通報で森の別荘を訪れた女性保安官補ブリンを殺し屋の銃撃が襲った。逃げ場なし―現場で出会った女を連れ、ブリンは深い森を走る。時は深夜。無線なし。援軍も望めない。二人の女vs二人の殺し屋。暁の死線に向け、知力を駆使した戦いが始まる。襲撃、反撃、逆転、再逆転。天才作家が腕によりをかけて描く超緊迫サスペンス。
内容「BOOK」データベースより
森の別荘で発生した弁護士夫婦殺人事件!通報により駆けつけた女性保安官補ブリンは殺人犯の男2人から襲撃を受ける・・・とっさに森に逃げ込むと、弁護士夫婦の友人ミシェルも犯人から逃れ隠れていた。犯人の企みで応援は望めない、安全を確保する為に森を抜ける決意をするブリン。目撃者を消そうとする殺人犯との命懸けの追走劇が始まる。騙し騙され、欺き欺かれのどんでん返しはハラハラドキドキの物語。狩るものと狩られるものの狂想曲、一瞬たりとも気を抜くことなく最後まで読むべし!
リンカーン・ライムシリーズ最新作を読んだ勢いで、単独作品である「追撃の森」を読みました♪ライムシリーズの翻訳を手がける池田 真紀子さんに慣れ親しんだせいもあり、本書の土屋 晃訳に最初はなかなか馴染めないでいました・・・これは翻訳の優劣といった事ではなく、その翻訳者独特のテクニックのようなものの違いが気になるってレベルの話です。例えば、子どもが義理の父に対してお願いをする場面で「たのむから」なんて台詞を池田訳だったならば登場しないかなぁって程度の誤差。ほんと些細な事ではありますが、シリーズ通して馴染んだ翻訳と違う作品を読むと違和感がある事を初めて実感しただけに紹介してみました。でも今にして思えば、義理の親子の微妙な関係性を文字で表現していたとも取れるので・・・やはりそれはそれで高等な翻訳テクニックなのかもしれませんね。
しかし、そんな些細な事もディーヴァーのいつものどんでん返しが始まると微塵も気にならなくなります!「追撃の森」とは実に見事なネーミングだと思いますね。追う男2人に追われる女2人の見事な追走劇がノンストップで描かれているので息つく暇なんてありません、手負いの女性二人に屈強な殺し屋二人とあっという間に追いつかれるんじゃないかとヒヤヒヤします、寸でのところで機転と叡智で切り抜けるブリンの姿がとっても素敵で・・・様々な偶然も重なり数々の危機を乗り越える!追走劇アクションだけでも物語は面白いのに、サスペンスものの天才であるディーヴァーは事件の背景設定そのものにも趣向を凝らしているため最後の最後まで事件の真相が隠れており読者は大満足することでしょう。
悪人を上手に描くのが特徴のディーヴァーですが、今作の殺し屋特に凄腕のハートに注目です。正義と悪の好敵手(ライバル)といった構図はサスペンスものの常ですが、ある種プロフェッショナルとしてブリンとハートの奇妙な愛情関係にも注目していただければと思います。悪人なのに格好が良い!嫌いになれない悪人、それがハートです。登場する全ての人物は注目に値します、是非好きな登場人物を探してみてください。
文藝春秋 (2012-06-08)
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