岩手県奥州市からは東北山地の背骨を抜ける国道397号線を行く。
ここは並行して秋田自動車道が走っているが、この辺りは車の量も少なく、高速道路を走るメリットはあまり感じないところだ。
もうすっかり日も暮れてしまったし、おまけに大雨の模様なので景色などは全く見えず、それより安全運転に気を配るところだ。
横手といえばいつ行っても食べたくなるのが横手やきそば。
B1グランプリでの優勝実績もあり、日本三大焼きそばの一つともなっている。
今の焼きそばや焼うどんそれにその他の粉物の味付けはたいてい甘いが、その甘い味付けの流行を決めたのが、この横手焼きそばであったと言っても過言ではない。
大雨の中近くのホテルの駐車場に車を止めて、駆け足で向かったのが、食い道楽横手駅前支店。店の前まで来て気づいたことがあった。
ここは以前にも来たことがある。
思い起こしてみれば横手焼きそばはこれで4回目。
ここは2回目。
食い道楽の本店に1回。
同じく駅前の旨味処 出端屋に1回。
ここが初めてだったので食べ方がよくわからず、女将がかきまぜて食べろというので、福神漬けはおろか、サラダとしてあった千切りキャベツも一緒に混ぜてしまったので、おかしな味になってしまったのを覚えている。
横手焼きそばは業界団体である暖簾会の定義により焼きそばはひらがなで書く。
600円とは安い。フードコートなみだ。
もちろんやきそばを注文したが、店員がお飲み物はというので、居酒屋風のこの店では焼きそばだけを食べて逃げるわけにはいかず、仕方なくコーラを注文してその場を取り繕った。
横手焼きそばのこのビジュアルはどこの店でもたいてい同じ。
地域の名物としてB1グランプリなどで全国へ売り出すためには、どうしてもいくつかの特色ある定義が必要で、各店がバラバラであってはいけない。
こうした地域グルメの定義はB1グランプリによって確立した。
これがしっかりとしていないと大会には出場できない。
全国から客が来た場合、どこの店で食べても大体同じだということでないと客としても困るのだ。
横手焼きそばや富士宮焼きそばはこうした定義づけ地方グルメの先駆けである。
この目玉焼きを崩してかきまぜることになる。
だが自分としては料理の具をかき混ぜるのはあまり好きではない。
ビジュアルが崩れてしまうのと味が混ざって最大公約数みたいになってしまうからだ。
でもここでは定義に従ってかきまぜよう。
横手焼きそばは四角い蒸し麺を使い、味付けのソースは甘い。
ここのものは特に甘かった。
崩した目玉焼きにより味がまろやかになる。
要するにすべてがソフトで非常に食べやすい。
子供などが好むところだろう。
だがまだ元祖といわれる元祖神谷焼きそば屋にはまだ行っていない。
次回はここになるか。
今日の宿泊場所は横手から湯沢を目指す国道沿いにある道の駅十文字。
ここにも前に2回ほど宿泊したことがある。
国道に面しているが静かで車中泊に適した道の駅である。
また十文字にはラーメンも名物であるが、これは自分的にはあっさりしすぎていてあまり好ましいとは言えない。
雨が車の屋根をたたく音は大きいがなぜかこれは全く気にならない。
音の周波数が低いのと音量が一定しているからなのか。
寝台列車でも飛行機でも轟音の中でも寝れるのと同じである。