長期計画が実現する素晴らしい動物さん宅♪
園館(動物園や水族館等の動物施設)の改善・前進は、大規模な工事を伴います。
そもそも、その時点で考えうる最高の施設や環境や教育活動を、動物さんとスタッフさんとお客さんに提供する工事をせねばですので、一大事です。
なので、例えば私が大好きで2回取材に行ったチューリヒ動物園(スイス)は、10年・30年の長期計画を立ててじっくり着実に取り組んでいます☆
だからこそ素晴らしい施設を作ることができて、動物さんにもスタッフさんにもお客さんにも良くて、つまり園としても意義も魅力も収入も特大なものとなります☆
こういうところからも、「シェアピ(動物さんとの幸せ共有体験=楽しい保全教育)」づくりが始まっているんです♪
上の写真はチューリヒ動物園のマソアラ・ホールです☆
マダガスカルのマソアラ国立公園を再現しています♪
滝や水場もある11000㎡のドーム内で、キツネザルさんたち・鳥さんたち・トカゲさんたちなどが自由に暮らしています♪
写真にも、アカエリマキキツネザルさん、写っていますよ♪
どこにいるか分かりますか?(答えは下の写真)
どうです、この広さ☆
ここで暮らしてくれている動物さんたちに、少しは顔向けできる環境ではないでしょうか?
ちなみに雨も降ります。
現地と同じ草木を用意していますし、そうした草木の育成事業で現地の女性も支援しています。
もちろん、マソアラ国立公園も支援しまくっています。
来園者と現地をつなぐことを非常に重視して実践しているんです。
10年とかの年月をかけて、こういう施設を作っているんです。
そして実際に、来園者はマダガスカルへの関心が高まり、実際に行った人も増えたことが、調査で判明しています。
チューリヒ動物園の2050年計画♪
そんなチューリヒ動物園の次の長期計画が、2050年までの30年計画です☆
チューリヒ動物園のホームページにある2050年計画のページ、グーグルで日本語にできますし、写真や動画を見るだけでも感激です☆
さらに、計画をちゃんと冊子にして伝える&イメージを共有する努力をしているのも、さすがです♪
ダウンロードして中を見ましたが、鼻血ブー♡
(ダウンロードしなくても見られます♪)
でも、ラボ的なスペース内のカエルさん宅だけ小さい水槽で残念。
ドイツ語が読めないので詳細不明ですが、なんにせよ残念・・・と、安易に容認しない人の存在も必要だと考えているのであえて書きます。
冊子にもちょっとだけ見えていますが、恐らく表のカエルさん宅は以前と同じように素敵なんだと思います(下の写真)。
他の動物さん宅は、「本当に実現可能なの?!」と思うほどでしびれますが、とにかく全部自分で現場で見たいです♪
そして取材したい♪
やはり、案内してもらわないと知ることができない情報も多いので♪
しかし2050年となると78歳か・・・ま、ぴんぴんしてそう(笑)。
長生きする楽しみができました♪
いやそういう話ではなく(笑)、理想を描くことと長期計画が必須で有効という話です☆
日本の園館にも長期計画を♪
10年以上現場の苦悩を聞き続けてきて思う諸悪の根源のひとつが、「場当たり的であること」です。
市役所などが運営者だと、予算は基本的に年度単位でしか発想せず、チューリヒ動物園のように「10年をかけて意義深い建て替えをする」「30年をかけて園を大前進させる計画を実行する」ということがまずできません。
10年どころかまぁまぁ急に話が来て、バタバタと決めて、へぼいものができて、建て替えなんてもしかしたら半世紀に一度の大チャンスだったのかもしれないのに・・・と、みんな超絶ガッカリする&へぼい施設で動物さんも人も苦労するという、費用対効果悪すぎな展開を何度見てきたことか。
なので、なんとかこの「年度の壁」を超える必要があります。
チューリヒ動物園のように最低でも30年計画で、「うちの園館はどの動物さんを担当するのかを決める=動物さんを減らして本腰を入れて取り組む」、「そのための建て替えなどの整備をどの順番でどのように行うかを決める=工事の負担が動物さんに極力かからないように計画を練る」ができれば!★
いまある言葉で言えば、「コレクションプラン」の設定ですな。
(コレクションという言葉が嫌ですが)
しかも、年度どころか市長さんが変わろうとも介入されない長期計画であることが絶対的に重要です!
(なんか違うな~と判明した時は話し合って柔軟に変えればいいですが)
その実現に必要な実際の取り組みは各行政ごとに違うのでしょうから、各園館が全力で本気でがんばるところです☆
東京都が10年計画を作ったことがあるので、普通にできるんだと思います♪
誰にとっても利益になる話ですので、めんどくさがらずに前向きにトライしてほしいです♪
園館の運営方法を模索中
という話を聞くと、そもそも園館て行政が運営するのは向いてないんじゃね?と思うでしょう・・・ええ、その通りです(^^;)。
職員さんの給料などに関しては市営のほうが良い場合もあるのですが、園館て本当はとんでもなく高度な専門施設で予算も莫大に必要で、例えればJAXA(宇宙航空研究開発機構)みたいなもののはずなので、どこかの市とか県レベルでできるものじゃないんです。
かと言って国営でもないんです。
国という行政組織が関与したらどうなるか、想像しただけでも気が重くなりますし、実際に国立大学等で働いた方々からも「すっごいめんどくさいですよ・・・」等のご意見を頂いています。
そして指定管理は最悪です。
丸投げして金出さず助けもせず口だけ出す・・・的な(笑)。
いや笑い事ではない最悪ぶりで、とりあえず今すぐ市などの直営に戻して動物さんや職員さんの状況をまっとうにすべきだし、今後本当に続けるのかを真剣に検討すべきです。
ということでずっと、「日本社会に向いている運営方法」の模索が続いています♪
誰も何も考えず実行もせずではなく、ゆっくりながらも進んでいます♪
例えば近年、天王寺動物園が地方独立行政法人に変わって、さてどうか?と注目を集めているところです。
今のところ一長一短でどちらも激しいように見えますが、もう少し長い目で見ての判断ですかね。
私も自分なりのアイデアを練っていますが、運営方法なだけに試す機会が無くもどかしいです。
と、愚痴っていてもなんも変わらんので、チャンスが来た時にすぐに提案できるよう、もっと勉強しておこうと思います♪
今のところ、社員の幸せを目的とする「人本経営」に動物さんも追加した、「動人本経営」をがいいのではないかと考えています★
チューリヒ動物園で教わったこと♪
チューリヒ動物園で取材時に教わった工夫のあれこれも、非常に参考になります☆
例えば建て替え時の予算は「寄付で賄う」ことで、大金が用意できるとともに建物の所有権を園が持てるとのこと(土地は州と市のもの)♪
この「所有権」を結構強調していたので、いろんな面で大事な要素なんだと思います。
さらに、寄付という形で「参加」をした人たちの関心が非常に高まるという利点もあると思います(行動経済学)。
・・・ということで、日本の園館でも30年の長期計画(まともな内容のもの)が普通になるよう、多角的に応援する必要があります。
私は自分にできることや仲間たちとできることをひたすらに実践中ですが、「動物園とか水族館て、こうするといいらしいよ~」と話題にするだけでも応援になりますので、ぜひぜひ♪
まずはチューリヒ動物園の30年計画をガン見して、泣きながら鼻血ブーしてください(≧▽≦)。
こんな動物園が日本でも実現したら、超絶楽しく意義深いと思います♪