5/15にスロバキア国内で銃撃をされて、直後はかなり重篤な状態とも言われていたいたスロバキアのフィツォ首相が数回の手術を経て、その後、順調に回復されているようです。

 

フィツォ首相がなぜ銃撃されたのか、私のブログでは下の過去記事でフィツォ首相の過去の発言をご紹介しました。そちらの記事もまだご覧になられていない方はぜひご覧ください。

 

 

 

とても嬉しいニュースですが、フィツォ首相は今は順調に回復されている途中で、事件以降、初めてビデオでメッセージを発信されました。

本日はそのニュース記事をご紹介します。ロシアのメディアRTから6/5に報じられているものです。

 

Slovak PM points to forces behind assassination attempt

 

(和訳開始)

 

スロバキア首相、暗殺未遂事件の背後にある勢力について指摘

 

 

ロベルト・フィツォは、この致命的な銃撃事件は西側諸国が支援する野党勢力が引き起こしたと主張している

スロバキアのロベルト・フィツォ首相は、先月彼を危うく死に至らしめた暗殺未遂事件は、西側主要国の政策よりもスロバキアの利益を優先する(フィツォ政権の)外交政策の受け入れを拒否する、外国からの支援を受けた政治家らによるものだと主張した。

フィツォ氏は水曜日にビデオ声明を投稿し、5月15日の銃撃事件で重傷を負って以来初めて公の場に姿を現した。同氏は医療従事者たちが命を救ってくれたと感謝し、今月末か7月初めまでには少なくとも一部の職務を再開できると予想していると述べた。

首相は、暗殺未遂事件を軽視し、すべて精神異常者の銃撃犯のせいにしようとする動きを非難した。 「私は彼を許し、彼が自分の頭で、自分が何をしたのか、なぜそうしたのかを整理させるつもりだ」とフィツォ氏は述べた。「結局、彼は悪と政治的憎悪の使者にすぎなかったことは明らかだ。政治的に失敗、挫折したスロバキアの野党は、それを手に負えない規模にまで膨らませた」

フィツォ氏は、昨年9月のスロバキア議会選挙で所属政党のスロバキア社会民主党(SMER-SD)が勝利した後、首相として4期目の権力に復帰した。同氏は先月の銃撃による傷が重く、数週間以内に職務を再開するのは「小さな奇跡」だと述べた。同氏は、億万長者の政治活動家ジョージ・ソロス氏が資金援助するメディアを含む政敵が暗殺未遂事件の影響を軽視しようとする動きに警告を発した。

「反政府メディア、特にジョージ・ソロスの金融組織が共同所有するメディアに対し、このような道を進まないよう、また殺人未遂の理由の重大さだけでなく、この未遂の結果も尊重するよう求めたい」とフィツォ氏は述べた。

長年の指導者である同氏は、スロバキアの野党の「憎悪と攻撃性」により政治的暴力が発生する可能性があると数ヶ月前から警告してきたと付け加えた。同氏は、野党が政敵を攻撃し憎悪を煽っているのに西側の主要な民主主義国が沈黙していることを嘆いた。

同氏は、野党勢力が現在の方針を継続すれば、さらなる政治的暴力が予想されると警告した。「皆さんが実際に目にした5月15日の恐怖は今後も続き、犠牲者が増えるだろう」

「正当な政府権力に対する暴力と憎悪に満ちた行き過ぎた行為は、国際レベルでは何も言われることなく容認されている」とフィツォ氏は付け加えた。「野党は、誰も強制しなかったため、彼らの攻撃的で憎悪に満ちた政治が 社会の一部をどこに導いたのか評価することができず、悲劇が起こるのは時間の問題だった」

フィツォ氏は、2020年から2023年までスロバキアを統治した政党は、ロシアと中国を「不倶戴天の敵」とみなすなど、西側諸国の要求を何でも実行したと主張した。また、前ブラチスラバ政権はスロバキアの軍事備蓄を「略奪」し、ウクライナに武器を提供したとも付け加えた。10月に政権に復帰したフィツォ政権は、こうした援助を停止し、NATO諸国の怒りを買った。

「EUとNATOがウクライナ紛争をさらに重要視し、文字通り唯一の正しい意見の概念を神聖視したのはまさにこのことだ。つまり、ロシア連邦を弱体化させるためには、ウクライナ戦争はいかなる犠牲を払ってでも継続しなければならないというものだ」とフィツォ氏は述べた。「この唯一の強制的な意見に同調しない者は、直ちにロシアの代理人とされ、国際的に政治的に疎外される。残酷な観察だが、異なる意見を持つ権利はEUでは存在しなくなったのだ」

 

(和訳終了)

 

上の記事の通り、フィツォ首相自身は この暗殺未遂事件は ウクライナ支援に賛成している野党によって雇われたヒットマンがフィツォ首相の命を狙ったのだ と見ていて、実際に容疑者は「野党支持者」であり、フィツォ首相のウクライナ支援を行わないという政策に不満だった とようなことも証言していますので、「ウクライナ問題」がやはり大きく関わっていたことは間違いなさそうです。

 

他にもCovid-19のワクチン問題やWHOのパンデミック条約にも反対していましたので、フィツォ首相にはEU内やNATO内に敵が多数いたであろうことは想像できます。

 

そして、先日「外国代理人法」を法制化した旧ソ連から独立したジョージア(グルジア)の与党「ジョージアの夢」とコバヒゼ首相に対しては EUの委員のひとり、オリバー・ヴァーリィ氏がフィツォ首相の名前を挙げて命の危険をほのめかす という、まるで暴力団かマフィアか というような脅しまで起こっています。

 

