イギリスは ウクライナに提供したチャレンジャー2戦車用の砲弾として、劣化ウラン弾をウクライナにすでに送り、ロシア軍の訴えによれば、オデッサ付近での放射線レベルが上っているようです。

 

イギリスは 劣化ウラン弾を戦車用砲弾として長年使ってきて、今回ウクライナに送ることも認めており、その上で「劣化ウラン弾使用による人体や環境への影響は低い可能性が指摘されている」等と自国の暴挙を正当化する発言をしています。

プーチン氏、イギリスからウクライナへの劣化ウラン弾供与に警告

 

この件で皆さんに思い出してほしいのが アメリカとイギリスは世界で2カ国のみ、劣化ウラン弾を実際の戦争で使用した国ということです。(セルビア、イラクに対しての戦争で使用された。ロシアは劣化ウラン弾を保有はしているが戦争で使用したことはない。)

 

鉛の1.7倍の重さのある劣化ウランを少量混ぜることで装甲や鋼鉄を貫く目的で弾丸に利用されます。タングステンを混ぜれば金属が固くなりますが、タングステンの世界的な産地は中国、ロシア、ベトナムであって、いずれもは反米的な体制の国です。それらの敵対国からタングステンを購入するよりも国内の原発から出る廃棄物である劣化ウランを使用したほうが原発から出る放射性廃棄物を処理出来る上に安上がりなのです。

 

今回、イギリスが主張している「劣化ウラン弾使用による人体や環境への影響は低い可能性が指摘されている」という言い訳について、本当なのか、実際に劣化ウラン弾が使用されたセルビア、コソボ、イラクで何が起きているのか、記事をご紹介します。

 

そもそも、セルビアとコソボ、イラク戦争の動機自体がでっちあげや犯罪的なものですが、イギリスは 昨年4月頭にトルコで行われた露宇の停戦交渉で合意間近まで行っていたのを 直後のボリス・ジョンソン元英首相の4/9のキエフ訪問によって「ロシアと交渉するな」と妨害して、その後は停戦交渉もストップしたままである ということを考えれば、イラク戦争時と同様、イギリスがこのロシアとの代理戦争で果たした犯罪的な役割は非常に大きく、さらにまた、戦場での劣化ウラン弾の使用を正当化している という、国際的には糾弾されるべき立場にあると私は思います。

 

また、ウクライナのゼレンスキー大統領は 要求していた戦車とともに供給される砲弾が劣化ウラン弾でウクライナの土壌を汚染し、兵士だけでなく一般市民に癌などの悪影響を与えることを知りながら、それに対し文句ひとつ言わないのであれば、国民の生命や財産を守るべきウクライナ大統領として、あるまじき行為ではないでしょうか? 自国の環境や土壌が汚染されその後何十年にも渡って影響を受けるのですよ。

 

以下は中東レバノンの独立メディアからの3/21のニュース記事です。

 

UK to supply Kiev with depleted uranium shells for Challenger 2 tanks

 

(和訳開始)

 

英国、キエフ(ウクライナ)へチャレンジャー2戦車用の砲弾として劣化ウラン弾を供給

英国国防省は、キエフに陸軍のAS90 155mm自走榴弾砲3基を供給し、少なくとも24台の車両を追加すると発表した

 

ウクライナ戦争を長引かせるため、英国政府は227両のチャレンジャー2主力戦車14両をキエフ軍に送ることを誓った。

また、キエフに供給すると誓った戦車用の放射性劣化ウラン弾薬も送る予定だ。

アナベル・ゴールディ副国防相は火曜日、レイモンド・ヒルトン卿の質問に答えて、「ウクライナにチャレンジャー2主力戦車1隊を供与すると同時に、劣化ウランを含む徹甲弾を含む弾薬を提供する予定である」と議会で語った。「このような弾丸は、最新の戦車や装甲車を倒すのに非常に効果的です」。

 

 ↓

英国は劣化ウラン弾の砲弾をウクライナに送る。アナベル・ゴールディ副国防相は述べた。

そのような弾丸は地域を汚染し、癌を引き起こす可能性がある。

 

チャレンジャー2戦車は20年以上前に生産が終了しており、英国軍で使用されているのはわずか227両に過ぎない。

2月21日付の英紙デイリー・メールによると、227両のチャレンジャー2戦車のうち、戦闘可能なのは100両以下とされている。

 

 

 ↓

イギリスがウクライナに枯渇した砲弾を届けている!
-> これは今すぐ止める必要があります!...これは何世紀にもわたってウクライナ東部を汚染することになる...クソ好戦主義者どもめ!

