一度にひとりずつ、百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。ある事件を境に心を閉ざしていたおちかだったが、訪れる人々の不思議な話を聞くうちに、徐々にその心は溶け始めていた。ある日おちかは、深考塾の若先生・青野利一郎から「紫陽花屋敷」の話を聞く。それは、暗獣“くろすけ”にまつわる切ない物語であった。人を恋いながら人のそばでは生きられない“くろすけ”とは―。三島屋シリーズ第2弾!
内容 「BOOK」データベースより
三島屋“黒白の間”(こくびゃくのま)で繰り広げられる百物語、こわい、かわいい、切ない、いとしい、たくさんの想いが詰まった百物語第二弾「あんじゅう」、百物語とは江戸時代に夜な夜な人が集まり青フィルムで囲った蝋燭100本を周囲に怪談話を順に披露する趣向の会、怪談話一つ終って蝋燭一つ消しを繰り返し時間と共に夜が更け、蝋燭の火は暗くなってゆく・・・度胸と根気比べの行事である、現代の電気煌々の夜と違い江戸の人々には夜は恐怖が強く、百物語は霊的・怪談に対する耐性を高める精神的鍛錬の意味合いが強かったそうな。宮部みゆき版百物語は若干手法が異なるものの怪談話を集める百物語が中心の作品である、奇奇怪怪な出来事に遭遇し世間から距離をとるべく三島屋旦那女将の姪“おちか”は、三島屋に女中同然の住み込み生活を行なっていたのだが、旦那の采配で百物語の聞き手役に抜擢されるのである(詳細は第一弾)、他者の怪談を聞く事で自分だけではないと“おちか”を慰め立ち直らせる事が当初の目的だったのだが・・・やがて様々な、怪談話が集まりだしてくる、己の過去とも対峙を果たした“おちか”。今作では、市中に噂が立つ程になった三島屋“おちか”百物語に続々と怪談話が舞い込んでくる、伊達や酔狂ではなく深まってゆく怪談話に様々な良縁奇縁も織り成しまた一つ百物語が紡がれてゆく。祟りのように恐ろしい、でも子どものように愛らしい“お旱さん”が登場する“逃げ水”はほっこり暖かいお話、人間の醜い部分が呪いとなり害をなす“藪から千本”はゾっとするお話、涙無しでは読めないせつない怪談“あんじゅう”、人間の業の深さを知る物語“吼える仏”。と寒暖激しい4つの物語が背筋をぞくぞくさせてくれる事でしょう。第三弾発売を期に文庫化された第二弾は必読の一冊。第二弾にして宮部みゆきさんの凄さを感じたのは、物語の導入や流れが抜群に上手い事!同時に登場人物の扱い方が良い!このまま百物語を続けると一体どれだけの登場人物が出てくるんだろうと感じる程に多彩な人々が出てくる、それら人々が上手に物語を紡いでいくのは見事という他ありません。実の所、おちかの過去の因縁は第一弾おそろしで一旦区切りが付いた形になっていました、百物語のきっかけにもなった物語の片が付いた事で全て終ってしまうのではないだろうか?と不安だったのですが第二弾あんじゅうで見事に百物語のスタートが切られたように思います。そうまだスタートなのです!百物語の十も語られていないのですからね。単純計算20~25冊程度の構成になるのでは?楽しみなシリーズが誕生したように思います。
最後に、最新刊「泣き童子」がとっても気になる所ですが、もっぱら文庫派の私はじっと我慢している所ですが今作に「泣き童子」に繋がるような話題が出てたのです(しかも百物語には含まれない形式で)が関連があるのか気になる所ですね。
角川書店 (2013-06-21)
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関連リンク ´д`)つ おそろし 三島屋変調百物語事始
