『シャーロック・ホームズの帰還』 アーサー・コナンドイル | ほんとなかよし

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『最後の事件』で滝底に消えたホームズ(『シャーロック・ホームズの思い出』所収)。しかしドイルは読者の強い要望にこたえ、巧妙なトリックでホームズを「帰還」させた(『空き家の冒険』)。独自のプロットで読者を魅了する『踊る人形』や、国家機密をめぐりあざやかな解決にいたる『第二の汚点』などの傑作群を収録した第三短編集。ホームズ物語を3倍たのしむオックスフォード大学版の精緻な注釈と解説。初版本イラスト全点を復刻掲載。


内容「BOOK」データベースより


河出出版シャーロック・ホームズ全集第6弾「シャーロック・ホームズの帰還」。全9集のうち5つあるホームズ短編集の中で3番目の作品、宿敵モリアーティ教授との死闘の末に滝壺へと消息を絶ったホームズ、前作長編「バズカヴィル家の犬」でホームズは読者の前に姿を見せたものの、これは失踪以前の事件という扱いであり。依然としてホームズは行方不明の扱いだった・・・そしてついに真の意味でホームズは復活する!華麗に見事に読者の前に、そして相棒ワトスンの前に現われるホームズの姿が素敵。

ホームズの復活は本当に誰もが望んだ事なんだろうと思う、当時コナンドイルに提示されたホームズ復活に対する原稿料が破格だったとの事だが、そんな事実を並べ立てるまでもない。というのは、私はホームズ全集の途中でホームズが一度行方不明になり、そして復活するという情報を知っていたのにも関わらず、ホームズが滝壺に消えた瞬間に胸がふさがる思いだったし、今作を待ち望んだ1人であるからだ!この読者が感じた気持ちを全て代弁してくれているのが物語の書き手でありホームズの相棒ワトスン先生だろう。彼のホームズに対する感情はイコール読者の感情なのである。ホームズ復活に一番喜んだであろうファン、その一番のファンはワトスン先生だったことは言うまでもないでしょう。


収録短編「空き家の冒険」「ノーウッドの建築士」「孤独な自転車乗り」「踊る人形」「プライオリ学校」「黒ピータ」「犯人は二人」「六つのナポレオン」「三人の学生」「金縁の鼻めがね」「スリー・クォーターの失踪」「アビ農園」「第二の汚点」


奇妙な暗号で読者をわくわくさせる「踊る人形」に、不可解なナポレオン石膏像破壊事件「六つのナポレオン」、奨学金獲得の為のテスト問題が事前に盗まれた「三人の学生」と、バリエーション豊かな事件があります!ただ、やはりベストはホームズ復活の「空き家の冒険」でしょうか・・・ホームズが何故ずっと隠れていたのか、そして復活の為の大活躍が見れますのでイチオシですね。

ワトスン先生の探偵相棒としてのスキルアップが目覚しいのもポイント!もうホームズが初対面の人に対して初見で推理をする(例えば趣味自転車を言い当てる等)事に驚かなくなるどころか、その着眼点をワトスン自身が気がつくレベルまでになっています。こういった変化を楽しめるのはやはりシリーズの醍醐味ですね。

最後に、ホームズは謎解きに全精力を注ぎ法の番人として事件や犯人を追い詰めます、しかし罪を憎んで人を憎まずといいましょうか・・・犯人がやむにやまれず及んだ犯行に関しては意外なぐらい寛大な措置をとる事もしばしばです、法的に情状酌量を下すのではなく自らが犯人を許すといった行動をとるときがあります・・・厳格で一風変わったホームズが人情的で憎めないと感じるはこういった行為が原因なのかもしれませんね。