昼の紹介はこちらです。
※ 再編集・再更新記事です。
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【出会い】
あさ出版の吉田伸様より献本の提案をいただきました。ありがとうございます。
吉田様より「介護に関して、人によっては気分を害される内容も書かれている本です……」
僕はブログ内で批判、批評はいたしません。介護業界に従事する者として喜んで読み解きましょう。
【本書紹介のねらい】
~Amazonより~
残業地獄、将来の介護、非効率の嵐……
こんな日本で、どうすりゃいいの!?
これからの日本を襲う、恐ろしい出来事の数々。
今気づいて動けば、まだ間に合う! ツイッター上で舌鋒鋭く日本の生き方、働き方を斬る@May_Roma、新たな提言。
紙の書籍購入者限定の特典で、音声ファイルがダウンロード可能! 【担当編集者のコメント】
ツイッター上で40万以上のアクセスを記録したtogetter(ツイートのまとめ)「本当は貧困な日本社会」。その内容が1冊の本に!
残業地獄、将来の介護、非効率の嵐…こんな日本で、どうすりゃいいの!?
今すぐ働き方を変えないと、つらく恐ろしい未来が待っている! 舌鋒鋭く日本の生き方、働き方を斬り続けるイギリス在住、元国連、戦略コンサルタントの@May_Romaこと谷本真由美氏の、新たな提言。
~本書の「はじめに」より抜粋多数~
日本はまだまだ本当の危機ではないし、今の時点で多くの人が「何をするべきか」に気づけば、必ず立ち直れます、決してイギリスを礼賛しているわけではなく、日本よりもはるかに悪い状況だった国がどのように立ち直ったか、イギリスをケースステディとして日本が取り組めることを考えていただきたいのです。
本書では現状の日本とイギリスやヨーロッパ諸国と比較する部分が多数あります。その比較の中でにほんだけのことじゃなかったんだ、ということや日本はまだまだ救いの余地あり、と思う部分があります。
本書は「働く」によりフォーカスします。「問題点」を直視することは、誰にとっても簡単なことではありませんし、楽しい活動でもありません、しかし、「何が問題か」を可視化しないと、問題は解決できないのです。
「働く」、「働き方」がキーワードです。本書タイトルの「生きる」とは「働く」と考えてよいです。
本書では日本の重大な問題である「介護」にも触れています、「自分には関係ないや」と思っている若い人にこそ、ぜひ読んでいただきたいと思っています。
自分は一体何ができるだろうと考えている方、ぜひ本書を読み進めてみてください。
介護業界に従事する僕には大変興味深いところです。目の前のお客様と接するあなたにもぜひ読み解いて、反論、意見、同調し、自分の意見・考えを深めていただきたいです。
そして、読むだけじゃスタート地点に着いただけです。まずは行動ですよ!
【気になった抜粋】
毎日苦労して働いて生活保護よりも少ない給料を稼ぐよりも、いっそ刑務所に入ってしまったほうがマシかもしれません、決められた作業をやっていればよく、お客さんのクレーム対応はありません、上司はいないのですから、成績が悪いと怒られることもありません、何も売ってくる義務はありませんから、営業ノルマもありません、病気になれば無料で治療を受けることも可能です、家賃や食費に衣服費の心配もありません、毎日規則正しい生活を続け、会社員をやるよりも健康的でストレスの少ない生活を送れるかもしれません、日本の多くのサラリーマンは、実は刑務所にいる囚人よりも悲惨かもしれないのです。
「カローシ」は美徳でもなんでもなくて「北朝鮮では餓死者が出ました」並みにびっくりするようなことであり、「まったく信じられないこと」なのです。
実際介護に関わればわかりますが、おむつ代は月に数万円かかることもありますし、介護しやすい衣服なども必要です、要介護者は自力で病院には行けませんので、タクシーなども頻繁に使用することになります、親が一人暮らしの場合は自炊できませんので配食サービスが必須になります。
