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合同出版
発売日 : 2014-03-25
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【出会い】
合同出版の編集部から献本の提案をいただきました。ありがとうございます。
【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
本書は、子どもや思春期の若者たちの自傷を中心にとりあげながら、子どもと若者の自殺予防のために周囲の大人たちは何を考え、何をすべきかについて、私自身が臨床経験や研究を通じて考えてきたことをまとめたものです。
~Amazonより~
悩みや苦痛を抱えたときに一人で抱え込み、誰にも助けを求めないこと。これこそが最大の自傷的な行動であり、同時に、子どもの将来における自殺リスクを高める根本的な要因なのです。
子どもの傷つけられた体験を理解し、子どもを救うためにはどうサポートしていけばいいのかを考えます。
■杉本彩さん推薦!
身近に自傷をする人がいるあなたへ。自傷、自殺についてもっと知りたいあなたへ。
【響いた抜粋と学び】
著者の松本さんは国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所/自殺予防総合対策センター/薬物依存研究部。平成5年佐賀医科大学医学部卒業後、横浜市立大学医学部附属病院にて臨床研修の後、国立横浜病院精神科、神奈川県立精神医療センター、横浜市立大学医学部附属病院精神科、国立精神・神経センター精神保健研究所司法精神医学研究部などを経て、平成19年より同研究所自殺予防総合対策センター自殺実態分析室長、平成20年より薬物依存研究部室長を併任、平成22年より現職です(執筆当時)。
「自傷の96%は、ひとりぼっちの状況でおこなわれ、しかも、そのことを誰にも告白しない」(Hawton etal,2006)。
典型的な自傷は、「誰かに自分のつらさに気づいてもらう」などと、他者を意識したアピール的な行動とはいえません、むしろ、「誰の助けも借りずにつらさに耐え、苦痛を克服する」ための孤独な対処法と理解すべきなのです。
自殺が、脱出困難な苦痛を解決するために、「意識を永遠に終焉させる」方法であるのに対し、自傷は、自分の意識状態を変容させることで何とか苦痛を「一時的にしのぎ」、その瞬間を「生き延びるため」におこなわれるわけです、自殺を考える者の脳裏にはもはや絶望しかない一方で、自傷を考える者の脳裏には、まだ多少とも希望が残されているといえるのかもしれません。
まず自傷についてです。これは誤解されがちなんですが、自傷する人のほとんどが他者を意識したアピールではない、ということです。
これについては僕は正直驚きましたね。知的障害者施設で働いていたときには、他者にそのような行動を見せる人がいましたから。
くりかえし身体的虐待という肉体的苦痛を受けている子どもは、そのたびに脳内でエンケファリン産生が刺激されて鎮痛されるために、いつしか理学的な痛みに対して鈍感になってしまっているというのです。
人を自殺にいたらしめる究極的な危険因子として、3つの要因:「身につけられた自殺潜在能力」、「所属感の激弱」、「負担感の知覚」。
自傷経験のある若者たちは将来における自殺リスクが非常に高い集団です、しかし、彼らの自殺リスクを高めている究極的な要因は、リストカット自体ではなく、つらいときに援助を求めることができないこと、あるいは、助けてくれる大人がいないことにあります。
自尊心や自己効力感の乏しい若者は、たった1つの問題行動を「いけない」「やめなさい」と否定されただけでも、すぐに「人格を否定された」「全面否定された」と早とちりしやすいものです、それよりは、「あなたという『存在』は正しい」、ほんの少しだけ改善した方がよい点があるだけだ」というニュアンスでメッセージを伝えた方が、援助者の気持ちは伝わりやすいと思います。
自傷する子どもにいってはならない禁句、いわば「NGワード」を覚えておいてください、それは、「誰かの真似」と「関心を惹きたくてやっている」の2つです。
さきほどの抜粋のところと同じで、自傷については他者へのアピールではない、ということです。で、自傷で死んでしまうというよりかは、自傷の本質であるメッセージに気づかないことで死にいたらしめる、ということですね。
医療機関の対応もこちらには書かれていました。一般的見解で、自分で自分を傷つけておいて病院受診したんだったら、保険なんて使うなよ、と一般人はおろか医療従事者も言う人もいるようです。
たしかにその理屈は間違いではないのですが、リストカットをする人たちは見せしめだとか、遊びでやっているわけではないということなんですね。
口があるから、言葉で伝えられるというのは伝えられる人が言えることであり、口で伝えられない人がいるんです。
自傷を止めるには、先行要因となる感情的苦痛が出現しなくなるか、そうでなければ、何か代替的な行動(置換スキル)によってひとまず感情的苦痛から気持ちをそらさなければなりません。
自傷を止めるための置換行動については本書に10個あります。
手首に輪ゴムをはめて、「切りたい」衝動に駆られた時に輪ゴムをパチンとする、だとか香水をかぐ、雑誌を思い切り破る、海辺や野原、カラオケボックスで思い切り叫ぶ、筋トレをする、などがありました。
「死にたい」という告白、「困難や苦痛のせいで『死にたい』くらいつらいが、もしもその苦痛が少しでも減じるのであれば、本当は生きたい」というメッセージと理解することができます。
言葉をそのまま受け取るのか、本質を、裏のメッセージを読み取ることができるかどうか、というところですね。「自殺」をほのめかすメッセージには本当は生きたい、というメッセージが込められていることを理解できるかどうかですね。
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【編集後記】
本日はモニタリング訪問1件、認定調査3件です。
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