イスラエルによるガザ地区への無差別な爆撃、虐殺行為が続いています。

 

この記事の下書きを書いている2/21時点で すでにパレスチナ人の死者が29,195人となっていますが、この数字には 瓦礫の中で行方不明となっている数千人のパレスチナ人は含まれていません。ですから、すでに死亡者数は3万人は軽く超えていることが確実です。

そして、その6割が女性や子供です。本当に痛ましい限りで、この戦争でイスラエルにも相当配慮した中立的発言しか言っていない日本の上川陽子外務大臣とは違って、私はこの極悪非道なイスラエル政府に対して怒りの気持ちしか湧きません。

 

しかも、日本は イスラエル政府が言う「12名の国連機関UNRWAの職員が昨年10/7の攻撃でハマスを手伝っていた」 という本当かどうかも分からない主張を真に受けて、たった年間40億円ほどのパレスチナ支援のための国連機関UNRWAへの拠出金をストップしてしまいました。

 

 

ちなみに、米・日・英・独・伊・加・豪を含めた主要な西側諸国9カ国がガザへの人道支援金拠出をストップする理由にした、この「12名の国連機関UNRWAの職員が昨年10/7の攻撃でハマスを手伝っていた」というのは イスラエル側がまだその証拠を開示していません。

しかも、当初「12人」と言っていたのが、その後で「6人」に変わったりしています。

 

嘘つきの常習犯で「二国家共存」の国連決議も何十年に渡って無視してきたイスラエル政府を 信用などできるでしょうか。下はアラブ系ニュースサイト、The New Arab からの2/1付記事です。

 

Inconsistencies appear in Israel UNRWA 7 October allegations, casting doubt on their veracity

 

 

(和訳開始)

 

イスラエルのUNRWAについての10/7の訴えには矛盾が見られ、疑問が生じている

イスラエルは、10月7日のハマスの攻撃にUNRWA職員12人が関与したと主張しており、これに応じていくつかの国がUNRWAへの資金提供を停止した。

多数のイスラエル兵と民間人を殺害した10月7日のハマスの南イスラエル攻撃へのUNRWA職員の関与に対するイスラエルのまだ証明されていない主張には矛盾が現れている 。

イスラエルは先週(注:この記事が出た2/1の前の週なので1/18~の週)、UNRWA職員12人が10月7日の攻撃に関与しており、いくつかの国がパレスチナ人に重要な支援を提供する同機関への資金提供を停止していると主張したが、 スカイニュースは 火曜日、イスラエルの諜報報告書が外国政府と共有されたのを見た、と述べた。 UNRWA職員6名が攻撃に参加したと述べた。

このうち4人はイスラエル人の誘拐に関与したとみられ、もう1人の労働者は「後方支援」を行ったとされる。 6人目のUNRWA職員がどのような役割を果たしたとされるのかは不明である。

英国報道機関によると、報告書はガザ地区のUNRWA職員約1万2000人のうち「10%がハマス/PIJ(パレスチナ・イスラム聖戦)工作員で、約50%がハマス工作員との一親等の親戚である」とも主張しているという。

イスラエルは、先週表面化した米国政府に提供された文書の中で、12人の従業員に関する主張を行った。

UNRWAには12人の職員の名前も口頭で知らされ、国連機関はそのうち数人との契約を解除することになった。うち2人は死亡が確認された。しかし、UNRWAは、名前と容疑以外の証拠は共有されていないと述べ、国連は国連内部監視局(OIOS)を通じて独立した調査を開始した。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は日曜日、この主張に応えて当局は文書に名前が挙がった12人のうち9人を解雇したと発表した。

これに応じて、米国を含むいくつかの国が同機関への資金提供を停止した。

資金提供の停止は、すでに飢餓が迫っているガザのパレスチナ人に対する残酷な懲罰であるとして、複数のNGOから非難されている。
 

アンソニー・ブリンケン米国務長官は今週初め、米国がUNRWAへの援助を停止するとすでに発表しているにもかかわらず、UNRWA職員に関する主張は「生まれていない」と述べた。

 

イスラエルは、UNRWA職員が関与したと主張するハマスの攻撃を受けて、10月7日にガザへの残忍な猛攻撃を開始した。

それ以来、2万7000人以上が殺害された。

 

イスラエルは戦争中、ハマスやパレスチナ民間人に関する偽情報を広めた後、主張を撤回したことで激しい批判にさらされてきた。

 

イスラエル国家は、Xでの説明を通じて、木曜、UNRWA職員12名が10月7日の虐殺に参加したと主張し続けたが、その矛盾については説明を行っていない。

 

明らかな矛盾について記者から質問されたステファン・デュジャリック事務総長報道官は、「そのすべてがOIOS(国連事務局内部監査部)によって検討されることになる」と述べた。

 

(和訳終了)
 

そして、人道支援物資のトラックの通行を極右支持者のイスラエル人が阻止したり、待ちわびた人道支援物資が検問所に入って、そのトラックに食料や水をもらおうと駆け寄るパレスチナ人をイスラエル軍が射殺しています。

