鮪と気配り ー 朝日町shellのランチ番外編 | 朝日町shellのブログ

朝日町shellのブログ

朝日町の事を中心に書いていきます。
この町には素敵がたくさんあります。


こんにちは。

先日、用事があって横浜に行った際、横浜市場の一般開放日に場外にあるお寿司屋さんで、メチャクチャ美味しいマグロを食べてきました。

このお店は横浜市場の創業100年の老舗卸業者、”井桁榎本商店”というところが横浜市場から徒歩2,3分ほどの場所に今年の8月、オープンしたお店です。

リンク 井桁寿司HP


井桁榎本商店は明治時代から横浜の魚の多くを引き受けてきた、横浜を代表する老舗卸で、現在でもスーパーや居酒屋から高級料亭や高級寿司店などへ魚を卸していて、中でもマグロの取り扱いに関してはとても有名な、横浜市場の名門と言える存在なのです。

その名門がなんと!回転寿司という形態で我々のような庶民の口にも気軽に美味しいマグロを食べさせてくれるというコンセプトでオープンしたのが、このお店なのです!!




お店の名前は「井桁寿司」

”#”のマークで覚えるといいですね。^^




前日、たまたま観たこのチラシ、なんと!!全品100円だという嘘のような本当の話なのか、確かめなければ気がすみません。

大手回転寿司チェーンとは違い、ここは銀座の一流店で一貫2,000円くらいで出されてもおかしくはない本マグロを出すお店のはずです。

そもそもマグロとはそんなに儲からないネタであり、あくまでも出すお店の心意気を示すシンボルのような商品のはず。

それがホンマに大丈夫か?という素人の心配半分、期待半分で翌日に備えます。

そして翌日、みなとみらい近くのホテルを朝9:30頃に出発し、運動がてら横浜市場の場外にあるこのお店まで歩いてやって来ました。



午前10:00頃にお店に到着すると、既に行列が出来ているのではありませんか。

まあ、当たり前ですね。

店外で待つこと20分程でしょうか、お一人様の私が一番手前のカウンター席に案内されます。

「基本的にレーン対応でお願いします。」という従業員さんの言葉もなんのその、周りの人はバンバンと本マグロの大トロと中トロを頼みまくっていました。

ここで思い出話になりますが、私が社会人に成りたてのころ、上司のおごりで寿司屋に行った時のこと、マグロばかり食べていた私は、その後上司に小突かれ、こてんぱんに怒られたことがありました。

上司 「いいか?お前、よく聞け!!マグロというのは本来は寿司屋にとって儲からないものなんだ。赤字覚悟でいいマグロを揃えるのが寿司屋の心意気であって、食べる側としてもその辺りを配慮するべきところを、それが出来ないお前のような最低の人間には、マグロを喰う資格どころか、寿司を喰う資格はない!!
(`Δ´)人間として一生このことを憶えておけ!!


だから今でもよく憶えていますし、一生忘れることはないでしょう。

寿司の食べ方の事で”人として最低だ”などと、人格を否定されるような罵声を浴びた時は当然腹が立って、”お前こそ人間として最悪だ!!\(゜□゜)/などと言い返したくなったりしたものですが、今となってはそれなりに教訓として学ぶトコロもあったりして、感謝しております。(お世辞ではなく、本当にそう思ってます。ありがとう、サラリーマン上司殿。)


気配りは大事ですよ。

人間として。

池波正太郎の言葉が詰まった「男の作法」という本などは、気配りの大切さを教えてくれる私の愛読書ですね。


そしてこのお店のネタですが、私が見るところでは、どんなに激安大セールだろうが、大トロならば一貫最低でも800円程度、中トロでも一貫500円くらい取らんとイカンだろう?というネタが全て100円でバンバンと出されています。

私には若い頃の上司の教えがあった為、畏れ多くて大トロと中トロを注文することはできませんでした。

今度、通常の値段の時にやってまいります。

でも折角来たので、ちょっとだけマグロをいただきますね。^^b



生本鮪のにぎり。


これが100円。

食べてみるとやはりこれこそが寿司の王道。

この一貫だけで今回寿司を食べる目的は果たせた、そんな気分です。


トロ軍艦。

なぜにこのような高級部位を使ったネタがトロ軍艦として出ているかというと、卸す量が大量故に、切れ端もまた大量に出るそうなのです。

だから高価なトロを含んだ軍艦巻きが格安で食べられるということなのですね。



トロたく巻き。

これも中トロの部位が入ってますよ。

トロ巻きってチェーン店などの影響で安いものと勘違いされていますが、本当のトロ巻きって、普通のお寿司屋さんで食べると実は1,500円とかするんですよね。
(チェーン店のネギトロなどは赤身の部位に後から脂を混ぜ込むので、安いのです。)

高級マグロの部位なので、中トロの準じた価格設定になるからです。

やっぱこのマグロの三連発をいただくだけで、横浜を代表するマグロ問屋の実力が充分わかりますね。



アナゴ、バチ、アジ、エンガワ、エビ。

アジが特に印象に残るくらい美味しかったです。



サバ。


ホタテと赤貝。

これだけ食べるとランチとしてはもういっぱいいっぱいです。

ご馳走さまでした!!^人^)

美味しかったです!!

次回は原価割れという噂の海鮮丼をランチで食べてみようかな。

厚生食堂のオススメ丼かこちらの海鮮丼か、迷うな~。^^;

そしてこの後、一般開放されている市場に向かったのでした。


男の作法 (新潮文庫)/新潮社
¥529
Amazon.co.jp

生と死や食の作法など、様々な事を池波正太郎がエッセイ風に語ります。

是非一度、読んでもらいたい一冊です。