本日(2月25日)、厚生労働省は神奈川県で新たなジカ熱感染者が確認されたと発表しました。
この患者さんは10代で、観光先のブラジルで感染し、帰国してから発病したそうです。同行者に発病はないとのことです。本人の病状も安定しているようです。
きちんと確認された日本のジカ熱患者さんはこれで4例で、中南米での流行が起きてからは初の確認例です。
基本的に蚊が媒介する病気ですから、蚊がいない今の時期はこれ以上の感染拡大はないでしょう。空気/飛沫感染する病気ではありませんから、この患者さんも自宅で療養しているようです。なお性交渉や輸血でも感染の危険性はあります。
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中国では今年2月9日に発表された第1例以降、計5例の発症者が発表されています。いずれも海外で感染したと考えられています。
中国政府の発表は以下です。
1例目 2月9日発表 江西省赣州市の34歳男性、渡航先はベネズエラ
2例目 2月15日発表 広東省江门市の28歳男性、渡航先はベネズエラ
3例目 2月19日発表 浙江省义乌市の38歳男性、渡航先はフィジーとサモア
4、5例目 2月23日発表 浙江省义乌市の8歳男児と父親の38歳男性、渡航先はフィジーとサモア(3例目と同じ団体旅行)
中国ではいずれの患者さんも隔離されてしまうようですね。日本と同様、蚊の活動期ではないとのことで、感染拡大の可能性は少ないということです。
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ジカ熱は通常は感染しても命に関わることはないのですが、中南米ではギラン・バレー症候群を発症して死亡する例もあるようです。また以前からの報道のように、妊婦が感染するとその子供の小頭症発病率が増えるとされています。
ジカ熱による(A)結膜炎、(B)皮疹、(CとD)四肢の浮腫。写真はこちらから引用。
上記の日本人感染者の報道でちょっと気になったのは、本人が蚊に刺された覚えがないと言っていることです。これから蚊の季節になり、気づかないうちに刺されて感染したらイヤですね。
ジカウイルス感染者は必ずしも発熱などの症状を伴わないため、ジカ熱という病名は不適当でジカウイルス病(感染症)と呼ぶべきであるという主張もあります。また医学的にはデング熱との区別は必ずしも簡単ではありません。
これ以上の感染拡大がないこと、早く効果的な予防策がみつかることを祈りたいですね。
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