日本では少なくない人が、脳血管疾患や糖尿病などの生活習慣病が原因で体調を崩し、介護が必要な状態になっています、原因は、先進国としては突出している長時間労働や仕事のストレスなどです、今、要介護になっている人達は、行動経済成長期に粉骨砕身、減私奉公で休みを惜しんで働いてきた人達なのです。
フランスやイギリス、ドイツやオランダに北欧諸国では、病気になった場合は、有給休暇と別に病気休暇を取るのが当たり前です、休暇を取ってゆっくり休まなければ働く効率がガクンと落ちるからです、人間は機械ではなく動物ですから、休みなく働き続けるのは無理です。
私はイタリア人の知人は甥っ子がゲイですが、その人は高い教育を受けた知識労働者に関わらず、親戚が「あれは病気だ」と言い出しました、親戚はは勝手にいろんな人に「ゲイの甥っ子を治したい」と相談し、「病気に違いない」と決めつけた人達を巻き込んで大騒ぎしていました、彼らはとにかく例外や、「人は誰も一緒ではない」ということを認めたがらないのです、イタリアに比べると、村社会と言われる日本でも、なんて自由があるのかと思います。
イギリスは日本よりも出生率が高いので高齢化が穏やかなのです、2009年のイギリスの合計特殊出生率は1.94です、日本は1.39ですから大きな違いがあります。出生率の高いフランス(1.99)やスウェーデン(1.94)では、かつて出生率が1.6台まで低下したことがありましたが、家族へ経済的な手当てを提供する代わりに保育サービスを充実させ、出産や子育て、就労に関してサポートを充実させることで出生率を回復しました。
日本で、特に女性に強くあるのが「同調圧力」です、何か新しいことを始めると言うと「やめなよ。うまくいきっこないから」と言ってくる人が9割です、それは本気で心配して言っているのではありません、「自分と同じと思っている人がうまくいって上のレベルに行くのは面白くないから、足を引っ張ろうとしているだけ」なのです。
私達1人ひとりが「いいサービスをしてくれたから、ちょっと多く払います」と言えれば、それだけで余裕が生まれます、その積み重ねが、日本に今までなかった別の豊かさをもたらすのですから。
【響いた抜粋と学び】
著者の谷本さんはシラキュース大学大学院修士課程修了。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連食糧農業機関(FAO)などを経て、現在はロンドンの金融機関で情報システムの品質管理とITガバナンスを担当中。その傍ら、ロンドン大学教授である夫とともに日本人の英語指導にも携わっています。ツイッター上での個性的かつ鋭いツイートが話題を呼び、May‐Roma(メイロマ)の名前で4万5000人以上にフォローされています(執筆当時)。
まずはヨーロッパ諸国の現状を知りましょう。
ギリシャはすでに財政破綻し、スペインやイタリアの財政悪化ぶりも、連日報道されている通りです、仕事を見つけるのも大変で、イタリアの場合、15歳から24歳の若者の失業率は36%、スペインとギリシャは50%を越えています。
日本は世界第3位の経済大国で、まだまだ豊かなのです、日本の街をぱっと見回してみましょう、駅やバス停はよく整備されていてきれいで、ゴミは落ちていません、電光掲示板があるハイテクバス停だってあります、駅の構内に麻薬中毒者や麻薬操作犬、ホームレス、ジプシー(ロマ)などは見当たりません、雨漏りもありません、駅の構内には一流洋菓子店の売店があったり、地下街と繋がっていて買い物ができるようになっています、地下街に買い物客目当ての強盗はいないので、機関銃を持った警備員が立っていることもありません。
夏の休暇に家を空けておくとかなり高い確率で窃盗に入られて家財を全部持っていかれてしまう、という状況も聞いたことがありません、最悪な時期のイギリスに比べたら、日本は本当の危機的状況とは言えないのです。
