ウクライナ軍はロシア軍相手の戦線での状況が悪化すると、必ずと言ってよいほど、注意をそらすためか、ウクライナからの分離独立を宣言してロシアに併合されたドネツク州の市内中心部や、ロシア領土内の民間人を狙って砲撃する、ミサイルを打ち込む等して多くの民間人を殺害してきました。

 

またか、という感じですが 1/21、日曜日の早朝の買い物客で混み合うドネツク市内のマーケットに ウクライナ軍がクラスター弾と思われるものを撃ち込んで、27名もの民間人が犠牲になっていますので、今回 そのウクライナ軍からの攻撃があった少し後に 取材のためにドネツク市内に入った、アメリカ人フリージャーナリスト、パトリック・ランカスター氏のコメントをご紹介します。

 

パトリック・ランカスター氏は 元米海軍兵士だった方で、2014年のウクライナでのいわゆる「マイダン革命」以後のウクライナ軍によるドネツク州、ルガンスク州のロシア系住民、ロシア語話者に対しての砲撃を独立ジャーナリストとして取材されてきた方です。

彼のYoutubeチャンネル↓には ウクライナ軍から攻撃された後の凄惨な現場の状況のビデオが何本もあります。(なので、そのような写真やビデオが苦手な方は見ないで下さい。)

 

 

 

ウクライナのメディアはもちろん、ウクライナを応援している日本も含めた西側メディアは ウクライナ軍がドネツク州、ルガンスク州の自国民をわざと攻撃の対象にして殺害してきたことを ほとんど報道していません。

 

報道しても、「ロシア軍による攻撃」とあからさまな嘘を言っています。

住民投票も行われて、ロシアへの編入が 少なくともロシア国内では決定して、今現在ロシア軍が支配しているエリアの民間人を どうしてロシア軍が攻撃するでしょうか?

 

昨年執拗に行われていたザポリージャ原発へのウクライナ軍の攻撃も ロシア軍が攻撃している と西側メディアは嘘をついていました。

ロシア軍が守って管理している原発にロシア軍自ら攻撃して放射能漏れのリスクを犯して自らを危険にさらして何の得があるでしょうか?

 

そのように 荒唐無稽なストーリーを作ってまで、ウクライナ政府とウクライナ軍が「善」であり「英雄」で、ロシア政府とロシア軍が「悪」であり、「ならず者」であるかのように嘘の報道で印象操作をしてきたのです。

 

では、早速 今回 私が内容を要約してご紹介するパトリック・ランカスター氏のビデオをご紹介します。下のURLのものになります。

 

 

このビデオはこのYoutubeチャンネルのホストである法律家のナポリターノ判事との対談形式になっていますが、時間の都合で、今回はパトリック・ランカスター氏のコメント部分のみの和訳とさせていただきます。

 

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基本的に、この攻撃はウクライナ軍によるドネツクの民間人への連続した攻撃です。

この攻撃は今朝11/21の早朝に起きました。最初に情報を受けたとき、朝に (ウクライナ軍の)攻撃があり、8人が死亡したというものでした。

 

現場へと駆けつけたとき、私は 最初の情報の「8人の民間人が殺された」という情報が間違いであることに即座に気づきました。すぐに(死亡者の数を)数えたとき、22人の民間人の遺体を私自身が確認できたからです。21人の方はとても小さなエリアにいましたが、ひとりは 少し離れた場所でした。

 

公式のアナウンスでは この攻撃で25名の方が殺されました。(注:このビデオが撮影された時点でのアナウンスが25名死亡ということですが、その後2名増えて、この記事の下書きを書いている1/22の15:30現在、27名が死亡したようです。)

 

もちろん、全ての場所を私が見たわけではありませんが、自分自身の目で22名の民間人の遺体を確認したのです。私はこの証拠を記録することにベストを尽くしました。

状況とビデオ動画、リポートの全部は私のYoutubeチャンネル、PatrickLancaster news today に、ロシア語→英語への翻訳字幕を付けてアップします。

 

私は 何人かの地元住民に話しかけ、彼らは(自分自身は)ロシア人だと言っていましたが、彼らは ウクライナは日曜日の朝の市場が人々でいっぱいで忙しいことを知っていて、民間人の犠牲を最大化するため、これらの(日曜日の朝の市場の)民間人をターゲットにしている と言っていました。

