札幌オリンピックが開かれた1972年のころまでは、札幌といえば単なる地方都市に過ぎなかった。
それも北海道という辺鄙なところにある。
北海道に行くのには上野発の夜行急行『八甲田』に乗り、雪の中の青森駅で降り、ホームをひたすら走る。
そしてその先に待つ青函連絡船に乗り換え、左手に竜飛岬を望みながら6時間くらいかけて函館につく。
しかしそこからがまた一苦労。長い函館本線が待っている。
札幌にたどり着くまではかなりの体力が必要だ。
それは当時カニ族といわれた個人旅行の大学生の独壇場だった。
札幌味噌ラーメンが当時からあったが、自分はインスタントの明星食品サッポロ一番味噌ラーメンが大好きだった。
ヒツジの肉料理のジンギスカンはまだ全国には知られていなくて、北海道の人の地域グルメとして、まだ道内にとどまっていた。
そしてその後札幌に行く際には必ずこのジンギスカンを食べる。脂こい肉が大好きだから。
だるまはガイドブックに載っている老舗である。
ライラック通りは横町の飲み屋街。
だるまは古い昭和の居酒屋的な雰囲気で当時から営業していた。
必ずここに行った。
冬の凍って滑りやすい道路に並んで順番を待ったこともあった。
この店が老舗で二大巨頭であった。
ここは確か古いアパート風の建物の二階にあったか。
目の前で店主がニュージーランドから輸入した羊肉をさばいていた。
今は札幌ジンギスカン店は目覚ましく増えた。
それでも外国人観光客を含めどこも超満員。
しかしコロナの時は一時衰えていて、すぐに入れた。
肉はたっぷり。以前は700円くらいだったと思うが、次第に値上がりしていった。
これは仕方がない。
この玉ねぎが良い。
店によってはネギも加わる。
脂を吸い取っていく。
大体いつも二人前頼む。
ネギ、玉ねぎはお変わりができ、どさっとおいてくれる。
肉の味は以前より臭みが少なくなったように感じる。
また柔らかくもなった。
ヒツジを品種改良したのだろう。
これにビールと締めのごはん、それにたれにお湯を注いだスープで締めとする。
札幌にはこの生肉ジンギスカンと丸く成形したもの、そしてスーパーに置いてある羊肉といくつかある。
北海道車中泊の際に車の中で食べるジンギスカンもまた良い。