福岡伸一『生物と無生物のあいだ』 | こじょるのおこじょなえぶりでい

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ルドルフ・シェーンハイマーーは人工的に作り出したアイソトープで

重窒素というトレーサーを作った。

たんぱく質を構成するアミノ酸にはすべて窒素が含まれている。

重窒素をアミノ酸の窒素原子として挿入し、他のアミノ酸特別・追跡した。


普通のえさで育てられた実験ねずみに有る一定期間だけ、

重窒素で標識付けられたロイシンというアミノ酸を含むエサが与えられた。

与えられた重窒素のうち、56.6%が身体を構成するたんぱく質に取り込まれていた。

その取り込み場所は、腸壁・腎臓・肝臓・血清・・・体のあらゆるところに取り込まれていた。


つまり、ネズミを構成するたんぱく質はえさを与えたたった3日のうちに食事由来のアミノ酸に

恐ろしく速い速度で置き換えられた。


つまりここにあるのは、流れそのものでしかない。

皮膚や爪や毛髪のような表層だけでなく、身体のあらゆる部分、

臓器や組織だけではなく、一見固定的に見える骨や歯ですら

その内部では絶え間ない分解と合成が成り立っている。



秩序は守られるために、絶え間なく壊されなければならない。


                                     (分子生物学者 福岡伸一)