アメリカ政府を批判していた活動家モレノがバハマで殺害された。2000メートルの距離からの狙撃。まさに神業、“百万ドルの一弾”による暗殺と言えた。直後、科学捜査の天才リンカーン・ライムのもとを地方検事補ローレルが訪れた。モレノ暗殺はアメリカの諜報機関の仕業だという。しかも「テロリスト」とされて消されたモレノは無実だったのだ。ローレルは、この事件を法廷で裁くべく、ライムとアメリア・サックスを特別捜査チームに引き入れる。スナイパーを割り出し、諜報機関の罪を暴け―ライムと仲間たちは動き出す。だが現場は遠く、証拠が収集できない。ライムはバハマへの遠征を決意する。一方、謀略の隠蔽のため暗殺者が次々に証人を抹殺してゆき、ニューヨークで動くアメリアに、そしてバハマのライムにも魔の手が…
内容「BOOK」データベースより
科学捜査の天才リンカーン・ライムに人間嘘発見器キャサリン・ダンスと全世界でベストセラーを連発するアメリカサスペンス小説の巨匠ジェフリー・ディーヴァー!「ゴースト・スナイパー」はリンカーン・ライムシリーズ第10弾の物語。
凄い!凄過ぎる!リンカーン・ライムシリーズだけで既に9作品、もはや読者はディーヴァーがどんでん返しを得意とする事は知っている!それなのに、そうくるかぁと唸ること数回、なんでや!?と驚くこと数え切れず・・・そしてそれが毎回とってつけたような出来栄えじゃなくて、計算されつくしているから凄い!前作までにも書きましたが・・・本当にディーヴァーの作品は一字一句見落とす事なく読まねばなりません、何気ない一言でも最後には意味が与えられる、そして一切の無駄はないのです!!期待されて期待を裏切らない作品!それを連発するのがディーヴァー。
ディーヴァー作品は新書で400ページ、文庫で800ページ程度の作品が多いです、新書では最初の100~150ページ、文庫では200~300ページは比較的ゆったりとしたペースで物語が進みます、その後に怒涛のどんでん返しラッシュが始まり読者は急流に流されるかのようにラストまで一直線となります・・・毎回の事ですが最初のゆったりした展開の中に伏線が無数に散らばっています!そして読者はそれを知って注意深く読みます、それでもディーヴァーの企みには足元にも及ばないのです!!これは何か意味がある文章だ、今回の伏線は読めた!などと思ったが思う壺です、それこそがミスリードなのですから^^この読者を化かす天才作品は一度味わうと止めることが出来ません、今作でも健在、是非体験を!
今回の敵“ゴースト・スナイパー”も注目です!ディーヴァーの過去の作品では、凄腕の殺し屋から連続猟奇殺人犯と様々なタイプの犯人が登場しています、悪の描き方と読者に与える恐怖の度合いが凄い事もディーヴァーの特徴ですが・・・今回の悪も一段と凄みを増しています!というのは、今回の悪は国家や組織といったシステムが生み出した悪・・・立場によっては必要悪とも捉えられる悪であり、過去作品のような絶対悪とは異なった悪なのです!立場による悪・・・思い込みによる悪・・・今までとは一味違った善悪を描いた作品であるのも「ゴースト・スナイパー」の特徴といえるでしょう。 ただし、最後まで読んで・・・そういった立場上の善悪といった新しい演出を用いているなと思わされている事すらも計算のうちなのかもしれません。ほんとうにディーヴァーは恐ろしい作家ですね。
最後に、本作のラストで書かれるライムの新境地が凄いと申しておきます。
ライムを語る上で外す事ができない肢体麻痺という身体障害、過去シリーズでライムは肢体麻痺克服に向けた弛まぬ努力を見せている、その姿に多くの読者は感動を覚え勇気を与えられてきた事でしょう。その肢体麻痺に対する新しい決意をライムは本作最後で見せます。これはシリーズをずぅっと読んできた読者ならば震えるぐらい感動する場面となる事でしょう。今後もライムの魂は燃え続けます!
