Q&Aでわかるソーシャルワーク実践/澁谷 昌史 星野 晴彦 | ブログ

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おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
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【出会い】
社会福祉士基礎研修Ⅰを前に前にソーシャルワークについて考えたくなった時に出会いました。


【本書紹介のねらい】
本書をぜひ手に取ってほしいと私たちが願っているのは、実践も理論も知らない「素人」ではなく、日々実践している――とくに新人時代を経験し、中堅へと育ちつつある――ソーシャルワーカーです。

答えを参考にするだけでなく、あなた自身が後輩や部下に質問された時どのように答えるのか? あなたがどのような倫理を持つのか、理念を持つのか? 確認する一冊になります。

個人的には本書を基にあなた自身のソーシャルワークを考えてほしいと思います。

【気になった抜粋】

ソーシャルワーカーは、サービス利用者とその他の者たちを守るという目標を掲げ、利用者の保護にあたることを保証する、利用者保護には、適切な制限が設けられたり、権威を表すことが含まれる場合もある。

意向に沿うことイコール支援ではない、ソーシャルワーカーは、利用者に対して責任を負うだけではなく、社会に対する責任も負っています。

感情のコントロール……利用者の援助の効果を考えて自分の感情をコントロールすることが必要です。

利用者との会話の中でイライラさせられることがあります、そのイライラが顔に出ることがあります、そのとき、「思わず顔に出てしまった」のか「苛立ちを表情として表現して利用者に伝えたほうが、援助が円滑かつ効果的に進むと考えられたので、あえてイライラした顔をつくった」のかは、非常に重要な問題です。

「意図的だから」という理由で、どのようなかかわりも容認されるものではありません、たとえば「言葉でいっても伝わらない」と判断した相手に対する叱責の手段として体罰や暴力を用いることは、許されないことです。

かつて「いじめられる側にも問題がある」と主張する人もいましたが、それは間違いです、いじめられる子どもがトラブルの原因を作っているのではなく、加害者である子どものほうが、心の問題や家族・人間関係の葛藤など解決すべき課題を抱えていることが多いのです。

「こんな貧しい家庭環境で育つくらいなら、施設で養育されたほうが子どもにとってはいいのでは?」という者もいます――施設であれば、子どもに必要な環境もそろっているだろうし、適切なケアも受けられるという理由です。

限界を感じたときは、まずは心身の健康を確保することに専念すべきです、一歩下がることは決して恥ずかしいことではありません、自分を守ることはとても大切です、自分を大切にしなければ人を大切にすることもできない、ということを心に留めておきたいと思います。

そもそも「福祉」に資格は必要か? 資格は誰のために活かすものなのでしょうか? 倫理綱領にも規定されているように、「人間の尊厳と尊重と社会正義の実現に貢献」「利用者との専門的援助関係を最も大切にし、それを自己の利益のために利用しない」「業務の遂行に際して、利用者の利益を最優先に考える」など、目の前に立ちふさがる生活上の問題や課題に打ちひしがれ、身動きがとれずうずくまっている利用者のために活用するものであり、ひいては、社会福祉分野全体の発展、社会に寄与するものでもあるのです。

新卒者や他分野から福祉分野に入ってこようと考えている人びとにとって、資格取得は専門職者としての第一歩であり、資格を取得したあと、利用者やその家族、あるいは地域に対してどのように貢献できるかがまさに問われています、そして、将来的に上級資格へのステップアップにより自分の専門職としての力量を高めていくことが求められます。

社会変革…「社会を変革し、人間関係の問題を解決し、エンパワメントし、解放する」。


【響いた抜粋と学び】
僕個人としては「ソーシャルワーカーの岡本大輔」を目指していません。「最高の岡本大輔」を目指しており、「最高の岡本大輔」はソーシャルワーカーもやっているというのが僕の理想です。

Q.適切ではない自己決定をどこまで重視すべきなのか悩みます。

なぜそのお客様は適切ではない自己決定をするのか考えたことがありますか? 本書の例ではDVの夫から離れた妻が「2度としないから……」と何度もDVを繰り返す夫のところに戻ってしまう、ということが出ていました。
なぜ、その夫のところに戻ってしまうのでしょうか? その妻にとって自分を大切に思う人が(本当は違うのだけれど)その夫しかいないと思っているからだろうと僕は考えます。
その妻にとって、その夫以外に自分を必要とされる状態を創ることが必要だと思います。

それをしていないのに、適切でない自己決定をどうのこうの話していてもなぁと僕は感じています。

Q.拒否されている相手とよい支援関係を築くには、具体的にどうしたらよいのでしょうか? なぜクライエントが支援を拒否したのか、その行動の背景を知ると、対応のヒントも見えてきます。

Q.やる気のない上司と先輩に囲まれ、もうやめようかと悩んでいます。

ソーシャルワーカーは自己犠牲的でなければならないんでしょうか? 