 

質問:現在ウクライナに供給されている弾薬に劣化ウランが含まれているかどうか、陛下の政府に尋ねます。

回答:チャレンジャー2主力戦車の戦隊をウクライナに供与するとともに、劣化ウランの徹甲弾を含む砲弾を提供します。このような砲弾は非常に効果的です。

 

 

劣化ウラン弾は(イラクの)ファルージャに先天性欠損症や癌を大量に発生させた...自分の目で確かめたければ、「ファルージャの先天性欠損症」でググってほしい。

 

2003年の対イラク戦争での劣化ウランの使用は 地元の人々を放射性ウランの粉塵に晒すことになった。これは2003年以降にファルージャで記録された癌と先天性奇形の大幅な増加を説明する可能性がある。
さらに放射性弾薬に接触した兵士の罹患率も増加している。

 

スウェーデンは、キエフに納入される英軍のAS90 155mm自走榴弾砲の代替として、BAe Systemのスウェーデン子会社BoforsのArcher車輪付き電動榴弾砲を英政府に供給することを受け入れたと報じられた。

英国国防省は、キエフに陸軍のAS90 155mm自走榴弾砲の3つのバッテリーを供給し、少なくとも24台を追加すると発表した。

劣化ウランは、長年にわたり民間および軍事目的で使用されており、1991年の湾岸戦争やイラク侵攻では、米軍とその同盟国が使用し、イラク人の間で出生異常やがんの発生率が増加した事例がある。

 

英国がウクライナに劣化ウラン弾を納入する計画に対し、ウィーンの軍事安全保障・兵器管理交渉のロシア代表団のリーダーであるコンスタンチン・ガブリロフ氏は、スプートニクに対し、NATOは完全に現実との接点を失っていると述べた。

"我が国を困らせようと、攻撃的なNATO加盟国は現実を完全に見失っている "とガブリロフ氏は語った。

"アングロサクソンは長い間、「ロシアに対しては何でも許される」という原則を採用してきた "と彼は付け加えた。

今年1月25日のOSCE安全保障協力フォーラム本会議で、ロシア代表団は、キエフに供給されているレオパルド2戦車、ブラッドレー歩兵戦闘車、マーダー歩兵戦闘車などの重装備は、ウランコアを持つ貫通徹甲弾で武装できるとしていた。

 

(和訳終了)

 

 

「劣化ウラン弾は環境や人へのリスクは小さい」と主張するイギリスですが、イギリスの新聞であるガーディアンが イラクのファルージャでの子供の先天性奇形が増えている件について記事を出しています。(13年前の記事)さすがに自分たちイギリス人のせいだとまでは言及してませんが、イラク戦争以降、原因不明の赤ちゃんの先天性奇形や癌が急増していて、その中に放射線が原因の1つとして考えられる とほのめかしています。

 

ですから、イギリスが自分たちが過去に使用した劣化ウラン弾の危険性について知らないはずがなく、知っていてウクライナに

供与したのです。↓がガーディアンの13年前の記事です。

 

Huge rise in birth defects in Falluja

 

(和訳開始)

 

ファルージャで先天性奇形が急増

イラクのかつての戦闘地域では、乳児の腫瘍と奇形の異常なクラスターが見られる

 

イラク戦争で荒廃したファルージャの医師たちは、1年前と比較して最大15倍もの乳幼児の慢性奇形と、戦闘で残った有毒物質と関係があるかもしれない早期癌の急増に対処している。

先天性奇形の異常な増加は、ファルージャの過密な医療システムで働く専門家たちが、生まれたすべての赤ちゃんの詳細な臨床記録を作成し始めたここ数カ月で明らかになったものである。

ガーディアン紙の取材に応じた市内の神経科医や産科医は、2つの頭で生まれた赤ちゃん、複数の腫瘍を持つ赤ちゃん、神経系の問題を持つ赤ちゃんなど、先天性異常の増加は前例がなく、現時点では説明不能であると述べている。


イラクの元女性問題担当大臣であるナワル・マジード・ア・サンマライ博士、英国の医師であるデビッド・ハルピン氏とクリス・バーンズ=コックス氏を含むイラクと英国の関係者のグループは、国連総会に、独立委員会が欠陥を完全に調査し、サダム・フセインが追放されてからの6年間を含む、数十年間の戦争で残った有毒物質の浄化を助けるように請願している。

ファルージャ総合病院の院長で上級専門医のアイマン・カイス医師は、「中枢神経系の異常が非常に増えている」と述べた。「2003年(戦争開始)以前は、赤ちゃんの奇形が散発的に発生していました。今、奇形の発生頻度は劇的に増加しています」。

頻度の増加は顕著で、1年前は2週間に2件の入院があったのが、今では1日に2件です。"多くは頭部と脊髄ですが、下肢の欠損も多いです。"と彼は言います。"また、2歳(生後)未満の脳腫瘍の症例が非常に顕著に増加している。これは現在、多発性腫瘍の重点領域となっています。"

数年にわたる憶測や逸話を経て、イラクで最も傷ついた地域の1つで、非常に不穏な現象の図式が今、形作られつつあります。以前は、先天性欠損症や継続的なケアを受けられなかった乳児を含むすべての流産児が、異常なケースとしてリストアップされていなかった。

