鳥取県米子市の中学校の修学旅行は東京だった。
自分としても東京は初めてだった。
米子駅からは特別列車が用意され、単線の山陰線本線の通常ダイヤの合間をぬって進行する。
機関車はたぶんSL。トンネルに入ると窓を閉めるのが面倒だ。
今の鉄道ファンにとっては垂涎の的だろう。
深夜に京都駅東海道線ホームに入った。
その時隣のホームには東京行の夜間急行『なにわ?』が停車しており、客車の数を数えたら、なんと16両もあり度肝を抜かれた。
東海道線では今まではどんくさかった列車も、急に元気がよくなり、軽快な音とともにたぶん90キロ近い速度を出していたと思う。
さすが日本の大動脈は違うと思った。
ちなみに東海道新幹線はその前の年に開業していた。
掛川付近で目が覚めて外を見たら、遠くに低い山並みが続く平野部を相変わらず軽快に走っていた。
午前中に熱海で降りて、駅前で朝食をとった。
暗いオートメーション給食場というような感じであった。
そのあとバスで登ったのが十国峠。
峠からはススキみたいなものが生えた広々とした丘であった。
特に感想はなかった。
それからは箱根へ。
十国峠にはそれ以降いったことがなく、米子からの帰りに天気が良かったので、沼津から峠へと昇る道を通ってみた。
駐車場からは何も見えないので、ケーブルカーに乗った。
頂上の展望台へ着く。ここからは十国を展望できる。
相模、伊豆、武蔵、安房、駿河、甲斐、上総、下総。まだあるな、どこだろう。遠江、信濃くらいか。
外に出てみると向こうに富士山が見える。
この日は1月であった。
冬は晴れの日が多く、東京からでも富士山はよく見える。
行くのなら冬の時期に限る。
それ以外の季節だと、雨、曇り、霞などで視界不良で行っても意味がない。
計画を立てていくのなら、12月、1月、2月だ。これは山梨県側でも同じだ。
たまに雪に出会うこともあるが、確立としては低い。