監督:今井正 原作:南条範夫 脚本:鈴木尚之、依田義賢 撮影:坪井誠 音楽:黛敏郎
出演:中村錦之助、森雅之、有馬稲子、丘さとみ、岸田今日子、渡辺美佐子、三田佳子、江原真二郎、東野英治郎、柳永三郎、木村功、佐藤慶、加藤嘉、山本圭、西村晃、北竜二、青木義朗
錦ちゃん七変化
役者としての錦ちゃん堪能!
一瞬もゆるがせにしない気迫の演技!!
益々ファンになってしまった(、、関の弥太っぺをちょっと前に観てからなんで、ファン歴数日なんですが)
クラ~イ作品です、黛敏郎の不協和音の弦楽器が、華を添えまさに武士道残酷物語、、
でもこうゆうの好き
物語は、現代(製作が1963年その頃)、自殺未遂をした婚約者の杏子(三田佳子)の病室に駆け込む飯倉進(中村錦之助)
飯倉進は、自問自答を始める「果たして杏子の自殺は、自分のせいなのか?」
そして進は、自分の祖先たちの血塗られた残酷な運命に思いを馳せる、、、、、
七つのエピソードから成り、それぞれに主君に忠節を果たすがゆえに悲惨な末路をたどる先祖の人々を中村錦之助が演じます
”侍は主君あっての侍なれば、己は常に無き者と知れ!
侍の命は侍の命ならず、主君のものなれば、主君のために死に場所を得ることこそ誉と知れ!
己を殺して主君に仕えることこそ忠節のはじめと知れ!”
これは、劇中、死を賭して、主君を諌めに行く際、息子に継げた言葉です
武士道=忠義の孝に翻弄される人々を描くことで、日本人の中にある、ある心根をペシミスティックに浮かび上がらせています
と言いつつもエピソードを重ねるごとに主君が思いっきりアンポンタンになっていくので、そのアンポンタン具合と錦ちゃんの悲惨な運命、そして七変化を鑑賞するのが正しい見方ではないでしょうか、、、あ、アト、女優さんも
小姓の初々しさを見事に表現してます
にしてもちょんまげが、、、こういう人たちの頭ってこうなってたんかア~
年季の入った老侍を風格もって演じてます!
このエピソードの後半、錦之助がちょっと見せる狂気、、ハッとします!
そして、中盤の凄まじいシーン
後期の「徳川一族の陰謀」を髣髴させる熱演(CMのシーンしか観てない、、、多分)ですが、
この作品では、ピタッとハマってます!
その凄惨さ!哀れさ!
スゴイの一言です
そして、この作品の影の主役、アンポンタンな殿様、或いは人
この人は、アンポンタンじゃあないです、ちょっと、気が弱いだけ
東野英治郎、、ウ~ン、ジャガイモの顔、味があります!
森雅之、、色男という言葉は、この人のためにある?舞台では、老人役が得意だったそうです
狂気のアンポンタン殿様、、、もしかして「十三人の刺客」の稲垣君はこれを参考にしたか?
江原真二郎、、、テレビでは良いパパでした
上の殿様とセットで悪いやつ、よくいるゴマすりのこういうやつ
佐藤慶、、、幅広い役柄をこなせる素晴らしい役者さん、声も良いー!
凄い!凄すぎる!廃嫡された狂気の元殿様、、女の人を見て舌なめずりしてます
加藤嘉、、、コメントいりません
小者中の小者!、、、いやあ、多分普通にいるんでしょうけど、、、小者
西村晃、、小さい男をやらせたら日本一!
考えたら黄門様が二人出てました、、、、全然見てないけど
持ち味を存分に生かしたすばらしい演技の数々!
そして華を添える女優陣
渡辺美佐子、、、可愛いです 岸田今日子、、大人です
丘さとみ、、お姫様女優?あんまり知りません 有馬稲子、、色っぽいです!
三田佳子、、ウ~ン!クールビューティ!
錦ちゃんと一緒によく出てますが、今回は、珍しく良い人です
陰惨な映画ですがとてもゴージャスです
暗い映画ですが、華があります
その中心は勿論
中村錦之助!!
外側の変化も勿論、素晴らしいけど、内面、日本人特有の忍耐、無念、という情念を体現した素晴らしい演技だったと思います
、、、暗い作品ですが、ソコも好きです
では