CSRとESR | 弁護士 渡辺 久の法律ブログ

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ようやく秋の気配が本格化してきましね。このところ、いろいろとバタバタしていたため、ブログの


新が遅れました。申し訳ありません。


この間、またしても著名企業による不祥事が発覚しました。


コーポレートガバナンスコードの制定等もあって、今年度は「コーポレートガバナンス元年」と位置


付けられています。


今年発生した不祥事は、記念すべき今年を象徴する事件かもしれません。


こうした不祥事は、主に、会社の常識が社会の常識から乖離することによって生じます。


社会の常識とは、つまるところ法律をはじめとする法規範や倫理観です。


人を騙すことは良くないことである、というのは社会常識でしょう。


会社の常識とは、その会社で共有されている規範や倫理観です、これは、業種や会社個々の生


い立ち等によって様々ですが、会社の利益の保護を最優先にすることを基本とした考え方である


ことが通常でしょう。社長等のトップマネジメントの常識が会社の常識となってしまう場合も少なく


ありません。


企業不祥事は、社会の常識よりも、さらには社会の常識に反してまでも、会社員の常識を優先さ


せることによって発生します。


会社が損してはいけないという常識をあまりにも重視すれば、株主をだましてまでも粉飾決算をし


て会社の利益を水増しすればいいという考え方につながります。会社の常識は、会社という共同


体のなかで形成される考え方ですから、共同体内部で是正するには大変なエネルギーを要しま


す。


そのため、CSR(Corporate Social Responsibility、企業の社会的責任)という考え方が重要となっ


てきます。CSRは、会社に対し、社会の常識に沿った経営をするよう促す考え方です。


しかし、不祥事を実行するのは、会社という観念的な存在ではなく、会社に実在する役職員です。


企業がいくらCSR、CSRと言っても、役職員が会社の利益を犠牲にしてまでも、社会の利益を追


求するのは難しいのが通常でしょう。


そうなりますと、最も重要なのは、日々の業務を担当する従業員の常識や倫理観です。


上司から命令されても、社会の常識に反する指示に対しては、毅然と「No」といえる雰囲気を作


ること、これが重要ではないでしょうか。


会社の構成員が各自で倫理観を持って業務を遂行すること。これが定着しなければ、企業不法


事は今後もなくなることはないと思います。


ですから、重要なのは、CSRとともにESR(Employee Social Responsibility、従業員の社会的責


任)であり、企業は、自らCSRを実践するとともに、ESRを醸成する環境作りをすることだと思い


ます。