- ワインがわかる/マット クレイマー
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友人が貸してくれて、現在お勉強中の教科書、
『ワインがわかる』著マット・クレイマーに興味深い内容があったので以下引用。
第一章 コニサー、あるいは目利きについて
ワインの世界で、品質の高さとはなにをさすのか。自分にとっておいしい味わいがするものと、掛け値なしに優れているものとを、どうしたら識別できるか。(中略)
たとえば、ワインの質をはかる最大の基準は、「複雑さ」である。グラスについだワインに繰り返し戻るたびにさきほどとは違う香り(ブケ)や味に出あうことが多いほど、ワインは複雑だといえる。きわめて優れたワインは人を圧倒するというよりは、無限の資質を感じさせるものだ。
上質ワインの要件である複雑さとは、決して恣意的に設けた基準ではない。そもそも人間は複雑なものに好感をおぼえるようにできているらしいのだ。数十年にわたる実験心理学の知見によれば、人間は単純な図像と複雑な図像を好きに選べるとき、より複雑なもののほうに惹きつけられる。(中略)
複雑にして予知不能という要件のほかにも、地味ながら重要性にかけてはあまりひけをとらない要件が、いくつかある。たとえば、ワインには「バランス」が必要だとされる。(中略)バランスといっても、ワインごとに幅があるし、飲む人ごとに受けとめ方の差があるのだ。
バランスと複雑さにくわえて、プロポーション、均整の問題がある。つまり、ブケ、初口・中口・後口といった、香りと味のさまざまな相が互いに結びつき、釣り合いがとれているかということである。
以上のようなワインの要件のすべてとからまりあっているのが「フィネス」という、一段と輪郭のたどりにくい概念である。鑑定にまつわる定量化しにくい概念のなかでも、フィネスはとりわけ定義に骨が折れる。だが、この検討を抜きにすますことはできない。というのは、世界のどこで造られようと、偉大なワインであるためにどうしても欠かせないのが、フィネスという資質なのだから。
Finesseという言葉は、あきらかに英語のfineness「上品、雅致」がわずかにフランス語っぽくなまったもので、語義も同じである。にも関わらず、ファインネスという言葉では、フィネスのあるワインがたたえる持ち味や資質を、捉えきれない。ワインにおけるフィネスという概念とその意味あいは、味覚の進化がもたらしたものである。フィネスは全く新しい概念というわけではないが、今日では以前よりもずっと重みを増している。というのは、現代のワイン製法が技術進歩をとげ、かつては日常茶飯におきた技術的な欠陥をほぼ克服した結果、まずどんなワインをとっても、ともあれ飲めない代物ではなくなった。この技術のおかげで、そこそこ程度のワインが、少なくとも初口に限れば、うわべだけは上質ワインに化粧がえされてしまったのである。
と、いう内容で、複雑さが大事なワインの評価に大事な要素で、複雑なものに心惹かれてしまうのが、人間の性なのか。フィネス、上質さ、上品さについては、確かに納得。飲めないほどまずい商品は販売されておらず、ライトな飲み口は美味しいけど、物足りなくて。フィネスとバランスは大事。しかも、単なる自分の好みとは別に見極められるようになれたら、ますますワインへの探究心、深まるばかり。
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