猛獣珍の恋愛小説 -3ページ目

猛獣珍の恋愛小説

暇な時、書いていきます。

第二十七章 最高の時間


一回戦の試合が、始まろうとしていた。

俺らは、ベンチからのスタートだった。

相手は、白北高校ここ最近は目立った活躍は

ない。普段なら、楽勝の相手だ。

キックオフ!

前半開始すぐ、先制チャンスが来た!

ボールは、ゴール横をかすめて外れた。

「おしい!」

ベンチみんなが、叫んだ!

開始早々のプレーで、先輩たちもベンチも

いける!と思った。しかし、このプレーの

後、相手側の選手は、全員が、引いて

ディフェンスする様になった。そのせいで、

中々チャンスらしい場面が来なくなった。

ベンチメンバーも少し苛立ち始めてた。

当然、戦ってる選手も焦って来てるのが

よく分かった。焦らず、普段のプレーが

できれば行けるのに。しかし、今までは

自分達より先輩が居て、試合をコントロール

してくれてたはずが、新生チームになって

初めての公式試合、無理もなかった。

前半終了。監督からのゲキがとんだ。

とにかく落ち着け。自分達の仲間を信じろ。

前がかりになるな!カウンターをもらうぞ!

まだまだ、一回戦だ!硬くなるな!楽しんで

こい! これが、監督からの指示だった。

後半開始。

監督に呼ばれた。

「アイツら、変わらない様なら山部いくぞ!」

俺 「はい!」

俺は、アップを始めた。静奈達の方を見て

ガッツポーズをし、いくぞ!の合図を送った。

かわちん達が、飛び上がってるのが見えた。

5分が経ったくらいか、監督から交代の指示が

でた。ドキドキは、最高潮だった。

先輩と交代間際、ポンっと肩を叩かれた。

「頼んだぞ!」

「はい!」

やっと出れた。怪我して練習を休んでた俺を

先輩達は、快く迎えてくれた。この人達と

サッカーが出来ることが、嬉しかった。

残り35分、相手は相変わらず引いたままだ。

ヤレる自信があった。静奈の見てる前で

サッカーが出来る、俺を見てくれてると思う

だけで、最高に楽しかった。俺は、走り

まくった。相手ゴールだけをみて。

後半35分、先輩からのパスが来た。

相手ゴールまで、少し距離はあったが

コースが一瞬見えたので、俺は迷わず、脚を

振り切った! ボールは相手ゴール右隅に

突き刺さった! 

「よっしゃー!」

先輩達に叩かれまくった。

「よくやった!」「ナイス!」

俺は、スタンドに向かってガッツポーズをした

静奈達が、抱き合って喜んでるのが分かった。

結局、この一点で無事勝つことができた。

監督、先輩に喜んで貰えたことも嬉しかったが

静奈が、喜んでくれたことが1番嬉しかった

気がした。

まこ「べーやん、最高!よう、決めた!
   俺が教えた通り!よくやったな」

咲「ナイス!シュート!べーやん、カッコ
  良かったよ!」

やま「楽勝ちゃうやん。次、ヤバいんちゃう?」

絵里ちゃん加奈ちゃんも手を叩いて喜んで

くれた。静奈は、

「凄かった。ドキドキ💓が止まらん。
 ホンマ、良かった。おめでとう」

俺「もっと楽に行ける思てたんやけど。
  心配した? 俺、絶対行ける自信あった
  で。結局、ヒヤヒヤもんやったわ」

静奈「そうなん。観てる方は、たまらんよ。
   でも、良かった〜。次も、頑張って」

俺 「おう!少し間開くからそっちいくわ!」

この日の俺の出番は、これだけだった。

2回戦は、先輩達の本領発揮で、2-0で

危なげなく勝ったからだ。

静奈達女性陣が、弁当を作ってくれてた。

皆んなお昼に頂いた。最高の時間だった、

彼女の作った弁当を食べる彼氏になれたわけで

こんなこと信じられなかった。やっぱり、

男なら憧れることだったから。

静奈がつくった、おにぎりと卵焼きは、

絶品ものだった。

「今日は、ありがとう。皆の応援があったから
 無事勝つことができました。お弁当には、
 ビックリさせられましたが、ホント、
 美味しかったです。このまま勝ち続けて
 今度は、決勝戦で!」

