「孝行のしたい時分に親はなし」
子が親の愛の有り難味を知り、孝行しようと思える年齢には親は既に死んでいるものだと教える語。ー 実用日本語表現辞典より
先日の夜に銀座屈指の鮨の名店へ、親と一緒に行ってきました。
目的は「親孝行」です。
なぜ銀座の鮨が親孝行かと言いますと、
”いいお店があったら連れて行ってくれ。”
と前から言われていたからです。
どこかいい店って、それは僕の基準(好み)から見た最高のお店というのは、フレンチやイタリアン、蕎麦とか天ぷら、日本料理など、ジャンルごとに複数あります。
まあ、本来味の世界は一番、二番とつけられないものでもあるわけですけれど。
そして今回チョイスしたのは、鮨の名人がいるお店。
現在、僕は山形県の朝日町に住んでいるので、当日は新幹線で東京駅まで行ってから、実家の親と夕方に新橋駅で待ち合わせしました。
お店の最寄り駅である銀座駅は新橋駅から歩くこともできますが、その日の東京は熱帯アマゾンのような暑さだった為、新橋から銀座線で一駅の銀座駅から向かいます。
実はこのお店は今年になって知ったところでした。
最初このお店のお寿司を食べた時、
”なぜ今まで知らなかったんだ?いつも近くを通っていたのに。”
と悔いたのを今でも憶えています。
(後日知ったのですが、このお店の先代は江戸前鮨で右に出るものがいない程の名人で、更に二代目の親方も世界中の若手職人から尊敬されているという位の超有名店でした。ーー;シランカッタワイ)
発見初日から、3日連続で通ったほどです。
(さすがに3日連続で通うと親方とお弟子さん達に顔と名前は覚えられる。)
店とのご縁は人とのご縁と一緒。
人生とはきっと、そういうものなのでしょう。
ここならば自信を持って喜んでもらえるという意味では、親孝行するには最高のお店。
ここより一部のお魚を記載します。
(本当はあまり写真を撮っては失礼なのですが、綺麗だったので親方の許可を得て何枚か撮影。)
クエ(福岡ではアラと呼ぶ)。
うちの親は初体験。
以前この店から保冷剤を貰った時に、妻が福岡に住んでいた頃に行ったことがある博多の柳橋市場の名があったので、親方に聞いたところ、
”直接現地の仲卸と取引している。”
ということでした。
このクエはそういうものだとのことです。
僕は福岡ではクエを鍋で食べていましたが、鮨で食べても良いものでした。
鱧。
骨切りをしていた親方は、和食(日本料理)の修行もしたのでしょう。
キャビアのせとタレの2種類。
親、初体験。
このお店の面白いところは、見たことのない鮨が出てくるところ。
車海老。
もう一つの特徴は彩りが綺麗なことでしょう。
太刀魚の雲丹添え。
(雲丹はー80℃(!!)で冷凍保管しているものをおろし金で細かく降らします。)
つい最近、ごはんジャパンというテレビに親方が出演した時は、雲丹の代りに冷凍したヱイの肝を太刀魚に振りかけてました。
全国の雲丹八種食べ比べ。
これだけの種類の雲丹を揃えている店は多分銀座でもここだけ。
築地市場だけではなく、全国の市場の仲卸にネットワークを持っているが故に可能なのでしょうね。^^;
カウンター越しに思わず、
”うわっ、仕入れ値、高そう・・・・” と恥ずかしながら呟いてしまいました。(汗)
綺麗な朱色の器の上に置かれた、ヅケとトロの炙りのミルフィーユ。
本鮪の新食感!
これ僕が今まで見た中で一番綺麗だと思った一貫です。
イカの雲丹添え。
黒に黄色が映える。
ミルフィーユに次いで、二番目に綺麗と思うのがこの一貫。
親方と楽しそうに会話している親の横顔を見て、なんとなく胸のつかえが取れたのでした。
また冬に親を連れていきます。
鮨は冬が一番美味しい季節でもありますから。
親孝行なんだか、自分孝行なんだか分からなくなりそうですけどね。苦笑