炎色反応 | 銀のスズメバチ

銀のスズメバチ

失敗作 欠陥品 不良品 劣化レプリカ
ってなじられてきましたが
ひとりみつけられたらもうそれでいいのです

To be alone is to be different.
To be different is to be alone.

Suzanne Gordon

2011年11月05日開始


今日の朝、コルクボードに貼ってあった遺書を外した。

書き直したかったから、それより先に消滅させなきゃいけなかったから。




それは、自分が自殺しないでいる自信がなくて書いた「遺書」。
死にたくないと想っていても、毎日が苦しすぎたから。

だから、いくらパニックになりにくくても自信がなくて
やらかしたときのためにそれを繕うための手紙を書いていた。

それがその「遺書」だ。


使われている一人称は「あたし」。
文章を書く上で私がほぼ使わなくなったもの。

…そして中に書かれているのは強がりのカタマリだ。


新しく書くのに「遺書」ってつけると同じな気がするので
「遺言」にしようかと思ったけど、何かいい言葉ないかと思って
探してみたら

遺音(いおん)

という言葉が見つかった。
言い残したい言葉、という意味らしい。

新しいのは「遺音」
今までのは「遺書」…




私は遺書を燃やし始めた。


便せん2枚、封筒一枚。

中から紙を抜いて、一枚ずつマッチで燃やす。

持ってる部分が燃え残りやすいので
そばに灰皿を用意してそこに放り込んでおく。

そこにもマッチを放り込んで火をつけて燃やす。



たぶん、時間軸以外の部分はそれほど変わらないことを書く。

でも、遺書と、新しく書く遺音の中身は
本当にそう思っているかどうかと言う点で確実に違う。



燃やしている間、感情の色がよく判らなかった。
何か落ち着かなくて、泣きそうだった。

そんな時に。

燃えた便せんのインクが炎色反応を起こして



静かに緑色の炎をあげる。



緑…




なんだろうね。
泣きそうなのに、心強かったよ。