やま「おっ!決勝までいけるんかい?
   そうなったら、俺らまた、来たるで」

まこ「そやな。咲ちゃんらもまた、来てくれる
   んちゃう?」

咲 「当たり前やん、決勝戦まで残ったら
   また、皆んなで来てあげるよー!」

かわちん「そしたらまた、加奈ちゃんの
     お弁当食べれる?」

加奈「ええよ。また、作って来るし」

かわちん「よっしゃー!べーやん、頼んだで」

俺「おうよ!優勝したるって。なぁ、長谷川」

長谷川「俺が出たら、優勝やろなw  」

静奈「ヤス君、怪我の方はもう全然?」

俺「おう、問題ないかな。心配せんでええよ」

静奈「次も、私来れたら来ても良い?」

俺「ああ、ええに決まっとるやん。なんで?」

静奈「変な気使わせたら、嫌やなーって」

俺「そんなんないって。居てくれたら、
  嬉しいし。静奈には、観ててほしい」

静奈「うん。」

咲 「何2人で話てんの〜?❤️ラブな話して〜
   嫌らしわ〜」

静奈「そんなんちゃうって」

今日のことは、絶対忘れないだろう。

最高の仲間、最高の彼女に囲まれて過ごす

時間をもっともっと作って行きたいと心から

思った。










第二十七章 いざ!出陣!



新人戦当日。天気は快晴。春らしい日となった。

現2年生もうすぐ3年生となる先輩中心となる

新しいチームの初陣戦。そのメンバーに俺と

長谷川は選ばれた。実力はハッキリ言えば

決勝まで残れる可能性は、五分五分というとこ

だろう。総力戦は間違いないと思う。

緊張して、眠れないと思ってたが、静奈の

応援で疲れてたせいか、静奈の存在があるから

なのか、グッスリ休むことが出来た。

朝、我が星光のグラウンドに集合し、バスで

スタジアムに向かった。着いた時には、もう

ライバル校が続々と集結していた。

先輩達の気合が入った顔が、物凄く頼りがい

があり、頼もしく思えた。工業高校独特の

威圧感は他の普通科校にはないものが、

余計にそう思わせた。

一回戦の相手は、白北高校。ここを、勝てば
この後名西高校とあたる。

普段通り行けば、勝てる相手だ。

俺達は、スタジアムに入り、ロッカーで着替え

グラウンドへ出た。スタジアムとは名ばかりの

土ならグラウンド。客席はあるが、まあ、

応援は一回戦てのもあって、ベンチ外の

メンバーが見えるくらい。後は、他の高校

部員がいた。会場は何箇所かに

別れてる為、8チームぐらいが各々離れて

集まってるのが分かった。

そこに紛れて、アイツらの姿がみえた。

違うと言えば、そこに静奈が居て、咲ちゃん

絵里ちゃん、加奈ちゃんの姿があることだ。

1番前のとこに陣取り、こっちに手を振ってた。

長谷川「ベンチでも、ここ来ると緊張するな。
    俺、今回初めてやから特にヤバいわ」

俺 「俺も、前はそやったなぁ。まあ、あそこ
   見てみな。アイツらの顔見たら、
   落ち着くやろ」

長谷川「おっ!来てるやん。全然周り見えん
    くなってたんかも。おーい!」

長谷川と俺は、手を振って応えた。

静奈と咲ちゃんが呼んでるのが分かった。

静奈「おはよう。今日は、頑張ってな。
   最後まで、観てるから」

咲 「べーやんら試合出るの?出ないんやった
   ら、私らの応援意味ないんやからね!
   監督にしっかりアピールせな!」

咲ちゃんの圧に押されっぱなしだった。

やま「おーい!相手どうなん?勝てるん?」

まこ「長谷川は、出れんのやろ?出たら
   まけるでw」

かわちん「ひどいこというなー。まこちゃん
     キツイで。」

加奈「長谷川君がんばって!絵里と応援
   してる♪」

絵里「負けたら、あかんよー。べーやんもな」


俺「ありがと!出れたら頑張るわ」

長谷川「がんばるわ!しっかり見とってな」

「ほな、行ってくるわ」

俺「静奈! じゃぁ! 行ってくるわ」

静奈は、最高の笑顔で、送り出してくれた。







    
第二十六章 祝勝会!


