今回の広島訪問の目的であった講演会に深い感銘を受けた翌日、原子や素粒子と観察者の事が頭にあった私は、広島市へ寄っていくことにしました。
なぜならば、広島市には誰もが知っている、特別なものがあるからです。
リンク 「2×2=3+1」と女性の時代
ホテルのシンプルな500円ワンコイン朝食をしっかりと食べて出発です。
ただ現在は、福山駅にも「のぞみ」が停まるようになっているので大助かりです。
福山ー広島間は在来線で約2時間かかるところ。
しかし新幹線ならわずか20分(これもこれでなんだかな~?と思いますが・・・在来線遅すぎ。ーー;)。
広島駅のコインロッカーに荷物を預け広島電鉄通称”ひろでん”に乗り込みます。
路面電車のローカルな雰囲気がたまりません。
十数分程度の短い路面電車の旅を終え、降車したのは”原爆ドーム前”。
ありがとう、ひろでん。
当日は日曜日だったため、大勢の人がいました。
勿論、祈りを捧げる人の姿も。
広島駅からひろでんでドーム前まで来ると、位置関係がよく分かります。
そして如何に原爆が広島の人口が密集した中心部に落とされたのかということを、今更ながら改めて思い知らされるのです。
それは想像するだけで、本当に恐ろしいことです。
物理的な破壊力の凄さは勿論ですが、被爆者の心と身体の痛みは言葉で表せるものではありません。
前回「2×2=3+1」の記事を読んだ方で勘の鋭い方ならば、原子が分裂することについてピンときたかもしれません。
現在の科学で全く考慮されていない視点から観た、核分裂のエネルギーを使った兵器が意味するものを。
人間がそれを同じ人間に対して使用することの恐ろしさを。
我々は人類史において最大級の悲劇と言ってもよいであろう、広島と長崎の2発の原爆投下の意味を、なぜそれが1945年に日本に対して行われたのか?という意味を、原子と人間の意識構造の関係性という新しい観点から問う必要があるだと思うのです。
原爆ドームの前で立ち尽くしていると、後ろ脚だけ白い足袋を履いた、黒い子ネコが歩いていきます。
子猫の母親でしょうか?
するともう一匹のクロネコ君登場。
家族でしょうか?
三匹は揃ってドームのほうへ歩いていきました。
猫たちはオイラーの公式が表す電場、磁場、光の三位一体を比喩的な表現を通じ、私に再認識させてくれるために、現れてくれたのかもしれません。
この時の私の意識は間違いなく70年前のあの時この場所で観察する視点となり、まさにそのものとなっていたのです。
すこし空気が重くなったので、以降は話題を切り替えて。
気がつくと平和公園で空腹に気づいた私。
空腹を紛らわそうと思い、平和公園近くにあったこの地元の人気店に入りました。
お隣の広島風お好み焼き屋さんが、激込みで30人くらい並んでいたので、比較的空いていたこちらを選択。
それでも5名程前に並んでいました。
つけ麺が名物らしいのですが、頼んだのはネギチャーシュー麺。
そのこころは、”隣に座っていた人が食べていて、美味しそうだったから。”。
とんこつ醤油味。
尾道ラーメンと違う雰囲気のラーメン、美味でした。
やはりこの手のラーメンにはネギが合いますね。
ドームを観た後、宮島の厳島神社へ脚を延ばす気分になり、平和公園から水上バスに乗り込みます。
料金は往復券で3,600円。(ちょっと高いかな)
片道45分の船の旅はなかなか快適でした。
(というかちょっと疲れていたので爆睡しました。)
目が覚めると建物が観えてきました。
45分の旅がわずか4,5分に感じられました。
ここは日本三景。
ついにやってきました厳島神社。
拝観料300円を払って参拝します。
しかし、朱色が本当に綺麗ですね。
別世界みたいです。
この鳥居もテレビや写真でいつも見てはいましたが、実物はやはり凄いです。
こんな感じでこの日はあっという間に時間が経ってしまい、宮島から平和公園に戻った時は既に夕方、ドーム前からひろでんで三駅ほどのところにあるホテルまでアーケード街をゆっくり歩きながら向かったのでした。
この日は街ではなくホテル内の食事処で「野菜炒め定食」を食べました。
なぜだか無性に野菜炒めが食べたかったのです。
広島で食べる野菜炒めは、なぜかとても美味しく感じました。
もしかしたら、お好み焼きの鉄板で焼いてくれたのでしょうか?
この日は疲れたので、お風呂に入って午後8時頃には寝てしまいました。
そして翌日は、朝7時にホテルを出て広島空港へ向かい、朝日町への帰途へついたのでした。
言葉では形容できない濃密な広島滞在でした。