このあたりの質問を部下や後輩、友だちにされたらあなたはどう答えますか? その答えはあなた自身の答えですか? それともソーシャルワーカーとしての答えですか?

いずれにせよ、あなた自身がどのような答えを出すのかが大切だと思います。

Q.いじめや性的嫌がらせの加害児童への措置変更は最善の対応策なのでしょうか……A.最善ではありませんが、被害児童の安全を守ることが優先されます、そのうえで原因を究明し、子どもたちへの説明責任を果たして、予防措置を講じましょう。

以前の職場でも児童ではありませんが、このようなことがあって、最善ではないのだろうと思いながらも被害を受けた方と加害者の距離をとったことがありました。

最初に何が必要なのか? と考えると、被害を受けた方を守ることになるでしょうね。

知らないということが偏見・差別につながるということ、その偏見や差別が精神障がい者が「当たり前の暮らし」をするうえで大きな障壁になることを、身をもって理解した経験でした。

HIVウィルス感染を告白して突然引退した80年代のNBAを彩ったスーパースター、アービン・マジック・ジョンソンも確かHIVウィルスについての知識が周囲になくて、現役続行や復帰がうまくいかなかったことを記憶しています。

「もし感染したらどうするんだ?」と彼の現役続行や復帰を否定的にとらえる選手がいた記憶があります。

知識がない、ということは偏見・差別につながるのです。

実際に相談者から「あなたのように若くて人生経験が短い人にはわからないと思いますが」と前置きされたことも何度もあります、ソーシャルワーカーにとって人生経験は不可欠なのでしょうか、またソーシャルワーカーは自分の人生経験をどのように活用するべきなのでしょうか。

これは僕も感じるところです。30代親や祖父母の介護未経験の僕が自分より10歳も20歳も年上の方の相談にのることに引け目になる部分がありました。

今ではまったくないとは言い切れませんが、介護現場での経験はやはり僕の方があるので、少なくはなりました。

援助関係は利用者の利益に資するものであって、利用者に援助者に対する心配りをさせるなんて、援助者失格だとまではいわなくても、あまりよろしい行為だとはみなされないでしょう(少なくとも、「社会福祉士の行動規範」違反にあたります)、しかし、「人に何かをあげるという行為は、人として自然な欲求だと思う。それを利用者が行なうことを制約する必要があるの?」という質問の主旨にも肯首しそうになります、だとしたら、贈答品を受け取ることは、許容されることになります。

一般の人たちは、援助者が利用者からおごってもらった話を聞くと、「世間から批判的な目で見られるかもしれないということを、考えもしなかったのか」とあきられることでしょう、「心づけを受け取るサービス機関は、利用するな」という意見も最近は耳にしますから、そうした社会的な常識の変遷にも気をつけておかなければならないでしょう。


僕はちょっと違う見方をしていて、お菓子や飲み物をくれる方というのは「自分の話をじっくり聴いてほしい」というサインだったり、僕たち援助者と対等もしくはちょっと上の関係でいたいという現われだと考えています(もちろん、「感謝の気持ち」という捉え方もしています)。

お金を払っているのだから、援助者とお客様は対等だと考えるのは援助者の一方的な見方に過ぎないと考えます。
人は誰しも相手より優位に立ちたいと考えているのではないでしょうか。目の前にいる人が自分のことを助けてくれる人であってもそれは同じだと思います。

お客様は僕たちに「感謝の気持ち」を渡すことで、対等な関係、もしくは自分が優位な関係となりたいと”本能的”に行なっているのではないか? と僕は仮説を立てています(もちろん、すべてのお客様、ご家族様がというわけではないですよ)。

Q.倫理綱領は実践に役立ちません、もっと役立つものにできないのでしょうか? A.倫理綱領は完成されたものではありません、ここのワーカーが当事者意識をもって、みんなでよりよいものへと変えていくのです。

こういうことをもし僕が言われたら腹立つだろうなぁと思って読んでました。そんなの倫理綱領のせいにするなと言いたいです。倫理綱領のせいにしないで、己の倫理を追求して創りあげろ! と僕なら言うだろうなぁ。

本書を読みながら自分自身の倫理を追及していくことがこれからのソーシャルワーカーに求められることだと思っています。


【編集後記】

昨日は書店革命会議を行ないました。次年度からの書店での活動について確認し合いました。

現在は道東最大級の書店での活動ですが、次年度は中規模書店での活動となります。


大型書店しか生き残れない時代に、いかにして中規模、小規模の書店が生き残るのか、それを実践する立場にいれることがワクワクです。

たくさんのアイデアを実践したいと思います。



ここまでお読みいただきありがとうございます。

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明石書店
発売日:2012-10-20