【もはや「部屋貸し」は賃貸経営ではない?!】
シェアハウス経営コンサルタントの善行 正です。
少子高齢化が加速する日本において
ただ単に「部屋」だけを貸しているだけでは
賃貸経営とは言えなくなってきている。
高度経済成長期には人口も増え続けており
賃貸需要も増加の一途であった。
むしろ需要に供給が追いつかない時代も
あったほどである。
しかし、住宅供給が潤沢になってきた頃と同時に
少子化が決定的になり、バブル崩壊も合わせて
空室の問題が顕著になってきたのである。
その後
デザイナーズマンションに代表されるように
ハード面での賃貸物件の良質化が急速に進められ
築古の木造賃貸物件が淘汰されるように
なってきた。
そしてこれだけ少子高齢化が問題になっても
いまだに新築の建物は供給され続けており
賃貸物件も増加している。
いまだに、20年前くらいで出尽くした
ハード面での魅力ばかりを謳っている
賃貸物件も少なくはない。
最近見た新築マンションのアピールポイントは
下記の通りであった。
- 「バストイレ別、バルコニー、エアコン、ガスコンロ対応、
- クロゼット、フローリング、シャワー付洗面台、TVインターホン、
- 浴室乾燥機、オートロック、室内洗濯置、シューズボックス、
- システムキッチン、南向き、追焚機能浴室、温水洗浄便座、
- 洗面所独立、2口コンロ、駐輪場、敷金不要、保証人不要、
- 電子キー、敷地内ごみ置き場、都市ガス」
「はあ?!」である。
私が不動産会社に就職した頃と
何も変わってない!
しかも、日本全国に数多ある物件と比較して
何一つ勝っているところがない!
これで立地が悪ければ、ここに住む意味はない。
もう賃貸物件を探す人は少なくなっており
今後何十年も増えないのである。
新築マンションであれば50年は
稼働しないといけないのだ。
それなのに上記のことしかアピールするとこないの?
これでは、「賃貸経営」とは言えないのだ。
単に、自己満足で新築の建物を作っただけである。
新築時には、満室にはなるであろう。
しかし、
2年後に空きが出たら中古マンションとなり
その他大勢と一緒になるのだ。
この時に速やかに空室を新築当初の計画通りの
家賃で成約できるのか?
これが出来るようにするのが「賃貸経営」なのである。
もちろん何でもうまくいくわけではないが
そこまでシュミレーションしたのか?
が重要である。
やっていれば、こんなに無防備な状態で
賃貸市場という戦場には打って出ないであろう。
あまりにも丸腰すぎるのである。
あなたの物件に住む「価値」というものを
もっと上げていかないと「賃貸経営」は
出来ないの時代になっているのだ。
このことを我々は認識しておくべきである。