データでみる県勢(2013年版)/矢野恒太記念会 を開いてみました。2011年の日本の完全失業率は4.6%です。スペインやイタリア、ギリシャの半分以下です。
そして、何だかんだいっても世界第3位です。世界で第3位ですよ。今まで2位で、3位に落ちたとは言え、世界で第3位なんて他国から見れば羨ましい状態です。
防犯についても街の状況についても、確かにポイ捨てはありますが、外国に比べればまだまだでしょう。ボランティアといってゴミ拾いをする人だっています。
日本の現状はまだまだ悲観するレベルではないのです。
仕事に関して、最後に日本では数年前からニートが問題になっています、ニートという人々がいるということ自体が、「日本は豊か」の証拠なのです、そもそも、親が成人した子供を養いつつ普通に生活できてしまう、というのが大変先進国的なことなのです。
ニートの人々は、発展途上国の人が一生かかっても持てないような物を持ち、発展途上国の富裕層よりもよい生活をしている可能性があるわけです、自分の意思で働かないことを選べる(働かなくても死なない)社会が豊かなのは、間違いありません。
ホント、その通り。大東亜戦争当時や終戦後、このような人間ばかりがいたらこの社会はどうなっていたのか? もちろん滅びます。
この国はやばい、なんとかしなきゃ、今日食べるものを得るために頑張ろう、と結集したからこそ日本は劇的な復活を遂げることができました。
そして、現代、ニートの出現です。僕達の時代で言うと、水洗トイレは当たり前、掃除機、カラーテレビ、洗濯機は当たり前の時代、衣食住は完備されています。この時代に働かなければ明日生きていけない、と思うほうが難しいのです。
次に本書の重要キーワード「働く」についてです。
※ タイトルで言えば「生きる方法」です。
ヨーロッパは新興国のブラジルやインド、資源が豊富な移民国のアメリカやオーストラリアに比べたら、資源にも気候にも恵まれておらず、人件費も高いです、これらの国と競争して経済力を高めるには、資源などに頼らずに富を生み出す仕組みを作り出していかなければなりません、その1つが、効率的に働く仕組みを作ることです。
効率的に働く、とは、今あるお金や人から最大限の効果を生むということです、それには、優秀な人が効率的に働く仕組みを作り上げるのが確実なのです。
こちらは個人の働きかけではなく、会社や国の働きかけですね。いかにして生産性の高い人間がより生産し豊かさを享受できるのか、というところでしょうか。
個人レベルで言えば、自分の仕事について、人とのかかわり以外の部分ではどんどん仕組み化していき効率化を図る、ということでしょう。
嫌で仕方ない仕事をしていると、なんらかの形でその弊害が出てきて私生活がメチャクチャになってしまいます。
仕事を見つけるとは、誰かとお見合いをするようなものです、人それぞれ性格が異なるように、仕事とは人間の活動が元になっているので、それぞれ性格があるのです。
フレッシュネスバーガー手づくり創業記/栗原幹雄 を昨日紹介しました。ここでも仕事をするに当たり、面白いこと、興味のあることをやったほうがいいとありました。
どんなに給料が高くても、どんなに休みがいっぱいあっても、あなたがやりたくなくて、苦しくて辛いことを仕事にしていれば、いくらお金があっても、休みがあっても、充実しません。なぜなら仕事の時間のほうがあなたの休みより多いのですから。
会社の外でも通用する技能なりスキルなど「汎用性の高い能力」(その知識や資格を使って何かお金をいただくことができる)を普段から磨いておかなければありません、普段から、会社の外で様々なことをやり、実務で磨くのが一番です、一番よいのが、副業をしてお金を稼ぐことです。
なるべく本業で得たスキルや、自分の元々持っているスキルとやりたいことが合わさり、さらに、副業をすることで、新たな人に出会ったり、何かを学ぶことができればよいのです、人様の役に立つことをやっていれば、収入は自然についていきます。
これからの時代は会社とどうやって付き合っていくのか?
