久しぶりに映画を続けて観ました。
小津安二郎の
『秋刀魚の味』
『東京暮色』
『東京物語』の3本です。
私の映画の趣味は夫からよく「オッサン」と言われます。何ならオッサン通り過ぎて、おじいちゃん。わりかし古めの映画が好きです(というか時が止まってる)。
古めの映画の趣味には夫から共感されないので観るときは一人です(苦笑)
子供の時から映画は大好き。
でも1年半前くらいでしょうか。アドレノやらエンタメ裏側やら何やら色々知るようになり、映画を観ることに興味が殆ど無くなってしまいました。
子供の頃は好きだったディズニー映画も、最近まで何度もお世話になったジブリも、大好きすぎてビデオテープが擦り切れるくらい観たサウンドオブミュージックだって歴史の背景を知ることで、あの時のワクワクで観られなくなってしまっています。
(好きな映画は何度も何度も観るタイプです)
それが感情は悲しかった。何なら背景を知ってしまう前に戻りたい気持ちにもなりました。
気分はマトリックスのサイファー
それでも今回は久しぶりに観たいな、という気持ちになって、その気持ちに従って観ることにしたのです。
なんで小津安二郎だったのか、自分でも分からないけれど、、、。
1本目
『秋刀魚の味』1962
岩下志麻が美しい、、、!最近のジェンダーに洗脳されていると、素直に楽しめないかも。「ひょうたん」先生の哀しみが、切ない、、。
2本目
『東京暮色(ぼしょく)』1957
昼メロをギュギュッと濃縮。でもサクサク進むのでドロドロ感はありません。有馬稲子がかわいい。
3本目
『東京物語』1953
杉村春子の清々しいゲスっぷりがすごい。でも誰も悪くない。みんな親より自分の生活が大切になっていく。そうなりたくないけど、家族って親子ってそんなもんなんだよね、、それでも人生は進んでいく、、というストーリー。
『東京物語』以外は初めて観ました。
いやーどれも面白かった!!(『東京暮色』は観た後、しんどかったけど)そして面白いと思えた私、確実に年をとりました(笑)若い時に『東京物語』観たけど退屈だったもん。
昔の日本映画を観ると感じるのは、結構容赦ないんですよ。会話のシーンとかでもサクサク核心をついたり、言い合いのシーンでも言葉のナイフの切れ味がすごい。
結構みんな言いたいことを言うんです。でも現代よりもベタベタしてない。淡々と場面が替わり容赦なく物語が進行していきます。今みたいにコンプラとかないからか、大らかなんです。
今回観た映画は全部モノクロだし映像に派手さは無いので刺激は少ないです。でもその分、人物の感情を生々しく感じられます。
当たり前なんだけど、60年以上前でも人間が感じる感情は何も変わっていない。容赦ないけど繊細で愛おしいというか、余計な気遣いの装飾がない分、人間の本質的なことがグッと迫ってくる感じがします。
でも取り巻く環境や日本人の集合意識は変わっているので、戦後10年とかの公開当時に観た人たちはどんな「当たり前の前提」があって観ていたのだろう?そんなところにも興味が沸きました。
そして『東京暮色』のこのパッケージ画像の有馬稲子!全然古さを感じない!もちろんこのデザインは当時ではないけれど、モノクロが逆にオシャレ感を出しています。眉毛も今に近いしね。
劇中では「いじらしい“不良”娘」なんですけど、かわいい!
原節子はこの『東京暮色』でマスク姿のシーンがあるんです。思わず二度見してしまった(汗)自分の悲しき567脳、、涙
マスクは素性を隠したい町を歩くときに使用されています。“不吉”のシンボルみたいな感じ。
余談ですが『東京物語』の中で笠智衆と奥さんが度々「ありがと」と言うんですけど、このイントネーション、当時の広島のイントネーションなんですね!同じく広島が舞台の『この世界の片隅に』を思い出して気付きました。温かなイントネーション。
どこにでも宿る愛。ラストシーンが何度観ても泣けました、、、。
とりとめなく語ってしまった(汗)
クラシック映画まだ観ようと思ってます。
面白かった〜
ここまでお付き合いありがとうございました〜!
【予告編】
『秋刀魚の味』
『東京暮色』
『東京物語』
これも観たい。でも脳の体力いりそう。
らくしゅみ
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