に掠めるようにしながら壁に自分の拳を打ち付けます。

ドン、という大きな音と共に大臣は情けない声を上げて大人しくなりました。

 

一瞬の出来事に声も上げられずにいるウンスに、ミヌ王子は笑って言いました。
「大丈夫大丈夫、よくある事だから。兄貴、あとは僕に任せてウンスちゃんを見ててあげて」
「しかしミヌ、」
「こっちは大丈夫だよ、副隊長さんもいるし。困った家出娘さんも探し出して家に帰さなきゃ」
そう言って、近衛隊員に拘束された大臣と共に、ミヌ王子達は部屋の外へ出てゆきました。


ヨン王子が皆を外へ見送る際、一人の背の高い近衛隊員がウンスの可愛らしさに気を取られたのか、ぼんやりとウンスを見つめています。
ヨン王子が近づくと、その隊員は「痛!」と声をあげて後頭部を抱え、「す、すみません」と言いながら出ていきました。