蒸し暑い夏だったな。
子供だった俺は、初恋が続く未来を夢見てた。
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花火大会の日、俺は、エリナと手を繋ぐという目標を立てていた。
エリナが初めての彼女というだけ有って、
恋愛感情という意味が含まれた上で、女性と手を繋いで歩いたことがなかったから、
俺にとって手を繋ぐというのがギリギリの試みだった。
そして、待ち合わせ場所でエリナと、S君、仲田さんと合流した。
まず、第一段階の目標として、皆で楽しむこと。
そして親睦を深めて、また次に繋げること。
これが、最低限達成できればいいなー。
欲を言えば、エリナと花火を見て良い雰囲気になって、、、
それから手を繋いで町を歩けたら最高に嬉しいな。
なんて考えてた。
地元の駅の周辺には、浴衣姿の女性が沢山いた。
やっぱり、花火大会目当ての人が沢山いるみたい。
当然のように、カップルだらけだったな。
腕を組んで歩くカップル、ホームに立ってじゃれ合うカップル、、
お互いを自然に受け入れて、お互いの目を見つめていて、
皆の表情が幸せで一杯そうで、キラキラ光って見えた。
俺は、、やっぱりエリナと居ると緊張する。
あの綺麗な目で見られると、体が固まって、恥ずかしくなって、
目を逸らしてしまう。
どうすれば、あなたたちのように、腕を組めるの?
どうすれば、あなたたちのように、自然に振舞えるの?
あがけがあがく程、俺の思考はドツボにハマる。
<続く>