ガーディアン』紙は、小児科医のサミラ・アブドゥル・ガーニに、3週間にわたって正確な記録を取るよう依頼しました。彼女の記録によると、ファルージャ総合病院だけで37人の異常児(多くは神経管欠損)がその期間に生まれたことがわかった。

同病院の小児病棟の責任者であるバッサム・アラー医師は今週、国際的な専門家にファルージャ全域の土壌サンプルを採取してもらい、科学者が多くの病気の原因について調査するよう要請した。

他の保健当局も、化学物質や放射線による中毒の可能性を中心に、考えられる原因に焦点を当て始めている。また、バスラやナジャフでは、乳児の腫瘍の異常な集団が繰り返し指摘されている。この地域は、過去に激しい戦闘地域でもあり、近代兵器が多用されてきた。
 

ファルージャの最前線にいる医師たちは、戦闘との直接的な関連性を否定している。その代わり、複数の要因を挙げている。

「大気汚染、放射線、化学物質、妊娠中の薬物使用、栄養失調、母親の心理状態などです」とカイス医師は言う。「私たちはまだ答えを持っていないのです」。

ファルージャに新しくオープンした総合病院や、市内の障害者センターでも、その異常さは明らかだ。11月2日だけでも、新生児病棟で神経管欠損症が4例、集中治療室や外来診療所でも数例あった。

ファルージャは、米国主導の侵攻後、2回だけ行われた決戦の舞台となった。2004年に2度、米海兵隊と歩兵部隊が、旧バアス派と手を組んだスンニ派民兵グループやイラク軍組織と激しい戦闘を繰り広げた。

最初の戦闘は、米国のために働くブラックウォーターの民間警備業者4人の死亡の責任者を見つけるために戦われた。市街地は、アメリカの大砲と戦闘機によって激しく砲撃された。アメリカ政府が配備を認めた白リンなど、物議を醸す兵器が使用された。

乳児の腫瘍に関する統計は、通常出生直後に明らかになる神経系の異常に関する新しいデータほどには信頼できないと考えられている。神経外科医のAbdul Wahid Salah博士は言う: 「神経管欠損の場合、頭部は通常より大きく、心臓や目に欠損があることもあり、下肢に元気がないことが多い。戦後の一時期、ここでは秩序ある登録が行われず、私たちはそれに苦しんできました。しかし、"腫瘍の増加に関して "私は、血液の悪性腫瘍が急激に増加していることを確信を持って言うことができます、これは先天性の異常ではなく、後天性の病気なのです。

8月にオープンした設備の整った新病院の建設に全額出資したにもかかわらず、イラクの保健省はほとんど機能しておらず、この街の差し迫ったニーズへの対応を調整することができないままです。

政府の能力不足は、歴史的に外国からの介入を警戒してきたファルージャの関係者に、国際社会からの支援を求めるようになった。サラー博士は、「科学的な分野でも、外部に手を差し伸べることに消極的でした」と語る。「しかし、今はその点を克服しています。私は毎日、何度も手術をしています。アシスタントは1人で、すべて自分でやらなければならないのです。"

追加取材: Enas Ibrahim.

 この記事は2009年11月26日に修正され、冒頭の文章で、どの期間に奇形児の数が最大15倍まで増加したかを明らかにしました。

 

(和訳終了)

 

イラク戦争後に急増した赤ちゃんの先天性奇形の写真は あまりにも悲惨なのでこのブログに貼り付けませんが、確認したい方は

下のリンク先に数々の写真があります。目を覆いたくなるような、あまりにもかわいそうで悲惨な子供たちの写真なので、苦手な方はけっして見ないでください。

Experts warn of health risks as UK vowed to supply Kiev uranium shells

 

そして、イラク以外に劣化ウラン弾が使われたもう1つのエリア、旧ユーゴスラビアのセルビアとその周辺(コソボ、ボスニア)ですが、癌が急増しています。以下、ロシアのTass通信のニュースから一部抜粋。

 

爆撃作戦の 3 か月の間に、NATO 軍は 15 トンの劣化ウランを爆弾と砲弾でセルビアに投下した。その後、バルカン諸国のがん発生率はヨーロッパで第 1 位に急上昇した。爆撃後の最初の 10 年間で、約 30,000 人が癌を発症し、そのうち推定 10,000 ~ 18,000 人が死亡しました。

 

劣化ウラン弾は禁止されてはいないようですが、セルビアやイラクでの被害状況を見る限り、米英が言っているような「安全性に問題はない。リスクは小さい。」というのは あまりにも無責任すぎる言葉です。

劣化ウラン弾を使用してきて、このウクライナ戦争でも使用しようとしているイギリス、アメリカは糾弾されるべきなのです。

※アメリカについてはまだ劣化ウラン弾を送ったのは現時点では確認はできていませんが、下のブログ記事でご紹介したように、エイブラムス戦車用の劣化ウラン弾を昨年発注しているのが ブルガリアの独立ジャーナリストによって指摘されています。