今のネオコン(新保守主義者)連中と軍産複合体に完全に牛耳られているバイデン政権の中で数少ない、現実を見て客観的な発言をしているのが 制服組のトップである統合参謀本部長を務めているマーク・ミリー氏です。

 

今回は 数少ないまともな現役の高官と言ってよいマーク・ミリー氏の発言を取り上げたいと思います。

 

ソースはYoutubeのニュースで、発信元はインドの通信社です。 私はインドの通信社が発するニュースをよく自分のブログでスクリーンショットしたものを混じえて発信していますが、インドは ウクライナとロシアのどちらにも武器支援はしておらず、この戦争を冷静かつ第三者的に見ているので、インドの通信社が発するニュースが最も中立的で面白いと思うからです。

 

 

 

動画のタイトルは ↓ です。

 

米国、ロシアのウクライナからの2023年中の撤退は「とても難しい」と認める

 

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米国はロシアのウクライナからの2023年中の撤退は「とても、とても難しい」と認めています。

 

以下、ミリー氏の発言:「軍事的な観点からは、私は ロシアが占領しているウクライナの地域から、ロシア軍を今年中に軍事的に排除することは非常に困難という考えであることは変わりません。できないわけではありませんし、やらないわけでもありません。しかし、それは非常に困難です。起こりうるのは前線を安定させる防衛の継続です。それは明らかに可能だと思います。
米国はこれまで約50万発の155ポンド砲を提供しました。米主要な他の国々も同じように必要なものを提供し、ウクライナは 自国を守るために必要なすべてのシステムを提供されています。」

 

マーク・ミリー米統合参謀本部議長は「それは不可能ではない」とのコメントを付け加えた。

 

 

ミリー将軍はウクライナでの戦闘が難しいと認めた。

 

 

 

その理由として、前線での兵士の存在が広範囲に散らばっていることを挙げた。

 

 

ワシントン(合衆国政府)はキエフ(ウクライナ)に、まず最新の兵器で武装することを望んでいる。

 

 

米国は木曜日に、ウクライナに対し次の25億ドルの軍事支援パッケージを発表した。

 

 

これは合計のアメリカのウクライナへの軍事支援が275億ドルに達するものです。(日本円換算では約3.6兆円)

 

マーク・ミリー氏の発言:「この戦争は、過去の多くの戦争と同じように、また別の日に交渉のテーブルにつくことになるでしょう。タイミングを見計らい、両国の指導者たちによって決定されるでしょう。」

 

国防長官のロイド・オースティン氏の発言:「ウクライナの”将来の軍隊”は彼らが必要な能力を持っている。」

 

(上の写真は:ロイド・オースティン国防長官)

 

国防長官のロイド・オースティン氏の発言:「皆さん、こんにちは。第5回目の会議を迎えました。ウクライナの戦場での最も緊急なニーズに応えるため、ウクライナの安全保障に貢献する新たな大規模な米国の安全保障支援を発表できることを嬉しく思います。この新しい安全保障支援パッケージは最大25億ドルであり、最大級のものです。」

 

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以上がビデオの内容となります。

 

最後に支援パッケージの発表をしていたロイド・オースティン国防長官は 軍隊での経験の後、対戦車砲のジャベリンや防空のパトリオットミサイル等を製造している兵器メーカーのレイセオン(ロッキード・マーティンの子会社)の役員をされていた方です。レイセオンは退社された形になっているとはいえ、戦争の利得者が国防長官をされている という状態ですので、彼の発言の「将来のウクライナ軍」という言い方で分かる通り、ウクライナへの武器提供をやめるつもりも無いし、「今は生産が追いつかずにロシア軍の侵攻を止められないかもしれないけど、兵器は流し続けるからできるだけ長く耐えてね」というようなニュアンスがあるものと思います。

 

一方、制服組トップのマーク・ミリー参謀本部長は 最初から「ロシア軍をウクライナから追い出すのは難しいと言い続けている」という言い方をしていますので、「不可能」とまでは さすがに立場上、言えないのかもしれませんが、比較的、客観的に現実が見えている方だと思います。まだ2023年はスタートしたばかりなのに、本年中のウクライナの「勝利」の可能性はとても低い とおっしゃっているのです。

 

アメリカもウクライナの使用している砲弾や兵器の消耗が 米国とNATO+砲弾提供を手伝っている韓国やパキスタンの生産能力をも超えていることを十分理解しており、イスラエルにも砲弾のストック提供を要請しています。前線ではロシア軍が砲弾を撃ちまくっているのに対し、ウクライナ軍の砲撃回数が激減しました。今の状態は長く続けられず、ロシアとの停戦交渉は数ヶ月のうちにしなければならなくなるでしょう。しかし、2014年からのウクライナの内戦を止めるための2度に渡る「ミンスク合意」は ウクライナ軍を強くするための「時間稼ぎ」の為だった とメルケル元独首相やオランド元仏大統領、ポロシェンコ元宇大統領が認めていますので、再び ロシアを騙して「停戦合意」と言ってウクライナに交渉をさせて、その間にもウクライナに兵器を流し込んだり、西側戦車や戦闘機を使ったウクライナ兵へのトレーニングをするつもりかもしれません。 

 

プーチン大統領も そのメルケル氏やオランド氏の発言に心底失望したと思いますので、二度と同じ騙しの手口に乗るつもりはないかと思います。あくまでパトロンであるアメリカやNATOが「ウクライナにこれ以上兵器提供も軍事訓練もしない。ウクライナは中立化する。」という文書での約束が無い限り、ウクライナでのロシア軍の攻撃は止められないと思います。