ドイツのメルケル元首相はロシアのプーチン大統領とは わりと親しい関係で、何度も会談を行ってきましたし、ロシア語が話せるメルケル首相とドイツ語が話せるプーチン大統領は率直に議論しあえる間柄だと思っていたのですが、本日ご紹介するニュースには 私は本当にがっかりさせられました。

 

メルケル首相は ドイツの経済、環境対策にとってロシアのパイプラインからくる天然ガスが重要ということでノルドストリーム2パイプラインの建設を進める一方で、軍事的には やはりNATOの一員としてアメリカの支配下にあり、ロシアを敵視して ウクライナをロシアと代理戦争させることを止めようともしなかったし、フランスとともにドイツは ミンスク合意の「仲介者」を装いながら、仲介どころか、ウクライナのネオナチが東部2州で民間人を虐殺するのを止めようともせず、むしろ支援していた という欺瞞が 今回インタビューで明らかになっていますので、その記事をご紹介したいと思います。

元記事はこちら↓です。

Merkel has admitted deception over Minsk peace deal – Russia

 

(和訳開始)

 

メルケル首相、ミンスク和平合意への欺瞞を認める - ロシア

ドイツの前首相が、この協定はウクライナの軍事力強化のために「時間を与える」ことを意図していたと明かした

 

ドイツのアンゲラ・メルケル前首相は、2014年の停戦合意はキエフに軍備増強の時間を与えるためのものだったと確認し、ウクライナ紛争に関する同国政府の二枚舌ぶりを認めたと、ロシア外務省報道官のマリア・ザハロワが語った。

水曜日に発表されたツァイト誌のインタビューで、メルケル首相は、ドイツとフランスが仲介したミンスク議定書は「ウクライナに時間を与えるための試み」であり、現在戦場で証明されているように「強くなる」ために使われたと述べている。彼女が言及したのは、「ミンスク協定」として総称される2つの文書のうち、2014年に首都で起きた武装クーデターの結果を拒否した東部の反政府勢力とキエフが和解するために作られた最初の文書である。

 

ベルリンと「ひいては西側」は、ミンスク合意を履行するつもりはなかったと、ザハロワはメルケル首相の発言に基づいて結論づけた。米国とその同盟国は、平和へのロードマップを承認した国連安保理決議を「模倣」しながら、ウクライナに武器を送り込み、「ロシアに対する決定的な攻撃のために、キエフ政権が犯したすべての犯罪を無視した・・・」と、彼女は木曜日にソーシャルメディアの投稿で説明しています。

 

ツァイト(Zeit:ドイツの雑誌)のインタビューでメルケル首相は、2015年にはロシアがウクライナ軍を「簡単に制圧できた」と述べ、「NATO諸国は当時、今と同じだけのことができたかどうか」疑問であると付け加えている。ミンスク協定の第2部は、ドンバス民兵を鎮圧しようとしたウクライナ軍が軍事的敗北を喫した中で、2015年2月に締結された

メルケル首相の説明は、協定が締結された在任中のピョートル・ポロシェンコ前ウクライナ大統領の説明と一致している。国内では、2015年8月に、和平協定は政府に軍備増強のための時間を与えるための策略であると(ポロシェンコ前ウクライナ大統領は)述べている。今年6月にも欧米の聴衆に同じことを述べている。

ロシアは2月下旬、キエフがミンスク議定書を履行しないことを理由に、ウクライナに軍隊を派遣した。この議定書では、ドネツクとルガンスクの地域はウクライナ国家の中で特別な地位を与えられていたはずであった。クレムリン(ロシア)は ドンバス共和国を独立国家として認め、同共和国はケルソン、ザポロジエ両州とともにロシアへの加盟を決議している。

ロシアはまた、ウクライナが正式に中立国であり、西側諸国の軍事ブロックに決して参加しないことを宣言するよう要求した。キエフ(ウクライナ)は、ロシアの攻撃は完全に挑発的であったと主張している。

 

(和訳終了)

 

なお、記事の中に出てくるウクライナのポロシェンコ前大統領が ウクライナ軍が東部独立派民兵に戦闘で負けていたので「ミンスク合意は”時間稼ぎ”の為だった」と自ら認めている記事も私のブログの過去記事でご紹介していますので、よろしければご覧ください。

 

 

 

そして、このメルケル元独首相のコメントを聞いたプーチン露大統領の反応ですが、メルケル首相をかなり信頼していたプーチン大統領にとっては 予想外のことだったようで、非常に失望したようです。

 

 ↓

ミンスク協定の不正行為に関するメルケル首相の言葉について、「正直言って、私にとっては全く予想外のことだった。失望した。信頼はほとんど0になった。何について?そして、彼らと交渉することは可能なのだろうか?保証はどこにある?"

 

 

日本のメディアがウクライナとロシアの戦争、戦争に至るまでの経緯で、如何にデタラメばかりを報道しているか、下のビデオをご覧いただきたいです。

このような番組は 地上波では絶対に流せないでしょうし、盲目的な米国追従しかできない日本政府の見解とも 全く異なりますので、多くの方が誤解されていることなのでしょうが、あらためて どうして内戦が始まり、露による軍事侵攻へと拡大したのか、多くの方に確認してほしいです。

 

2014年から東部2州の住民が虐殺され続け、年金等の公共サービスもカットされ、同胞であるロシアに助けを求めても プーチン大統領がウクライナへ軍を派遣することにはとても慎重で、なんとか話し合いで解決しようとしていたわけですが、それが反故にされたのが2度のミンスク合意なのです。