日本もそうですが、ウクライナでの戦争以降、ドイツのショルツ政権がさらなるアメリカの属国化への道を突き進んでいます。

 

アメリカがもうウクライナに送金するお金がほぼ残っていなくて、昨年バイデン政権が今年度分のウクライナ支援予算として議会に承認を求めていた610億ドルもまだ承認が得られていない中、ドイツのショルツ政権はアメリカに命令されたのか、新年直前にウクライナへの支援を倍増して80億ユーロ(日本円で1兆2700億円相当)にしています。

 

そのドイツで最近、諜報機関がロシアとの戦争を想定して作成した という文書が流出した(国民に対して”ロシア恐怖症”を煽る為に、わざと流出させた?)ということで、ドイツ紙のBILDが詳しい内容を紹介しています。

 

これが実に馬鹿げた想定で、ロシアがウクライナだけでなく、バルト三国へと侵攻する というものです。

 

そのようなことは プーチン露大統領は全く口にも出したことがないのですが、このドイツが作った文書は大変センセーショナルな内容ですので、ドイツ紙BILDの記事のドイツ語→日本語へ、Googleで翻訳したもので今回ご紹介したいと思います。

 

元記事へのリンクは↓です。

Exklusives Geheimpapier ++ Mögliche Eskalation gegen Nato schon 2024 Bundeswehr bereitet sich auf Putin-Angriff vor

 

(和訳開始)

 

独占秘密文書++ 早ければ2024年にもNATOに対するエスカレーションの可能性
ドイツ連邦軍はプーチン大統領の攻撃に備えている

BILD はシナリオを知っている ++ 数万人のドイツ兵が配備される

 

ロシアの独裁者ウラジーミル・プーチン氏(71)は来冬、あえてNATOへのハイブリッド攻撃を仕掛けるだろうか?NATO同盟の加盟国ではないスウェーデンは、すでにロシアとの戦争について公然と警告している。モスクワの脅威はドイツ連邦軍でも深刻に受け止められているようだ。


ロシア軍がウクライナ東部での地歩を固めようと努力を続ける一方、BILDの調査によればドイツ連邦軍は劇的なシナリオ、つまりNATOの東側面に対するロシア軍のハイブリッド大規模攻撃を準備しているという。
ドイツ国防省は秘密文書(「機密情報 – 公式使用のみ」)の中で、侵略者ロシアと西側防衛同盟との間に起こり得る「紛争への道筋」を詳細に概説している。

シナリオ: 早ければ 2 月にもエスカレーション
ロシアと西側の行動が月ごとに現地の正確さで説明され、最終的には数十万人のNATO兵士の配備と2025年夏に差し迫った戦争の勃発に至る。

 

BILD はシナリオを描いているが、安全保障上の理由から、NATO 軍の数と移動に関するすべての情報が示されているわけではない。
 

▶︎ ドイツ連邦軍の秘密シナリオ「同盟防衛2025」は2024年2月に始まる。ロシアは新たな動員の波を開始しており、さらに20万人を軍隊に招集している。
▶︎ その後、クレムリンは春の攻勢を開始する――キエフ方面への西側支援の弱体化によって強化される――これは2024年6月までに大きな成功を収め、ウクライナ軍を少しずつ押し戻すだろう。

 

シナリオによれば、ロシアは当初は秘密裏に、その後ますます公然と西側諸国に攻撃を開始するが、7月に始まる。
 

▶︎ バルト三国を中心に深刻なサイバー攻撃やその他の形態のハイブリッド戦争が新たな危機を引き起こしている。ロシアはエストニア、ラトビア、リトアニアのロシア系少数民族に対する扇動を開始。
▶︎ シナリオによれば、ロシアは9月からロシア西部とベラルーシで5万人の兵士による大規模演習「ザパド2024」を開始する口実として利用している衝突がある。
 

「多数の死者を出す暴動」
しかし2021年と同様、ロシアはベラルーシでの疑惑の演習をポーランドとリトアニアとの国境で大規模な兵力増強のために悪用している。


▶︎ ドイツ連邦軍の秘密文書によれば、事態はこうしてエスカレートする可能性がある:10月、ロシアは軍隊と中距離ミサイルをカリーニングラードに移動させ、NATO攻撃が差し迫っているというプロパガンダの嘘で飛び地を武装し続ける。クレムリンの秘密の目標は、ベラルーシとカリーニングラードの間の狭いポーランド・リトアニア回廊であるスヴァウキ回廊を征服することだ。
▶︎ シナリオによれば、2024年12月からスヴァウキ回廊地域で人為的に引き起こされた「国境紛争」と「多数の死者を伴う暴動」が発生する。
ジョー・バイデンが当選する可能性があり、米国が数週間多かれ少なかれ指導者不在になる可能性があるまさにその瞬間に、ロシアはドイツ連邦軍の演習シナリオで、NATOの地で2014年のウクライナ東部侵攻を再現しているのだ!

