先にこちらをお読みください↓








こちらの「What is LOVE?」シリーズ。

タイトルは今まで「sugar and salt」「Dance in the dark」と、全てアルバム「LOVE」からきているので、今回もそこから引っ張ってきたいと悩んだ結果、「Endless Game」になりました笑

歌詞の意味とお話の中身はほとんど繋がっていません。


「sugar and salt」「Dance in the dark」を読んでいなくても読めるっちゃ読めます。
(何より、「Dance in the dark」なんてゴリゴリのS翔さんですから、少なからず読めない方はいらっしゃると思うので、、、)


でも一応繋がってる、、、かも???

読まなくてもまぁ…大丈夫かなぁ、、、って程度です。


そして大事なことがひとつ。

こちらはのお話になります!!
無理な方は読まれまくて構いません。翔潤のお話と並行してアップしていくので、読めない方はそちらを楽しんで頂けたら♡

「私が書く潤翔のお話を読みたい!」というお題が来ていたので、初めて挑戦しています。ホントに潤翔には今まで一切触れてこなかった人間なので、温かく見守ってください。


では、どうぞ。












Endless Game


S side


1人で飲みたい気分だった。


…これであれば、バーに向かう理由に十分なるだろう。


季節は秋。

年が明け、数日経ったら三十路を迎えるしがないサラリーマンである。


…櫻井翔29歳。

今は仕事が恋人のようなものだった。


大学時代はそれなりに遊び、取っ替え引っ替えに女の子とも付き合っていたけれど、今はもう全然。

そんなこと出来る体力も精神力もない。


…だからいっちょ前に1人で飲みたくなってしまうのだ。


細まった道の角にあるバーの小さなドアを開ける。

カランコロン、と心地よいベルの音が鳴り、カウンター席の端に腰かけた。


派手に酔っ払わない程度に飲もう。

そう心に決め、まずはロックを注文した。


「……んま、、」


思わず声が漏れた。

いつもは1人で黙々と飲み続けるだけなのに。


…最近仕事が忙しくて晩酌もろくに出来ず、すぐにベッドに入っていたからかな。

酒ってこんなに美味かったっけ。


まぁ、それだけ体が酒を欲していたのだろう。


「…お気に召したようで何よりです。」


肘をついて眺めていたグラス越しにバーテンダーらしき人が居て、その人に話しかけられたのだろうとグラスをコトリとカウンターの上に置いた。


「…!」


「私がお作りしたんです。
…お一人様の方で美味しいとおっしゃってくれた方は初めてですので。。。」


「あ、、、いえ…。」


そう返した俺の顔は引きつっていただろうか。


…俺は子供の頃から、人と人ならざるものを見分けることが出来た。


俺の目に映る"人ならざるもの"は、人とは雰囲気が違う。

言葉では言い表し難いが、とにかく違うのだ。



俺のように見分けることが出来たら、どんなものか分かってくれるだろう。


そう、そして今目の前に立つバーテンダーは、確実に人ならざるものだった。

…狼なのか幽霊なのか狐なのかまでは判断することは出来ないが、今すぐにでも目の前の"もの"から距離を置きたかった。


人ならざるものを見かけた時には距離を取る。

こういうのは大抵面倒なことにつながるから。


が、来てすぐに席を立つのも不自然だし、せっかく来たバーを出る訳にもいかない。


「また飲みたいものがあればお作りしますよ。お好きなのをご注文ください。」


…そして何より、俺はもうこの人ならざるものに気に入られてしまったのかも知れない。


その後は妖しい術に掛けられたり、裏に呼び出されて食い殺されたりされるのではないかとヒヤヒヤしていたが、人ではない彼が作る酒を飲みながらポツポツと他愛もない話をしていただけだった。