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SHAPIROのAOR通信

自称・音楽ライター、SHAPIROによるAOR/アダルト・コンテンポラリー/スムース・ジャズの名盤、あるいは知られざる隠れた名盤を紹介するブログ。


邦題『夢飛行』。
1982年のアルバム『夢飛行(Sleepwalk)』に収録。
MCA時代の4枚のうちの1つだが、L・リトナー同様アルバム1枚につき全曲または1曲以上は必ずGRPが関わっていた(YouTube画像が1990年の『コレクション』(GRP)なのはそのためである)。
78年の「夜の彷徨い(Nite Crawler」を思わせる、ミディアム・テンポのリズムとフェンダー・ローズの心地よいコードワーク。そこにカールトンのブライトでクリアーなギターが見事に乗っかる。寝る前に聴くとなお良し。
まるで、波を枕に海を漂うような、この浮遊感がタマラナイのである。

《パーソネル》
Larry Carlton - guitars


Produced by Greg Mathieson & Larry Carlton
Co-produced by Dave Grusin & Larry Rosen

$SHAPIROのAOR通信
From Sleepwalk
MCA(U.S.)/Warner-Pioneer(Japan) 1982 released

©Verve Music Group, Corp. U.S.A. A unit of Universal Music Group Company. Canada

もうご存知西海岸系AORの重鎮、L・カールトンのGRP移籍第1弾『アローン/バット・ネヴァー・アローン』の冒頭に収められていた曲。

1972年~77年までザ・クルセイダーズのメンバーとして、またソロ活動と並行して1998年~2008年までボブ・ジェイムス、ハーヴィー・メイソンらのユニット、フォープレイで活躍。
カールトンとGRPとの接点は以外にもL・リトナーより古い。
まだクルセイダーズにいた頃、グルーシン&ローゼンがプロデュースしたジョン・クレマーの4枚のアルバム(74年の『Fresh Feathers』から77年の『Lifestyle』まで)に参加したのがきっかけ。この時、殆どの曲でアコースティック・ギターを弾いており、D・グルーシンのキーボードとの相性はバツグンだった。詳しくはクレマーの75年の『Touch』でのプレイを聴いてほしい。

その後78年のクルセイダーズ脱退以降84年まで、MCAに4枚のアルバムをリリース。そして85年正式にGRPと契約し、翌86年に完全デジタル録音による『アローン~』をリリースする運びとなった。以後97年までGRPに在籍し、98年にワーナーへ移籍を経て、近年自己レーベル、Room335 Recordsを設立した。

話を戻すが、前述のクレマーの一連のアルバム同様、この曲を含む全ての曲でアコースティック・ギターをフィーチャーしている。カールトンは、ギター以外にキーボードも担当しており、意外にうまい。彼の醸し出すしなやかなメロディ・センスは説明の必要が無かろう。

GRP移籍が奏功してか、95年には後輩リトナーとの共演アルバム『Larry & Lee』が実現した。

《パーソネル》
Larry Carlton - guitars, keybords
Terry Trotter - synthesizers (DX7, etc.)
Abe Laboriel - bass
Rick Marotta - drums
Mike Fisher - percussion



Produced by Dave Grusin & Larry Rosen
Co-produced by Larry Carlton

$SHAPIROのAOR通信
From Alone / But Never Alone
GRP 1986 released

©N-Coded Music, Inc.

AORの名門レーベル、GRPレコーズからの作品をセレクト。
スパイロ・ジャイラ、トム・ブラウンなどのセッションで活躍し、一躍脚光を浴びたギタリスト、ボビー・ブルームのデビュー作。同名タイトルのアルバムから。
ウェス・モンゴメリー、ジョージ・ベンソンの影響を受けた流麗なオクターヴ奏法が、デイヴ・グルーシンの見事なアレンジによって涼しげに聴かせる。
この当時まだ無名だった、V・ベイリーとO・ハキム(2人とも後にウェザー・リポートに加入)が、信じられないほど控えめにプレイしているのも聴きどころだ。
しかし、元々主流派思考が強かったブルームは、アダルト・オリエンテッドな2枚のアルバムをGRPに残した後、程なくしてソニー・ロリンズのバンドへ加入、主流派ジャズ・ギタリストに転向してしまい、現在に至っている。
当時の彼としては“やらされている”感が強かったのだろうが、若き日の、こんな涼しげなギターをもう一度聴きたいリスナーも多いのでは?

《パーソネル》
ボビー・ブルーム ‐ ギター
デイヴ・グルーシン ‐ キーボード、ストリングス・アレンジメント
テリー・バラス ‐ キーボード
ヴィクター・ベイリー ‐ ベース
オマー・ハキム ‐ ドラムス
クラッシャー・ベネット ‐ パーカッション
他 

プロデュース:デイヴ・グルーシン&ラリー・ローゼン

$SHAPIROのAOR通信-BOBBY BROOM/Clean Sweep
From Clean Sweep
GRP 1981 released


©N-Coded Music, Inc.

パティ・オースティン、リンダ・ロンシュタットなどとのデュエットで有名なAORシンガー、J・イングラムの代表曲にして最大のヒット曲。
マルチ・ヒットメイカー、Q・ジョーンズの制作により、イングラムはスターの座を得ることができた。しかしながら、主に映画音楽への曲提供、さらに前述のデュエットが先行して、ソロとしての知名度はいまひとつ。アルバム枚数も、B・コールドウェルやM・フランクス、B・スキャッグスらと比べるとかなり少ない。ソングライターとしても卓越したセンスを持ち、いい曲が多いので是非チェックしてほしいアーティストの一人である。

©Sony Music Entertainment(U.S.), Inc.

GRP出身ピアニスト、デイヴィッド・ベノワと、元アンブロージアのデイヴィッド・パックのコラボレイト曲。1988年。アルバム『Every Step of the Way』(GRP)より。
アンブロージアは1975年にデイヴ・グルーシン&ラリー・ローゼンのプロデュースでデビュー・アルバムをリリースしているので、ともにグルーシン&ローゼン繫がり。
とはいっても、アンブロージアの75年当時はあまり売れ行きがパッとせず、ワーナーへ移籍した5年後の「ザ・ビゲスト・パート・オヴ・ミー」でブレイクする。
さらに年月が経つこと88年、この曲で2人はコラボレイトする。
「ザ・ビゲスト~」と変わらないパックの甘いヴォーカルと、ベノワの流麗なピアノのメロディが見事に調和。さすがグルーシン&ローゼン、このコンセプトは大正解!
かつてはリー・リトナとビル・チャンプリンによる「モーニング・グローリー」なんてのがあったが、それに続くこの曲も負けず劣らずの、極上のバラード。
さあ、心して聴きなさい。

ちなみに、D・パックはその後もパティ・オースティンなどへの曲提供およびコ・プロデュースを行うなど、GRPとはかなり親しい結びつきであったようだ。