『悪魔のいる天国』 星 新一 | ほんとなかよし

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ふとした気まぐれで人間を残酷な運命に突きおとす“悪魔"の存在を、卓抜なアイディアと透明な文体で描き出すショートショート集。


内容 「BOOK」データベースより


ショート・ショートとは、長さに定義が無いものの短編よりももっと短い短編作品を指す、原稿10ページにも満たない作品は読者にとっては読みやすく入門者にもオススメのジャンルである。星 新一は日本におけるショート・ショートの一線級作家であり生み出した作品数は1000を超えるというから物凄い人である。ショート・ショートは短さ故に技術面や構成力といった要素が極端に削られた作品であり、アイデア勝負的な側面が強いジャンルである、読書家の中には極端にショート・ショートを嫌う人が少なからずいる、星さんを「アイデアの青田刈り作家、今後のSF作品は全て星新一の模倣と呼ばれる」と否定的な評価を与える人もいるぐらいである・・・これは短い作品であるが故に感想や意見を言いやすい事を良い事に好き勝手言う読者の戯言ではないだろうか?確かに短い、しかし決して底が浅くはない。第一底が浅く中身の無い作家ならば、ショート・ショートのジャンルを描こうものなら駄作を連発したちまち廃業となるだろう。

そもそもSFというジャンル自体が産業革命以後に現在を生きる事に昔ほど困難でなくなった人々が明日や未来を思い描ける様になり始めて成立した文学ジャンルである、現在が進行し続け未来があり続ける限りに置いて創作・アイデアが尽きるとは到底思えない。むしろ星新一やその他ショート・ショート作家に全てのアイデアが出し尽くされる様な未来ならば人類に明日は無いだろう。星新一に滅ぼされるSF業界ならばさっさと滅びてしまえと言いたいぐらいである。無限大のSF業界よ!永遠なれ!!この話にはオチがあって、星新一さんが没した1997年以降は、彼が生み出す新アイデアが今後更新されない事を多くの読書家が惜しんだとの事である・・・まさに掌返し、読書の評論なんて当てにならんもんです。さて、「悪魔のいる天国」ですが星新一代表作の一つ「ぼっこちゃん」に収録されている作品が数点挿話されています、一度読んだ話なのに再度読み返しても面白いですね。印象的だった話が再録されているのもグッドでした♪星新一さんの作品は人間に対するシニシズムやニヒリズムといったものに満ち溢れています、昔話でいう所の意地悪じいさんや意地悪ばあさんのイメージでしょうか?登場人物の多くが一癖も二癖もある設定になっており、悪が蔓延るではないですがそういった人物達が意外に世渡り上手に生きている様子を描いている場面が多いように思えます。ショートショートというジャンル性でしょうかストレートに純粋な登場人物が少ないのも作風の一つではないかと思います。奇想天外・摩訶不思議な世界を味わいたい人にはオススメの作家さんだろうと思います。読書入門にもオススメ♪

悪魔のいる天国 (新潮文庫)
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