静奈達の大会は、無事閉会した。

咲ちゃんは、泣き崩れた様子だった。

静奈は、咲を抱きしめ彼女を褒めてあげてた

「咲、頑張ったもんね。凄いよ!まだ次も
 頑張ろ!今度は、もっと上に行こうね」

「うん。でもやっぱり悔しいよ。勝てる自信
 あったし、まだ、やれたもん。」

いつも明るい咲ちゃんのイメージしか

なかった俺達は、その場で、何も声かける

ことが出来なかった。加奈ちゃん絵里ちゃんも

同じ気持ちだったのだろう、俺らから見えない

様にしてたが、やっぱり泣いていた。

静奈だけ、励ましながら笑ってた。

彼女のこんな一面を見た俺は、静奈を好きに

なったことを誇りに思えた。 

長谷川「さあ、皆んなよくがんばったから、
    お祝いしましょうか!
    大した事は出来ませんが、よろしい
    でしょうかねぇ?」

まこ「そうやね、皆んなマジ頑張った!
   俺らが奢ります!」

かわちん「よう言うわ!加奈ちゃんとか
     の試合見てないやん」

やま 「ほんまやで!今回は、静奈ちゃんと
    咲ちゃんがベスト4ちゅうことで、
    今度は、加奈ちゃん絵里ちゃんの
    応援もしっかり来るっちゅうことで」

俺 「そやな、行こか!」

咲 「皆んなありがとう。次、もっともっと
   頑張るから」

咲ちゃんにもいつもの笑顔が戻ったようだった

俺 「静奈、お疲れ。初めて見たけど、凄いな
   少し驚いたわ。カッコ良かったってのも
   変かも知れんけど、見惚れてもうた」

静奈「ホンマに。ありがとう。いつも緊張
   するんやけど、皆んな応援してくれた
   から、硬くならずに行けたかも。
   見ててくれたんが、ホンマ嬉しくて
   テニスが楽しめたんよ。ヤス君も
   明日、頑張ってな。応援するから」