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木曜日のFacebookへの投稿で、匿名の委員が彼への最近の電話で、西側は彼に対し、もし彼の政府が外国NGOへの資金開示の要求を含む法律を推し進めた場合、「多数の措置」を取るだろうと警告した。

 

「これらの措置を列挙しなたら、彼は言及した:『フィツォ首相に何が起きたかを見て、あなたはとても注意する必要がある』」と彼は書いた。

 

このことは下の過去記事で書いていますので、こちらもご覧になられていない方はぜひお読みください。

 

 

 

 

そして、今回はもう1本、横暴極まりないEUが ウクライナへの支援金拠出で、たびたびEU内で拒否権を投じてきたハンガリーに対して、「拒否権を奪うべきだ」ということを言い始めましたので、その記事をご紹介します。

 

Punish Hungary to ensure EU’s future – bloc presidency holder

 

(和訳開始)

 

EUの将来を確実にするためにハンガリーを罰するべきー欧州連合議長

ベルギーはブダペストの投票権を剥奪すべきだと主張している

 


ベルギーのハジャ・ラビブ外相は、EUの将来を守るために、EUはハンガリーの投票権を剥奪すべきだと主張した。

ブダペストは7月にEU理事会の輪番議長国に就任する予定だ。現在の議長国であるベルギーは、ロシアとの紛争におけるウクライナ支援を含むEUの主要計画に対するハンガリーの反対に不満を表明している国々の1つである。

「我々は決断する勇気を持つ必要があると思う。第7条の最後まで踏み込み、拒否権の終了を規定する第7条を最後まで発動しなければならない」とベルギーの外交官は日曜日にポリティコに語った。

投票権の停止を含む第7条は、 EUの価値観に違反したとみなされる加盟国に対する「核オプション」と呼ばれることが多い。

欧州議会は2018年にハンガリーに対する訴訟手続きを開始することを決議し、ビクトル・オルバーン首相率いるハンガリー政府がメディアと司法への攻撃を通じて法の支配を損なっていると非難したが、加盟国間の意見の相違により訴訟手続きは停滞していた。 

オルバーン氏は、ウクライナ危機に対する西側諸国の姿勢を声高に批判している。同氏は、キエフがモスクワに対抗するために武器を供給したが、敵対行為を止めることはできず、制裁はロシアよりもEUに大きな損害を与えたと主張している。 


ブダペスト(ハンガリー政府)は、ハンガリーの利益に対する脅威とみなすロシアに対する貿易制限を阻止し、ウクライナへの 資金提供を制限するために、繰り返し拒否権を行使してきた。

ラビブ氏は、オルバン政権がEUの諸問題に対して「ますます取引的、阻止的、拒否的態度を取っている」と非難した。


「今が正念場だ」と彼女は第7条の脅威について語った。「このメカニズムを最後まで実行すれば、必ず機能する。機能しないなら改革しなければならない。それが欧州連合の未来だ」

ハンガリーは現在、こうした手続きに直面している唯一のEU加盟国だ。5月、EUはポーランドの国内政策に関する同様の調査を取り下げた。ポーランドはウクライナ問題ではEUと足並みを揃えているが、難民やLGBTの権利など他の問題では最近までEUに反対する保守政権を敷いていた。

しかし、昨年12月、長年のEU支持者で元欧州理事会議長のドナルド・トゥスク氏がポーランド首相に復帰したことで状況は一変した。 

「彼らの一人である限り、ブリュッセルの主流派の一部である限り、何をしても構わない」と、ポーランドの欧州議会議員ラドスワフ・フォギエル氏は当時、ニュースメディア「ハンガリー保守派」のインタビューで語った。

 

(和訳終了)

 

EUはどんな小国であってもドイツやフランスと同じ一票を持ち、「全員一致」で政策を決定する というのが設立当初の理念だったのではないでしょうか。だから「拒否権」があるのです。

 

ウクライナへの支援やロシアへの経済制裁について、ハンガリーがたびたび拒否権を投じているから、ハンガリーから拒否権を奪おうとか それはもうEU自体がグローバリストによる強権・独裁体制だということを馬脚をあらわしたということであって、そのようなことをやっていたら、EU自体が信頼を失うことになりますし、加盟国の政治体制にはいちいち口を出さない緩い経済連携であるBRICSのようなグループへと魅力を感じる国が多くなっていくものと思います。

 

実際、EUに30年前から加盟申請をしていて未だに加盟が認められていないトルコは BRICSのほうに加盟するかもしれない と言っています。

 

Kremlin welcomes Turkey's reported desire to join BRICS

(クレムリン、トルコのBRICS加盟意欲を歓迎)

 

アジアでもタイが東南アジアで初めての加盟国になりそうです。

 

ちなみに、今年のBRICS首脳会議の議長国はロシアです。

欧州ではハンガリーとセルビアが首脳会議への招待状をもらっているようです。

 

ハンガリーのオルバン首相が言う通り、「ロシアへの経済制裁はEUに大きな損害になった」というのは明らかで、EUの中でロシアへの経済制裁に反対したハンガリーと、またEU加盟国ではないものの、将来の加盟国候補になっていて親ロシアの国であるセルビアがBRICSにも興味を示している というのは それだけ「自由や民主主義」を重んじるはずのEUが 各国の主権をも奪うような強権的な体制をとっている ということではないでしょうか。

 

ファイザーに直接電話をかけて18億本ものCovid-19ワクチンの契約を結んだEU委員長、ウルスラ・フォンデアライエン女史など、まさに独裁者のようなふるまいをしていることでも分かる通り、グローバリストによる強力な権威主義体制を取っているのがEUです。