昨年夏、アフリカのニジェールで軍事クーデターが起こって、植民地時代の宗主国であるフランスのあやつり人形となっていた大統領が追い出され、国民の大多数はその軍事政権を支持していることを私のブログの過去記事でご紹介しました。

 

 

そして、一時はフランスから 空爆をするぞ とか、ナイジェリアを中心とするECOWAS(西アフリカ諸国共同経済体)の軍隊を使ってニジェールに軍事進攻させるぞ 等とフランスは脅していましたが、そのECOWASのナイジェリアも同じ民族の国であるニジェールに対して戦争を仕掛ける というのには大多数の国民や国会議員は非常に消極的で、結局、フランス軍はすごすごと撤退するしかなくなり、ニジェールから撤退しました。

 

 

 

ニジェールにはアフリカで最大の米軍のドローン用の基地があり、ここはどうなるのだろう・・・と思っていたら、ビクトリア・ヌーランド当時国務次官がニジェールに飛んで米軍兵士の人数を減らす代わりに基地を存続させ続ける為の交渉を米国とニジェールの軍事政権の間でやっていたようです。

 

そして、その交渉の結果、ニジェール政府は 交渉の中で、米国政府の態度が「アンプロフェッショナル」なものだった ということで、米軍にも立ち退きを要求しました。(下のビデオでそのように言っています。ビデオのタイトル:ニジェール、仏軍強制退去から6か月後に米軍を追放)

 

 

アメリカはそのドローン基地をとても重要視しており、アフリカ全土で偵察活動、軍事活動をする際に欠かせないものとして1億1000万ドルをかけて基地を建設しています。無人機の基地といっても 小さな無人機ではなく、かなり巨大な無人機や滑走路をそなえた基地です。(↓の写真)

 

(上の3枚の写真:ニジェールにある米軍の無人機基地)

 

そして、下の地図は アフリカ大陸での米軍の作戦場所を示しています。かなり広範囲で軍事作戦を展開しています。(上の3枚、下の1枚の写真の元記事はこちら

 

 

アフリカ中部にあるニジェールの無人機基地からアフリカ全土への偵察、軍事作戦での攻撃支援活動を行っていることが分かります。

 

そして、すでに立ち退きとなったフランスについてですが、フランスの家庭で使用する電気の3軒に1軒はニジェールから格安価格で搾取したウランによる原子力発電で賄われていました。

ニジェールからのウランが手に入らなくなったフランスは代わりにカザフスタンから購入することになったようですが、ニジェールは 過去の植民地支配への補償もフランスに求めているということです。

 

このような話を聞くと、最近フランスのマクロン大統領がロシアのプーチン大統領に対し、やたらと好戦的になっている理由は やはり ニジェール、マリ、ブルキナファソから仏軍が追い出されたことを逆恨みしているようです。

 

マクロン大統領は 「ロシアに勝たせないためには何でもする」「ロシアにはクリミアも放棄させる」と言っていますが、大規模に陸軍兵士をウクライナに送り込むのか と思いきや、送り込む人数は今のところ、当初は2,000人 という話がYoutubeでの戦況実況チャンネル、Military Summary では ロシアの諜報機関が得て公開した情報として伝えています。↓

 

 ↓(Googleで翻訳したもの)

 

 

すでにウクライナでは傭兵や契約者、ボランティアと称して仏軍関係者が大勢いてロシア軍のミサイルで殺されたりしていますが、市民の抗議活動を恐れるマクロン大統領は フランス政府の公式発表としてはウクライナ戦争には 仏軍兵士が参加をしていない ということになっています。

 

しかし、すでに大勢の兵士がロシアのミサイル等で死亡してしまって、彼らの遺族に対してどう言い訳をするか、何かしらの解決策が必要な状況となっているのでしょう。

 

ですから、実際にウクライナに仏軍兵士を派遣してそこから数百人単位の死者が出た ということにしないと、説明がつかないくらいの人数のフランスの傭兵、契約兵士がすでにウクライナで死亡している ということです。

 

そして、おそらくその2,000人はすでに準備OKの状態でルーマニア、もしくはウクライナのオデッサにいて、今後も派遣する人数を増やしていき、20,000人規模まで考えている という話もあります。

 

フランスからウクライナに今後派遣されるのは 最多でも20,000人というのが本当なのであれば、それは明らかに、「戦力」といえるだけの人数ではないし、保有する砲弾の40%をすでにウクライナに送って、生産できる砲弾数も月に数万発程度しかないフランス軍が 兵士数、兵器の質・量ともに勝るロシア軍相手に戦えるとはとても思えないです。

 

アフリカのニジェール、マリ、ブルキナファソからフランス軍が追い出されて代わりにそれらの三か国が軍事連合を組んで、ロシアの傭兵会社ワグナーが彼らにIS掃討作戦の為の軍事訓練などを行っているので、それを逆恨みしているのがマクロン仏大統領です。

 

ドンバス内戦を止めるための2度のミンスク合意のうち、2回目のミンスク・2に仲裁者としてドイツのメルケル首相とともに参加していたのはフランスのマクロン大統領でした。(1回目のミンスク・1は前任者のオランド当時仏大統領)

 

本来戦争を止めるための調停者だったはずのマクロン氏が 今は誰よりもロシアに好戦的になって、下手をすれば核戦争や第三次世界大戦まで招くような挑発を行うとは 自分の行いを恥ずかしいと思わないのでしょうか。

 

まともなフランス国民はマクロン氏の行動は 実に情けない、恥さらしだと見ていると私は思います。