連日私や妹の友達がやってきてお焼香をしてくれたので満足だったのか、母がしゃべっているように見えてきた
現実的には肉が下がってきた?引力?硬直が解けた?とか、そういうことなのかもしれませんが、口が開いてきたので、エンゼルケアがやれる人は、紐で顔をくくるという行為をものともしない・・というかなんというか・・・
風情がないねぇ・・・・
は~ クワバラクワバラ・・・
私は骸骨と人体模型が怖くて理科室に一度も入ることなく一生を終えた人なのですよ・・・
リピーター割を使っている「小さなお葬式」は死体担ぎもリピート・・・
今回は男手があるから手伝うことなく、傍観者に徹することができたことが、不幸中の幸いか・・・
気が弱いったらありゃしない・・・
前の晩に決まった葬送の曲「松の翁」というとてもおめでたい曲ですが、故人が近々に踊ったことがあるということで決まりました。
近々が30年くらい?だから、近々もしれているけど・・・
それを聞いた神威君・・・びっくりして、朝稽古してよ・・と
挙句に、A嬢が鼓をやるってことに配役されたので、神威が三味線も弾くことに・・・・
朝8時から私は必死こいて神威に合方(間奏みたいなの)を教えこんでいた
本人も夜中に必死でお稽古してたようで、わりと弾けてたからえらいもんだね・・・
1時から葬送の曲を演奏するっていうんで、みんな12時頃には喪服を着てスタンバっていた。
いざ、演奏が始まったら、葬儀屋のおねえちゃんがワンワン泣き出して・・・
死んでる母親(祖母)に向かって、聞こえもしないだろうに、子供や孫、後継者の連中が、自分の持てる力を最大に使って演奏や演舞している姿を見て、心を打たれたらしい
そう言ってくださる人がいて、心から嬉しかった
ヒィヤーヒィーと神威が笛を吹いたところで、飼い猫が「にゃ~」(笑)
なかなかの合いの手
そうして御棺におさめる時がきて、M史さまの会社のお花一対と、大和楽の家元の枕花等をむしりとって、御棺に入れました
父から胡蝶蘭を買って供えるようにと言われた気がするけど、大和楽の家元から胡蝶蘭ももらっていて、2個もあったら世話が大変・・・と思い、胡蝶蘭の造花でも買ってくるか・・・とも思ったけど、ついうっかり自分の好きな花を買ってしまった・・・
葉牡丹のリース・・・・お正月飾り用
一応2日くらいは枕花のように飾っておりました
これでお正月の備えは万全
と言ったら、葉牡丹のようなおめでたい花に、ご供養と書いてある札が刺してあって、おかしすぎる
とM成君がいって今日になったら、名札を下げられていた
まあ、母も好きだった、私の大好きな花だしさ~
そして出棺
あらかじめ下の定食屋さんには「ごっつい霊柩車が来るけどごめんね」と言ってありましたが、間近でみるとほんとに神々しい
この車こそが天国行きの車だと思える風貌
いかにもな派手さでしたが、名前が「特金車」で、ちょっとコテコテすぎてセンスない
価格改定のあおり?を食らって、8万円が5.5万円に下がったらしい
名前からして派手派手で、こりゃ安くなるのも無理はない・・・と思った瞬間だった。
喪主はこの車に乗るらしいがA嬢がそばにいたいというので、譲った
そうしたら、道々小学生が特金車を見てはしゃいでいた。
お母さんにあの車はこれこれしかじか・・・とでも聞いたのか、手を合わせてくれる子もいました。
これこそが文化を習った瞬間を見たと思ったのです。
特金車で火葬場に乗り付けると近隣の住人が文句を言うという話でしたが、これを死体を載せる乗り物だとか、縁起が悪いという価値観しかない人の気が知れない
手を合わせてくれる小学生もいるのに
無事に八事の火葬場に着き、お釜にお棺をおさめました。
休憩室にて説明を聞き、1時間半~2時間ということなので、近所のコメダにシロノワールを食べに行きました
若いM成君や神威が紋付羽織袴で歩いているから道行く人が見る見る(笑)
あ~シロノワール・・・うますぎ
そして、待ちくたびれることもなく、有意義に時間を使い、しずしずと火葬場に戻ろうとしたその時
葬儀屋のおねえちゃんから「今どちらにいらっしゃいますか?」と電話が入った。
バックレたのがばれたのだった