 

これらは私の意見ではありません。今私が言ったことは市民の方々が言ったことです。私は現場でインタビューして、彼らは私に 彼らはウクライナ(政府)がこれらの人々を大量虐殺しようとしている と考えている と言っています。

このような話は地元民からの最初の意見ではありません。これは地元民の人たちが言わなければならない一般的な話です。

 

この攻撃はドネツクではここ2年のうちで、最も深刻なものでした。ちょうど2年前、ウクライナはドネツク市内中心部にクラスター爆弾を撃ち込んで私は現場にいてレポートしましたが、何十人もの人を殺して、さらに何十人もの人に怪我をさせました。

 

この(今回の)攻撃は今25人以上を殺しており、この戦争が始まってから10年で最も多い民間人の犠牲者数が出たもののひとつになります。再び言いますが、この戦争は10年間続いています。西側メディアが言っていたり人々が考えているような、たった2年ではありません。

 

私は今ここにいて、ほとんど10年間状況を報告しています。そして今、世界の多くの

方に 私自身の目でここで見たことを示しています。

私は人々に、私のリポートだけを見ないで、1つの情報源だけを見るのではなく、両方のサイドからのリポートをみるようにと言っています。なぜなら、どの情報も全部の情報を含んでいないからです。

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以上、パトリック・ランカスター氏のインタビューの中のウクライナ軍によるドネツク中心部の民間人で混み合う市場への攻撃について語っている部分だけの話の和訳になりますが、この「テロ事件」とも言ってよいひどいウクライナ軍による民間人の虐殺について、状況がお分かりいただけるかと思います。また、ランカスター氏の話では ドネツクの野外の市場が攻撃されたのはこれが初めてではなく、ドネツクの全ての市場や学校は少なくとも2回以上は攻撃を受けてきたそうです。

 

このナポリターノ判事のビデオでは遺体にボカシを入れる形で写真を見せていますので、それらの写真を確認されたい方は上のURLからご覧下さい。

 

私はウクライナからの分離独立を住民投票で決定したドネツク州、ルガンスク州、サポリージャ州、ヘルソン州、それとクリミア半島については ロシアがこのまま支配すべき という意見を持っています。

 

以前はクリミア半島以外は そのような考えではなかったのですが、この2年で考えが変わった理由は このようにウクライナ軍による数え切れないくらいの民間人を狙った攻撃を受け続けている住人たちが もしこの4州やクリミア半島がウクライナに返還される となった場合に その後、無事で過ごせるとは到底思えないからです。

 

今でも「ロシア語話者」とか「親ロシア」ということで攻撃をされている彼らは もしもこれらの領土がウクライナに返還された場合、今のファシスト・ネオナチ政権であるウクライナ政府から「裏切り者」として迫害されるだろうことは目に見えているのです。そのようなことを考慮すれば、人道上、ウクライナに4州やクリミアは返還すべきではないだろうと思います。(きっとロシアも今さら返還することは考えていないはすですが。)

 

ドネツク州、ルガンスク州のロシア系住民のロシア語を使う権利や自治権を保護する というのが2度に渡るミンスク合意だったはずですが、それも見事に破られ、NATOによるウクライナ軍強化のための「時間稼ぎ」へと使われてしまいました。

「時間稼ぎ」にミンスク合意を利用したことは メルケル元独首相、オランド元仏大統領、ポロシェンコ元宇大統領の3人が認めています。

 

 

 

また、昨年3月末頃には ロシア軍の撤退と引き換えにウクライナの中立化が ほぼ合意間近だったことが明らかになっています。その際も でっちあげの”ブチャの虐殺”やボリス・ジョンソン当時英国首相のキエフ訪問で合意間近のものがひっくり返された ということがありました。(いわゆる”ブチャの虐殺”の真相と和平合意が昨年4月上旬にひっくり返された件は下の過去記事をご覧下さい。)

 

 

 

 

そのような状況でどうやって ロシアは ウクライナ政府やNATOが信じられるでしょうか?

 

このように民間人の施設に向かってテロ攻撃を行っても 戦況は ウクライナ軍にとって、ますます悪化する一方であって、失った領土を取り返せる可能性はゼロどころか、今後さらに領土を失うので、マイナスになっていくだろうと私は見ています。