彼女の踊りは
激しく、時に緩やかな水の流れ
あらゆるものを焼き尽くし、時に人を和ませる火
草木を薙ぎ倒し、時に優しく頬を撫でる風
風に揺れる花、空高く舞う鳥の翼
モダンダンスの先駆者として19世紀末のヨーロッパで一世を風靡したロイ・フラーの半生を描いた作品(映画com解説、一分改変、より)
アメリカの片田舎
芸術を夢見ていた少女は
愛してくれた父を詰まらぬいさかいで殺され
夢を叶えるべく旅立つ
思うように行かない現実の中
ふとしたきっかけで
彼女は才能を開花させる
観客の驚嘆と喜びの拍手が忘れられない
もっと、もっと、もっと!!!
自分を削って、表現を追い求める
彼女の前に現れる若き才能、イサドラ・ダンカン
彼女の中に称賛と羨望と劣等感が沸き上がる
素のままのイサドラの奔放な踊り
彼女は思う
私の踊りは衣装と照明だけ、、、
光と影
それでも彼女は突き進む
激しい踊りは彼女のからだを酷使する
私にはこれがすべて
自らの体の酷使によるダンスは、観客に幻想的な自由を観させる
その驚嘆の拍手は踊り手の大いなる喜びとなる
苦痛から喜びへ
クラシカルな陰影に富んだ映像美が彼女の踊り、生き様を映し出す
映画のはじめ、野外のバスタブで父親が銃弾を浴びて殺され
そのバスタブの銃弾の穴から血の湯水が零れ落ちているシーンは印象的
それは後に彼女が、恋人でありパトロンの伯爵と語り合うバスタブのシーンと対比される
痛みと喜びが重なり合う
ヒロインの前に立ち現れる若手のダンサー、後に伝説の踊り手となるイサドラ・ダンカンを演じる
リリー=ローズ・デップは若木の優美でしなやかな美しさの中にしたたかさがあり
ジョニデの娘という紹介のされ方をされなくなる日も近い、、、、かも
ヒロインのパトロン、恋人を演じたギャスパー・ウリエルは、近頃珍しい退廃的なヨーロッパ風二枚目を演じて
笑うと片頬が削げたようになるのが魅力的、、、、好みによりますが
そして、なんといってもヒロインのダンサー、ロイ・フラーを演じたソーコの素晴らしい演技
素朴な純粋さ、脆さ、折れそうで折れない強さを繊細に演じ
後半では時折、カリスマ性をも感じさせる
クルクルクルと休むことなく、絶え間なく回り続ける彼女のダンスは
果て無き青空に舞い上がり、飛び続ける鳥の翼のようであり
無限の可能性に挑む芸術家のようでもある
明け過ぎましておめでとうございます
今年はもっとブログ頑張りたいと思います
去年観た映画、ほとんどDVDですが、面白かったのも短く書いていきたいと思います
皆様にとってよい年でありますように!