おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
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【出会い】
「未来のスケッチ」を読んで以来、旭山動物園関係の書籍は大好きなので、ブックオフの105円コーナーで見つけて即買いでした。
【本書のテーマ】
動物から教えてもらったこと。
【岡本大輔の視点】
認知症ケアにつなげてみよう。
【気になった抜粋】
ライオンやトラ、ヒョウといった、いわゆるネコ科に分類される動物は食料が十分得られないかもしれないという前提で、活動をしている。
「命」というのは、一度失われると取り返しがつかないという事実を知らなければ伝わったことにはならない。
命に優劣はない、命は、等しくかけがえのないものなのである。
「人間とは何か」に関する堪えも、他の動物を見て、「ああ、自分は人間なのだ」とわかり、安心する。
「地獄とはやりたいことができないことだ。」
【響いた抜粋と学び】
動物園の動物と人間を同列に考えると、人間を動物扱いしているようにも読めるかもしれませんが、あくまで今回の抜粋と学びは考え方を模倣しています。
動物それぞれの能力を発揮できる行動展示を行うことで、動物がイキイキすることを、飼育する中で確認してきた。
たとえ認知症になっても、高齢になって筋力が低下したとしても、お客様の心身の能力を発揮できるように建物や設備を配置したり、スタッフの対応を柔軟にすることが求められます。
「動物園とは何をするところなのか」。
僕たちで言えば、デイサービスとは何をするところなのか?
僕達の都合で動いてもらうものなのか?
それは違う。お客様はどのような目的、目標を持ってデイサービスに通っているのか?
デイサービス自体には入浴、交流、運動、介護者の負担軽減などの目的を担っている。
そして、お客様がどの目的なのかはお客様それぞれで変わります。
「人の目でトラの見え方」と「シカの目で見たトラの見え方」が比較対照できるようになっている。
認知症ケアでの考え方では、僕達”支援者側の視点”と”お客様の視点”とは違うと言うことです。
認知症のお客様の視点ではどのように見えるのか?を考えることが大切です。
創作活動に使うために和紙を水で濡らして丸めていたところ、とあるお客様がそれを口に入れたことがありました。
これを支援者側の視点では”異食”と捉え、お客様は認知面がかなり低下していると判断するのか。
それとも、お客様の視点では濡らして丸めた和紙が豆に見えて、お腹が空いていたので食べようと想ったのか、立場を変えれば視点が変わります。
動物園のような場所で一種だけで暮らしていたら、自分の特性も分も、ほかの動物の素晴らしさも分からなくなってしまう。
動物はすべて棲み分けで自然を共有している。
とあるお客様の家族に僕は言われたことがあります。
「なんで、高齢者だけを施設に集めるんだ?普通一般の社会は高齢者も子供も若者もすべてがいて社会だろ?施設に高齢者だけ集めて介護するって感覚がわからないな。」
この言葉を読み、あなたはどう感じましたか?
専門職”だけ”の視点では介護保険を使うのだから、施設に高齢者だけが集まって当然とその家族の言葉をないがしろにしてしまうのではないでしょうか?
僕自身は「介護保険なのだからなにを非常識なことを言うんだろう。若者や子供はどうやって資金を出すんだろ?」
と考えました。
しかし、よくよく考えてみればそのご家族様のおっしゃるとおりです。
高齢者も障がい者も若者、子供、すべてが集まって社会を形成するのです。
介護を必要とする高齢者だけを集めた施設は介護する側にとって効率的な場所ではありますが、自然か不自然かを考えると不自然なのかもしれません。
経営視線ではなく人間への視線を考え直すきっかけになる一冊です。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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「旭山動物園の動物たちをありのまま伝える信念はもはや美学だ。」