ポトフ 美食家と料理人 2024.4.13 シネスイッチ銀座2 | ギンレイの映画とか

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 ギンレイ以外も

 主人公二人の関係がわかりにくい。また彼らはレストランを開いているわけではないようだ。だったらなんで生計を立てているのだろう。貴族か何かで働く必要がないのだろうか。いろいろと疑問点はあるものの、それは関係なく話に入っていきたい。

 

 始まってからずっと料理の場面が続く。その後もほぼ料理を作っている。その手際の良さと大変さがあって、美味しそうな料理が次々とできていく。食べる4人はただただうまそうに食すだけだ。作る側もサーブする人も同様に食べる。忙しく働き、そして食べる。サービスするだけはつまらない。出来上がれば食べなくちゃ。毒味か味見か、作った当人が食べなくてどうする。

 

 美味しい食事が提供され、ただ食べることに集中し、最後は胃が爆発してしまう、なんて映画があった。腹がへるのは辛いが、吐きそうになるくらい腹一杯なのも嫌だ。腹八分目は大正解だと思う。飲むのも同様、いけるいけると止めないでおくと大変な目に遭う。そんな経験を幾度しただろう。

 

 彼らの食欲は私のそれと比べて雄に5倍はありそうだ。遊食者の胃袋は日々の大食に慣れて大きくなっているのだろう。逆に少食が続くと胃も小さくなる。胃を小さくした方が食事代も少なくて済む。グルメなんて良いことばかりでない。たいそうなことは言えないが、美味しい料理は適量をじっくりと味わいたい。

 

 ここに出てくる料理の数々、どれも料理名をあげられない。でもどんな料理でどんな味かは想像できる。ただ見たことのないスパイスで味付けされた皿上の料理の味は私の想像の域を遥かに超えたものだろう。

 

 フランス料理は極端に走ったように思う。美食家向けという。一般大衆が毎日通える食堂はある。でもそこではこの映画の料理は出さない。私がフランスのレストラン事情に詳しくないため、あくまでも想像で書いている。フランス人もフランス料理に飽きたのか、ラーメンなんかありがたがって食べている。

 

 ラーメン、食べないな。外食でラーメンはない。ちょっとの間に合わせならラーメンもいいだろう、でも外食ならも少し別なのにしたい。

 

 ポトフは庶民の料理で皇太子に提供する料理ではないらしい。それをあえて出そうとする。でも材料から作り方に至るまで、このポトフは特別製だ。寿司だって回転するのもあれば、目の前で握ってくれる高級なのもある。一概には言えない。このポトフ、食べてみたい。

 

 倒れたウージェニーの跡継ぎができたような、と思わせる後味が舌に残った。フランスに行ったらゴテゴテのフランス料理にしましょう。

 

監督 トラン・アン・ユン

出演 ジュリエット・ビノシュ ブノワ・マジメル エマニュエル・サランジェ パトリック・ダスンサオ ガラテア・ベルージ ヤン・ハムネカー フレデリック・フィスバック ボニー・ジャニョー・ラボワール ジャン・マルク・ルロ ヤニック・ランドライン サラ・アドラー ピエール・ガニェール

2023年