ルキウス・アンナエウス・セネカは
2000年程前のローマ帝国の政治家、哲学者です。
エピクロスを読んだ後、妊娠中に読んでいた本のひとつがこちらでした。
哲学書に近いのですが、
2000年以上前から人間という生き物は全然変わっておらず
悩みも 進歩も ほとんどしていないなと(笑)
驚いた1冊です。
岩波文庫の「生の短さについて」がとても面白かったので
その一部をご紹介します。
世の習いや人間悪を
笑いにも涙にも陥ることなく
穏やかな心で受け入れること
他人の災厄に心をいためることは際限ない不幸であるし
他人が息子の野辺送りをするからといって、涙を流し
沈痛な表情を装うのは無益な親切心であるのと同様に
他人の災厄を喜ぶことも非人間的な快楽だからである
自分が不幸な目に遭った時も
悲嘆するのは良いが、世の習いが求める悲嘆ではなく
自然が求める悲嘆にとどめるようにふるまわねばならない
万事を軽く考え、万事に柔軟な精神で堪えるべきである
生を嘆くよりは生を笑い飛ばす方が人間的なのである
笑うものは 人間存在にいくばくかの希望の余地を残すのに対し
嘆くものは正せる見込みがないと思うものに愚かに涙する者である
人間の付属物は数知れずあるが
その中に重大なものは何一つなく、厳しいものは何一つなく、
惨めなものも何一つとしてない。
強靭な意志力がないのなら せめて財産を少なくし
運命の不当な仕打ちに晒される機会を減らすようにすべきである
戦場では、武具にぴったりと納まる身体の方が
大きすぎるあまり 武具からはみ出し 至る所無防備にさらされて傷つく体よりは都合が良い。
金銭の最善の高は 貧に落ちもせず
さりとて貧からさほど遠く離れてもいない額である。
快楽ではなく、徳こそが善である。
必死にため込んで、身分不相応なものをみて、足りない、足りないと思うことは
人間にとってありがちなことだが、それが人生の時間を短くしていることに
気が付いた方が良い、もっと有意義に時間を使えば
人生は短く等ならない、と説いたセネカ。
旦那さんと2人、セネカが素敵すぎるね~と、
去年、なんども読み返しているうちに、胎教はセネカになっていました(笑)