 

ガザのパレスチナ人230万人に そのような人道的な大惨事が起きている中、南部のラファ検問所と国境を接しているエジプト政府が ついに米国からの政治的圧力に屈して、エジプトのシナイ半島にパレスチナ人難民10万人を受け入れるキャンプを作り始めたようです。

本日はそのニュースをご紹介します。2/15付でANTI WAR.comに掲載された記事です。

 

Egypt Building Walled Camp in Sinai Desert to Absorb Palestinian Refugees

 from Gaza

 

(和訳開始)

 

エジプト、ガザからのパレスチナ難民を受け入れるためシナイ砂漠に壁に囲まれたキャンプを建設
イスラエルはおそらくラファのパレスチナ人をキャンプに押し込もうとするだろう

イスラエルがエジプトと国境を接し約150万人のパレスチナ人が住むラファへの攻撃を開始すると宣言している中、エジプトはパレスチナ難民の流入に備えるため、ガザ近郊のシナイ砂漠に8平方マイルの壁で囲まれた囲いを建設している。

ウォール・ストリート・ジャーナルとエジプト権利団体が報じたエジプト建設の暴露は、カイロがパレスチナ人の領土への立ち入りを許可するイスラエルの圧力に屈していることを示している。

エジプト当局者らはWSJに対し、建設中のキャンプには10万人以上が収容できるだろうと語った。ガザからのパレスチナ人の大量脱出が実際に起きた場合、エジプト当局は受け入れを認める難民の数を5万人から6万人に制限したいと述べた。

シナイ人権財団は水曜日にこの建設について初めて報告し、プロジェクトは10日以内に完了する予定だと述べた。エジプト当局者はWSJに対し、イスラエルによるラファに対する広範な攻撃が「数週間以内に」始まる可能性があると予想していると語った。イスラエルは建設状況を認識しているはずで、できるだけ多くのパレスチナ人をキャンプに押し込もうとする可能性が高い。

イスラエル政府当局者らは、ガザ地区からパレスチナ人を一掃し、ユダヤ人入植地を再建したいという願望を恥ずかしがらない。 10月に漏洩したイスラエル情報省作成の文書によると、  イスラエルにとって最善のシナリオは、ガザに住む230万人のパレスチナ人全員をエジプトに送り込むことだという。

しかし、カイロがこの計画に反対したため、イスラエル当局は他の国に目を向け、西側諸国がパレスチナ難民を受け入れることを示唆した。イスラエルのメディアによると、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は以前、パレスチナ人を「吸収」する国を探していると述べたが、バイデン政権が他のイスラエル閣僚も同様の発言をしたと批判して以来、発言を冷やしているという。

(和訳終了)

上の記事を読めば分かる通り、エジプトが準備しているのは やはりアパルトヘイトのような壁に囲まれたエリアでパレスチナ難民を5~6万人をシナイ半島の砂漠で受け入れることを想定したキャンプです。

 

ガザ南部には北部から非難させられた人も含めて、150万人のパレスチナ人がいると言われていますから、人数的にはあまりにも足りないものになりますが、エジプト側で難民キャンプやその周囲に壁を建設していることを知っているイスラエルのネタニヤフ政権は この機会にパレスチナ人を全員エジプト側に追い出すか、もしくは殺してしまおうと、いっそうガザ南部への爆撃を強化する恐れがあります。

 

そのようなイスラエルの”悪魔の所業”を止められるのは イスラエル軍が使用する兵器や爆弾、戦闘機等のうち、80%もの兵器を送っているアメリカだけのはずです。

アメリカが一切兵器もお金もイスラエルに送らない!と宣言すれば、イスラエルのパレスチナ人に対する虐殺行為は数日で止まる と言っているのは 自らもユダヤ人であってイスラエルを強く非難し続けているアメリカのフリージャーナリストのマックス・ブルメンタール氏です。

 

しかし、そのイスラエルという人道など全く気にもしない”モンスター”を止める力のある国が またも国連決議でガザでの停戦を要求する2/20の国連安保理決議で、またまたイスラエルのために拒否権を発動しました。

 

World condemns US’s latest UN Security Council veto on Gaza ceasefire

(最新の安全保障理事会で、ガザでの停戦に対して拒否権を投じた米国を世界が非難)

 

イスラエルがどんなに暴力を使ってパレスチナ人全員をガザやヨルダン川西岸地区から追い出そうとしても それ自体無理な話ですし、このような悪魔の所業を米国とイスラエルが続けていれば、彼らは 今は攻勢に出ていても 長期的には 「自分で自分の首を締める」ことになると私は思います。

 

アメリカは中東での「足場」を失い、最終的には中東の色々な地域で、基地からも出ていかざるを得なくなり、イスラエルはさらに孤立して、国民もすでに現時点で50万が国を去っていますが、ますます多くの国民が脱出するのは確実でしょう。