俺 「静奈の頑張り見たら、負けてられへん
   て言いたいとこやけど、明日、ベンチ
   スタートになってもうたから。
   もしかしたら、出番ないかもよ」

静奈「でも、行くよ。絶対。」

咲「べーやんら、何話てんの?皆、行くって
  お好み焼き奢ってくれるって!」

静奈「そうなん、今行くね」

俺 「お好み焼きって、そんなんでええの?」

まこちゃん「俺らの財布の中知っとるやろ!
      タクシー出来て金あるかいな!」

かわちん「そうそう、今日はこれで勘弁や」

やま 「俺は、お好み好きやから、ええで」

長谷川「明日は、俺らも試合あるし、今日は
    近場で、許してね!」

皆んなで、近くのお好み焼き屋に向かった。

ちっちゃな店やったが、ぎゅうぎゅう詰めに

座りながらも、楽しい祝勝会だった。

2時間ぐらい騒いだかな。店を出た。

咲 「明日、べーやんら試合なんやろ?
   私ら休みやし、応援いこうよ!
   静奈、予定ある?絵里も加奈も
   行かへん?」

静奈「私は行く予定やったから」

咲 「そーなん!ずる〜い、誘ってよ!」

絵里「あれれ?もしかしたら、もしかする?」

加奈「え!そうなん?」

咲 「何、何、どういうこと?」

ここで発表しとくタイミングかなって、静奈と

目が合った。お互いそう感じた。

俺 「ちょっと前から、大西と付き合ってて
   報告が遅くりましたが・・・」

静奈「ごめんね、隠すつもりはなかったん
   だけど、恥ずかしくて中々、言えて
   ませんでした・・・」

咲 「静奈!ホントなん?前に好きな人
   居るって言ってたん、べーやんのこと?」

静奈「うん」

咲 「告白してたのって、べーやんやったって
   こと!」

静奈 「そう」

咲  「ちょっと、ショックやな。私、
    べーやんのこと気になってたのに〜
    でも、静奈がずっと言うてたの
    知ってるし、応援するわ!」

咲ちゃんのこの言葉に驚いたのは言うまでも

ない。

加奈「うわ〜。ええなー。私も好きな人に
   応援来て欲しいなー」

絵里「私もー。えーいつから?この前、
   会った時、もう付き合ってたとか?」

俺「あの時、2度目の告白した日かな」

絵里「うわー、全然気付かなかったって
   言うと思った? 私は何となく怪しい
   なー、思ってたんよ。だって帰り静奈
   凄い嬉しそうやったから、なんか、
   あった?って聞いたの覚えてる?」

静奈「覚えてるw。言うのは、恥しくて
   言えんかったけど、バレたかもって
   ヒヤヒヤしたもん」

加奈「その時、返事してたの?」

静奈「その時はまだで、その後すぐ電話した
   の。返事また、今度って言ってくれてた
   んやけど、もう、決まってたし。
   前みたいに、すれ違いになったら
   嫌やったから」

まこ「おーい!君達、僕らをお忘れに
   なっちょりはしませんでしょうか?」

かわちん「そうそう、僕ら全然フリーですよ
     寂しいあなた方のお供に僕らは
     いかが?」

やま 「お前ら、あほか!恥ずかしいわ!」

全員大爆笑!

咲 「じゃあ、明日私ら皆んなで、応援
   に行くことに決定しました!」

まこ「女性陣が来るなら、俺らは・・・」

かわ「当然、いくでしょ!」

やま「それ、やめろって!恥ずかしい」

咲 「べーやん、静奈と、私らが応援行くん
   やから、負けたらあかんよ!」

俺 「俺ら、もしかしたら、明日出番ない
   かもって静奈には言うてたんやけど」

咲 「でも、この前のサッカーの試合見て
   ハマってもうたところあるし、
   行くよ!」

俺 「そう、ありがとう」

まこ「スタジアムに10時集合で、俺ら下で
   待ってるわ、一緒に応援やな」

俺 「そろそろ解散しよか。明日もあるし
   今日は、お疲れ様でした。」

長谷川「じゃあ、明日!」

俺 「静奈、また、帰ったらLINEするわ。
   今日は、ホンマ、お疲れさん」

静奈「うん。気を付けて帰ってね」

俺 「咲ちゃん、お疲れ!絵里ちゃん
   加奈ちゃんもお疲れ様です」

咲 「べーやん、静奈泣かしたら、私が許さ
   ないからね! フラれたら、慰めて
   あげるからねー!バイバイ!」

俺 「じぁね!そんときは、よろしく」

彼女達と別れた。

男だけになるといつも通りに戻るわけで

かわちん 「帰りは、タクシーやないの?」

やま 「帰りは、知らんで」

まこ 「考えてなかったやん。電車まだある?」

長谷川「あるやろ。ゆっくり電車で
    帰りますか」

俺 「金ある?さっき使ったから足りへんかも
   まこちゃん、貸してな」

まこ 「歩き確定。俺、知らん」

この日は、皆んなでお金を出し合い帰宅する

ことになった


明日の試合、絶対に勝つ! 

家に着く前に、彼女にLINEを送った

静奈からの返事

「がんばって!皆んなに報告出来て、ホッと
 してます。咲がヤス君の事思ってたこと
 を聞いて、少しヤキモチを妬いて
 しまいました」

俺 「今日、また違った静奈を見ました。
   また、惚れでしまいました。
   おやすみ」

静奈「❤️❤️❤️  おやすみなさい」