 

(上の地図:ロシアの飛び地、カリーニングラードとベラルーシを結ぶスヴァウキ回廊の位置)

 

► その直後、国連安全保障理事会の臨時会議が開催され、ロシアは西側諸国がプーチンの残忍な帝国を攻撃する準備をしていると非難した。

► 演習シナリオによれば、2025 年 1 月に NATO 理事会の特別会議が開催され、ポーランドとバルト三国はロシアからの脅威の増大を報告することになる。
ロシアはプロパガンダを利用して真の脅威状況を逆転させ、2025 年 3 月にバルト三国とベラルーシに追加軍隊を移動させるだろう。
 

ドイツ連邦軍兵士3万人が配備される予定
プーチン大統領の傀儡国家ベラルーシだけでも、クレムリンには戦車2個師団、機械化歩兵師団、師団司令部が駐留することになり、合計7万人以上の兵士が駐留することになる。
 

▶︎ ドイツ連邦軍のシナリオによれば、2025年5月にNATOは、ベラルーシとカリーニングラード方向からのスヴァウキ回廊へのロシアの攻撃を未然に防ぐため、「信頼できる抑止のための措置」を決定する。

 

エスカレーションがどのように終わるかは依然として不明である
シナリオは 30 日後に終了します ロシアが NATO 配備によって抑止されるかどうかは、演習シナリオにおいて未解決の問題のままである...
BILDは連邦国防省に対し、概説されたエスカレーションが起こる可能性はどの程度あると考えているか尋ねた。結局のところ、ほんの数週間前、ボリス・ピストリウス大臣(63、SPD)は、ドイツがロシアとの戦争の可能性に備えて5年から8年かけて準備しなければならないと語った。
報道官は具体的な同盟防衛シナリオについてはコメントを避けたが、「基本的に言えるのは、たとえその可能性が極めて低いとしても、さまざまなシナリオを検討することは日常の軍事業務、特に訓練の一部であるということだ」と説明した。

 

(和訳終了)

 

上のドイツの諜報機関が想定したという、NATOとロシアの戦争は 時系列と地図でまとめると、以下の流れになっています。

 

 ↓

①2024年2月

ロシアが200,000人の兵士を動員。

②2024年春

6月までにロシアがウクライナで新たな攻撃を始め、大幅な前進がある。

③2024年7月

ロシアがエストニア、ラトビア、リトアニアで暴力を扇動。

④2024年9月

クレムリン(ロシア政府)が50,000人の兵士を訓練のためベラルーシに送る

⑤2024年10月

ロシアがミサイルをカリーニングラードに送る

⑥2024年12月

スヴァウキ回廊で偽の国境紛争

⑦2025年1月

ロシアの脅威についてのNATO会議が行われる

⑧2025年3月

ロシアがより多くの兵士をベラルーシに送る

⑨2025年5月

300,000人のNATO兵士が配備される。プーチンは撤退するか、それとも第三次世界大戦が勃発か。

__________


ロシアはバルト三国に興味がないだけでなく、ロシア系住民があまりいないウクライナ西部にも興味がないはずですが、上のような流れでNATOとロシアの戦争を煽りたいのが 今はファシスト政権のようになっているドイツということでしょう。私にはそうとしか思えません。

 

ロシアが2024年にバルト三国の「エストニア、ラトビア、リトアニアで暴力を扇動」とありますが、むしろロシアに対して不必要な挑発を行っているのはバルト三国のほうです。

たとえば、ラトビアはロシア語を2026年から禁止する という今のネオナチ・ウクライナ政府がやっているロシア語話者への弾圧を真似しようとしています。

INTERNATIONAL MEDIA ORGANIZATIONS EXTREMELY CONCERNED BY LATVIAN PROPOSAL TO BAN RUSSIAN-LANGUAGE CONTENT ON PSM FROM 2026

(国際メディア組織、PSMでのロシア語コンテンツを2026年から禁止するというラトビアの提案に非常に懸念)

 

(以下、上記の記事の一部抜粋和訳)

 

2023年9月28日、ラトビア議会は政府支援の政策計画文書「国家安全保障構想」を承認した。それは、2026年1月1日から「公共メディアによって作成されたすべてのコンテンツはラトビア語およびヨーロッパ文化空間に属する言語のみでなくてはならない」と規定している。この措置により、ラトビアのテレビとラトビアのラジオがロシア語でコンテンツを制作し続けることが実質的に禁止されることになる。

 

(一部抜粋和訳終了)

 

かつて旧ソ連の一部だったラトビアでのロシア語話者は2017年度時点で25.4%もいるのにもかかわらず、ロシア語を禁止する というのは ロシアに対する明らかな挑発ではないでしょうか?

 

昨年 カリーニングラードを一時封鎖しようとしたのもリトアニアでした。

 

 

また、バルト三国のあちこちで旧ソ連時代の記念碑や銅像等を撤去されたり、ロシア語しか話せない年配者が追い出されたり、ロシアで登録されたナンバーを付けている車を国境に侵入させない等のあからさまなロシアに対しての嫌がらせが行われています。

 

NATOの東方拡大にしてもそうですが、むしろ、長年に渡り、さんざん挑発されてきたのはロシアのほうなのに、このドイツやバルト三国の狂った被害妄想はいったい何なのでしょう? ロシアはNATOと戦争することなど、望んでいないから、ミサイル攻撃のターゲットもNATOの領土を攻撃しないように慎重に、且つ正確にウクライナ領内の軍事施設を狙っているのは彼らも分かっているはずです。

 

私の目から見ると、ドイツやポーランド、バルト三国のロシアに対する被害妄想のほうが もはや滑稽なレベルです。

 

しかし、この彼らのクレイジーすぎる被害妄想が すでに負けて、倒れそうな寸前になっているウクライナを「最後のウクライナ人まで戦うべきだ」と言って、戦場に送り込もうとしているのです。