燃えあがる女性記者たち 2023.9.30 ユーロスペース1 | ギンレイの映画とか

ギンレイの映画とか

 ギンレイ以外も

 インドのカースト制度で最下層に置かれる不可触民(ダリト)の女性だけで運営される新聞社「カバル・ラハリヤ」がある。紙の新聞として発行されるものとSNSやYouTubeで発信もされている。彼女たちの記者活動を追ったドキュメンタリーだ。

 

 経験豊富な主任記者のミーラは、デジタル化に戸惑う仲間を励ましながらも、子育てと夫の無理解に悩んでいる。有望記者のスニータは、やる気も能力も十分だが、家族と世間からの結婚の圧力に疲弊し、新人のシャームカリは、自分の取材能力に自信が持てなくなっていた。

 

 インドはIT先進国だ。日本にも優秀な頭脳を使うべくやってくる人がいる。一方、カースト制度が未だ残る、近い将来世界最大の人口をかかえる国でもある。日本にいるインド人は恵まれた生活をしてるのだろう。その反面、日本はおろか生まれたところから出られない人たちがいる。

 

 ダリトの暮らし向きは紹介されないが、夫は働き者というふうではない。記者である妻が働いて生活を支えている感じだ。その妻に子どもを置いて出掛けてばかりいると文句を言う夫。記者の仕事は時間が不規則だ。夫は妻が食事を作るものと思っているようだ。食事の準備はできる人がやるものなり!

 

 Khabar Lahariyaで検索すれば彼女たちの報道を見ることができる。インドの言葉なので内容が分からないが、多くの人の話を聴いている画像があげられている。彼女たちの活動はいつでも見れる。ニュースは新聞やテレビからYouTubeになってしまうんじゃないか。でもYouTube自体が大きな組織でもある。映像配信のベースを個人で作って、そこで活動するようにすればいい。実際どうやるかの知識はないけど、なんとかなりそう。SNSは金儲けの手段になり下がってるから、そこから脱出させたい。誰にでも作れて独立した制限のないものが望ましい。

 

 宗教が政治を制限させる。この国ではモディ首相のヒンズー至上主義による報道に対する圧力もある。特に女性の働く場がない、男性が女性を下にみる社会。それはどこでも似たようなものだ。世界の女性よ、立ち上がれ。私は自身の反省をこめて彼女たちには頑張ってほしい。何か手助けできることがあるなら協力したい。

 

監督 リントゥ・トーマス スシュミト・ゴーシュ

出演 ミーラ スニータ シャームカリ

2021年