「最も危険なアメリカ映画」町山智浩著(集英社インターナショナル)を読んで。 | また上海勤務の上海十月日記

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7年ぶりに上海にまた勤務となる上海十月です。映画中心のブログになります。

ここ数年の衝撃は、町山智浩氏のアメリカ政治コメンテイターとしての活躍ぶりですね。サブカルのスターであり、映画についての博覧強記ぶりには、驚きを通り越して尊敬すらしてしまいますね。映画では、数秒の出来事を膨大な資料を読み込み解説して見せてしまう。淀川長治解説を100倍以上にした感じだ。昔の映画解説者も一部の人を除いて大体適当に解説して当時の映画ファンをわからないことをいいことに小ばかにして海外の文献や、先に試写観て偉そうに語る人が多かったが、町山解説は、ネット時代であってもその関連資料の掘り起こしは他の追随を許さない。本書は、映画からアメリカ社会を解説した本で有名な映画も危険な内容を含んでることを真っ向から挑んでいる。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フォレスト・ガンプ」を嫌いになる人も出てくるんじゃないかと心配になる。映画は、その時の社会情勢をどんなに下らない映画でも、芸術映画でも反映しその後予言にもなりうるのだとこの本は、証明しているようだ。