イギリスの詩人が幼い息子のために書いた楽しいファンタジー.クリストファー・ロビンが,クマのプーさんやコブタなど,大好きなおもちゃの動物たちとくり広げるゆかいなお話.
内容紹介より
「くまのプーさん」は、1926年に発表されたA.A.ミルンの児童小説。くまのぬいぐるみ「プー」が擬人化し森の住人と日常を繰り広げる物語、作品は父親が息子クリストファー・ロビンに対し愛する「プー」の物語を読み聞かせる形式で構成されており、「プー」の物語には唯一の人間登場人物としてクリストファー・ロビンも登場している、息子をファンタジーの世界に登場させて語り聞かせる愛に満ち溢れた作品である。A.A.ミルンの実際の息子がクリストファー・ロビンである事から著者自身が我が子に贈った作品として認知されている。が、著者自身は作中のクリストファー・ロビンは不特定多数の子どもを対象としていると語っている事や実の息子クリストファー・ロビンがプーの事を言及する事を避けていたとの話もあり、実際はそうではなかったのではとの説もある・・・しかし、読者の多くは、やはり父が我が子に贈る愛情溢れる作品である事を望むだろう。
作品と登場キャラクターは当時から人気を集めており多数の国で翻訳され世界に広まり読まれているのだけれど、一般的なキャラクター認知度を押し上げたのは1960年代ディズニーのアニメ作品化が絶対的な影響を与えていると思われる。現代人が一般的に思い浮かべるプーさんはディズニーアニメのプーさんだろうと思うが、原作E.H.シェパードのイラストプーさんはより“ぬいぐるみ”らしい愛らしいプーさんが描かれており物語と挿絵のマッチングが絶妙な事から原作プーさんの方が好きだとの読者の声も多い。プーさんファンならずとも原作の物語とイラストは触れてみて損は無いと思いますので絶対的オススメの一冊。私の場合は、本作を読む前に「プーさんの哲学」という一冊を読んでいました、プーの物語を古今東西有名な哲学者に当てはめてプーさんを偉大な哲学者と解釈するアプローチがなされた一作品で話題の飛躍や着想が奇抜すぎて度肝を抜かれた記憶があったのだけれど、なかなかどうして実際のプーの物語を読んでみて、そういった哲学的な視点が生まれても少しも可笑しくない物語なので驚いた。時々ふっと投げかける何気ない疑問や言葉は大人が読んでも深く考えさせられ、読者の多くも只の児童文学物語では無いと感じると言う人が多い。哲学的な要素は「プーの哲学」に任せる事にして私なりにプーの物語の良い点を挙げてみたいと思います。それは「馬鹿」という言葉がこれほど愛情を込められて放たれる作品は他にはないと感じた点ですね、プーさんは自他ともに認める頭の悪いクマとして登場します、数分前に自分がした行動や言った事すら忘れてしまってドジを踏んじゃったりします、クリストファー・ロビンにもしばしば「馬鹿だなぁ~」と言われてしまいます。しかし、その馬鹿の言葉の中に不快な感情や侮蔑の意味は一切感じられません。プーさんの言動や愛らしさがそう感じさせるのではなく、真の意味で互いを理解した者同士の交わす言葉が物語の中で飛び交います。そしてそこに感じるのは全て愛情なのです!言葉狩りが盛んになっている現代社会で、馬鹿という言葉に隠された裏腹なニュアンスを教育する事は難しくなっているのではないでしょうか?それを児童文学作品の中で自然に心に感じさせてくれる作品なのです、素晴らしいです。と・・・哲学とまで言わず結局物語や言葉尻を使って話題を飛躍して語ってしまうのが大人の悪い所でしょうか?プーさんの物語は難しい事や理屈を抜きに楽しんでみるのも一つの読み方であろうと思います。貴方なりの感想を持つ為に人気キャラクターであるプーの物語を是非体験してみてください。表紙のイラストが本当にかわいい!必見ですw
岩波書店
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