六本木ヒルズ10周年祝い | 朝日町shellのブログ

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こんにちは。



今回は先日の4月25日に10周年を迎えた六本木ヒルズの思い出についてです。


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六本木ヒルズを最初に見たのは今から十数年前の事でしょうか。



当時私は東京の高輪という所に住んでいて、青山にあるクライアントの職場に通っていました。

当時はITバブルとか色々ありまして、メチャクチャ忙しくお金はいくらでもやる気さえあれば稼げる空気が渦巻いていました。



早朝の6:00には家を出てタクシーで出勤し、夜中の2:00位にタクシーを拾って帰宅する毎日でした。



そんな日々を過ごしている時に、毎日通る道の途中にあったのが建設中だった六本木ヒルズです。

いつも横を通るたびにタクシーの運ちゃんと、「どんなビルになるんだろうね~?」とか「居住区にはどんな人達が住むんだろうね~」とか話していたのを覚えています。

いつも最後は「こういうところ住む人の名前知ってる?それはね"金持ち"って名前なんですよ。」などと言いながら笑ってました。



そして段々とヒルズの建築が進んでいって半分くらいビルが積み上がっている光景を見たある日、感じるものがありました。



「なんか、バベルの塔みたいだな。」と。



思っただけなのか言葉にしたかは覚えていませんが。



バベルの塔って、人間の驕りが神様の怒りをかってしまい破壊されてしまう、あの例のやつです。神話の話ですけど。



文明の歴史を勉強していると、高層建築物については法則があります。



それはその文明を象徴する概念が建築物の高さを規定するというものです。



例えば、宗教が力を持っている時代の建造物では寺院関連の建物が一番の高さを誇ったりします。



日本の五重塔とかが建築された頃は宗教界強かったですよね。



あと、戦国時代の英雄とか言われる織田信長とか豊臣秀吉とかは高層の城を造りました。



大坂城みたいに復元されてないのでイメージが湧かないかもしれませんが、江戸城も高層建築だったのですよ、火事が相次いでしまい、更に幕府の財政難から建て替えしなくなっちゃいましたけど。



この頃は政治・行政が強かったのでしょう。



逆に戦国最強と謳われる上杉謙信とか武田信玄とかは平屋建ての城でしたから、農民とかに対する敬意とかあったのかな?とかいう推測もできたりします。



現代のアメリカや日本を見てみると、ホワイトハウスや国会議事堂よりもエンパイヤステートビルやランドマークタワーの方が高いです。



なので、現在は経済的な要素が強いんだと思います。



霞が関のビルは国会議事堂や議員会館よりも高さがあるので、政治家よりも官僚の方が強いのかな?(笑)

東京都庁も結構高いですね。



話が逸れましたが本題に戻ります。



いよいよヒルズがオープンします。



ヒルズのオープンから数年は、それはそれは凄い盛り上がりでした。



ヒルズに入居した人で有名なのはホリエモンとか筆頭ですよね。



当時のIT企業の目標はヒルズに入居することであったと記憶してます。



活気があるのは本当に嬉しいですし、良いことだと思います。



当時アカデミーエリアには何回行きましたが、すごくエネルギー溢れる場所でした。



でも、ロウソクが燃え尽きる前に最も光量が上がるという例えがあるように、何か不安な兆しを感じていたりしてました。具体的な根拠はありませんでしたが。



それから時が経ち、色んな事がありました。



振り返るとあれは何だったんだろう?と思わされることもいっぱいあります。



ITバブルの波に乗ってわずか一晩の間に巨万の富を築いた人も珍しくなかったのですが、今はその殆どが消え失せてしまったとか、株式で大儲けしたけど今は無一文だとか。



しかもそれらはわずか数年の間に起こった事象です。



ポスト資本主義が到来する事が間違いないと予想される現在、経済的な優位性が高い価値を生み出す事を象徴したヒルズが、建設途中のヒルズを見た時に私が感じたバベルの塔という連想が荒唐無稽なものでなかったのでは?と思うのは私だけでしょうか?