副業で月に5万円稼いで、昇進・転職もうまくイっちゃった!/笹原隆生 にもありました。本業と関係のある副業をすることとあります。
※ ただし、ライバル会社に情報を売ったり、そこで働くのはNGです。
僕は介護関係なので、この仕事をいかにして社外で生かすのか? パッと思いつくのは介護従事の体験記や資格の講師、ですね。さらに踏み込めば僕達の商売はお客様だけでなく、その家族や様々な事業者と付き合うことになります。つまり人間関係を構築していくプロなのです。人間を知るプロなのです。
人間関係の構築や人間観察、洞察力を生かしたコミュニケーション法や考え方、人の見方などを本であったりセミナーで伝える、ということもありでしょう。
本書とは順序が違いますが、お待ちかねの「介護問題」です。
医療や介護は本当に成長産業なのでしょうか? 「成長産業」と言うためには、「その産業のために使ったお金が別の形で戻ってくる」必要があります。
医療・介護業界は受容が伸びています。一見すると「成長産業」ととらえることができます。しかし、著者の谷本さんはノーを突きつけます。
医療・介護業界に費やしたお金が別の形で戻ってくるのか?
高齢者に医療サービスを提供しても、確かに高齢者は健康にはなりますが、働いている人達ではないので、健康になって何かを生み出してくれるわけではありません、高齢者のためにお金をいくら使っても、その使ったお金が戻ってきたり、大きく増えることはないのです、介護に関しても同じことです、介護は病気であったり、体が不自由なお年寄りの世話をするサービスで、新しいサービスや商品を生み出す活動ではありません、何かを生み出す活動ではないのに、「成長産業」と言われているのです。
残念ながら……谷本さんがおっしゃるように、現状では、高齢者を元気にしても働くわけではありませんので、何かを生み出すわけではありません。若い世代に向けて、高齢になったり、病気や怪我で体が動かなくなった時でも、あなたの人生は保証されていますよ、ということです。
抜粋には記しませんでしたが、ニチイさんあたりでは福祉用具を中国市場で販売しているだとかって聞いたことがあります。
僕達の介護を、介護技術・知識・道具を他国に販売していくことで生産性のある「成長産業」となるようです。現状では成長産業ではない、と言えそうです。
※ これからなる可能性はあります。
また、帯広では社会参加型デイサービスというのができています。本書登場前に機能訓練特化型から社会参加型に変更しています。経営者の先見は素晴らしいですね。
介護を受けていた高齢者が働く喜びを得て、社会還元できる……何もお金を稼ぐばっかりではありません。施設でよく言われる「役割」を持つ、ということです。
それを施設内だけでなく、社会に向けてやろう、ということですね。
公的セクターは入ってくるお金の総額が決まっています、事業者は決まっている費用の奪い合い、椅子取りゲームをしているに過ぎないのです、公的セクターでは儲けたければサービスの質を落として経費を抑えられるだけ抑える、それしかありません。
公的なものなので、人員配置も決まっております。デイサービスについては15名未満の場合は生活相談員、介護職、看護職1名ずつの3名が必要です。お客様の人数を確保すれば、あとは人件費をいかにして抑えるか、なんです。大きい法人の施設に行けば、大体最少人数でやっている、という噂も聴きます。法人の規模が大きくなればなるほど営業部や人事部など間接人員が増えてきて一人当たりの生産性が低くなります。
一般の企業であれば、物の値段を変えるなどできるのですが、介護保険上ではすべて同じルールの下で行なうのです。
だからこれから働くあなたや介護保険を使うあなたにお伝えします。介護業界に関しては、規模が大きいのとサービスの質が良いのとは別問題です。
介護は本当は成長産業ではないので、働いている人に支払える金額に限りがあります、そのため介護従事者の待遇は悪く、稼ごうという強い意欲のある人は介護の担い手にならないのです。
そうなんです。収入が決まってくるので、あとは決まった分だけしか人件費で出せないのです。純粋にお金が欲しければ、今すぐお金が欲しければ、やっぱり別の業界になりますね。
先が見えない時代だからこそ、普段会社で仕事をしている場合でも、常に「私のしていることの付加価値は何だろう? この活動には 意味があるのか?」と自問自答しながら働くことが大事です。
1人ひとりが変わる意識を持ち、行動に移していけば、この国は、世の中は、必ずよい方向に向かうと、私は考えます、日本人には、それだけの力があると信じています。
でも、文句ばっかり言っても始まらない。よく言うでしょ「口ばっかりうごかしてないで手を動かせ」って。そういうことです。行動しましょう。
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