国道20号線を甲府市内を過ぎ、韮崎に近づいたところ、左側に結構大きな山梨郷土料理店の看板が目に入った。
甲州ほうとうの文字があるので、そこで急に思い立ったのが夏のほうとう料理であるおざら。
こんな大きな店ならメニューに置いてあるに違いない。
前にも甲府市内で食べようとしたことがあったが、その時は冬だったので今はやっていないということだった。
これはチャンスと思いいきなり駐車場に駆け込み、立派な門構えの店に入った。
ここでおざらはなくてもほうとうを食べればよいと思っていた。
団体客が利用するのか中は広い和風の部屋だった。
メニューはほうとうやすいとんがたくさん並んでいたが、おざらは隅の方に細々とあった。
やはりこれは夏季限定もので、そう多くは食べられていないものだとわかる。
定義上のおざらは夏にはほうとうはあまり売れないので、冷やしほうとうを考えたという説が有力だ。
各家庭では江戸時代より水で冷やしたほうとうを食べるくらいはあっただろう。
埼玉の冷やしうどんはそれ自体が名物だが、おざらはあくまでもほうとうのバリュエーションの一つというか夏物にカスタマイズされた派生料理だということがわかる。
やってきたものを見れば、外見的には冷や汁うどんに非常によく似ている。
白い麺だけがほうとう様式のひら麺なので、これだけに違和感を感じる。
何か大きい冷麦に見えないこともない。
白く光る麺は色合いがきれいだ。
確か群馬県桐生市の幅広麺もこんな感じで、見た目はよかった。
つけだれは味噌味か醤油味か。
ほうとうは地域によって味の違いがあり、要するにどちらでも構わない。
この店は河口湖に本店のある県内大チェーン店なので、醤油の可能性が強い。
食べらばわかるが味は忘れてしまった。
しかこれはほうとう的にはたいした問題ではない。
味噌、醤油の二つ味の場合もある。
このおざら、ほうとうも含め北関東系のうどん麺料理は本当にうどんの味、食感がよく似ている。
基本は白、硬い、さらさらで形はどうでもよい。
円形もあれば、四角形、幅広もある。
また耳うどんとかすいとんもある。
おざらは談合坂SAにもあるそうだ。
これは思い出してみれば前に食べたような記憶がある。
これで山梨県内のものはだいたい食べきった。